第74話 10月30日 日曜日5
「あー、いいですねこれ、階段の方が上りやすいです」
ロフト部分へとあがった胡乃葉からそんな声が聞こえてきた。
「まあそれはな。梯子は急だろ?」
「結構私のところは急ですね。何かを持って――とかは厳しいです」
「あー、そうなるのか。ここは階段だから足元気を付ければだからな。でも、場所はとるが――って、これはこれでいいかと階段の下も収納だし」
「そうなんですか?」
「ああ」
俺が説明していると胡乃葉の姿が消える。って、そこまで広くないというか。ホント隅々まで胡乃葉さん見てます?って布団あったと思うのだが――いいか。
「あー、ここもいい感じです。落ち着きますね。ってか。先輩のところのロフトの方が広いです」
「そうなのか?まあ他はあまり知らないが。俺が見たアパートは同じくらいだと思ったが」
俺が話していると胡乃葉の姿が再度見えた。奥の探索?は終了したらしい。
「広いと思いますよ?私のところは布団敷いて、まあちょっとスペースが残るくらいですが。先輩のところ3人くらいまでなら、ここでおしゃべりとか出来そうじゃないですか」
「大人3人は狭い気がするが――」
でも胡乃葉サイズの人ならちょうどいいか。もちろん口にはしていないぞ?
「ってか。胡乃葉」
「はい?」
「サンドイッチ作って来てくれたんならさ。早いがお昼にするか?」
さすがにずっと普段寝ているところというか。プライベートルーム?的なところを胡乃葉にずっと散策されるのはなんかむず痒かったため。俺は話を変えるためにそんな提案をした。
「私はいいですよ?でも先輩起きたのギリギリと言ってませんでした?」
「軽くしか朝食べてないし。クロワッサンサンドイッチが気になる」
「ふふっ。じゃあ。暖かい飲み物もコンビニで買いましたし。食べましょうか」
「ああ、ごちそうさまです」
「はーい。あっ、下に降りますね」
それから胡乃葉はすぐに降りて来てランチバッグを机の上に。ってここで一つ問題が起きた。
「あっ、そうか」
「どうしたんですか?先輩」
「いや、俺さ。基本ビーズクッションとその小さなサイドテーブルしか使わないから――来客用クッションとかないんだよ。椅子も部屋が狭くなるからで置いてないし」
すっかり忘れていた。来客が――と言うことがなかったので。気にもしてなかったが。この部屋。階段がある分狭くならないように無駄なものは置いていない。だから椅子とかも置いてないのだ。さすがに床に胡乃葉を座らせるのも――って、机の高さからして床に座るとバランスが悪い。
「とりあえず胡乃葉がクッション使って――」
頭をフル回転の俺——って。部屋に物がないから解決策思いつかん。
「いやいや私突然来た人ですから床でも」
「いや、床冷たいからさ。って机と高さが合わないし」
「むー。あっ。あの――じゃあ……」
「何?」
すると胡乃葉がビーズクッションを指差したのだった。いや、胡乃葉よ。だからそれは1つしかないぞ?あっ、それでいいという事か?なるほどなるほど。って俺が床でというので綺麗に収まるじゃん。階段のところでもいいし。よしよし解決――してない?みたいだな。なんか胡乃葉は別の事を言いたそうな顔をしてこちらを見ていた。
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