第72話 10月30日 日曜日3

「その――これ」


 俺が振り返ると、胡乃葉は手に持っていた――ランチバック?だろうか?なんか大学でこんな感じのもの持っている人居るよな。と、俺が思っていると。少し俺の方に差し出してきた。なんだろうか?俺にくれるの?ではないか。


「その、お昼に――食べれるかなー。と、クロワッサンでサンドイッチを作ってみたんですが……」

「——マジですか」


 まさかの胡乃葉の手料理?入りだった。


「はい。作ってみました」

「ってか、クロワッサンサンドイッチとやらは始めて聞いた気がする」

「そうですか?普通にクロワッサンを切ってハムとか卵入れただけですよ?」

「なるほど――って、じゃあ飲み物くらい買っていくか?俺の部屋そんな洒落たものないし」

「別に大丈夫ですけど――」

「でも。ホント何もないから。あとからまた――より。俺も買いたいし」

「なら――はい。寄っていきましょうか」


 それから俺達は少し話しながらコンビニ経由で俺の家へ向かったのだった。


 ★


「ここだ」

「近い!?」

「そうなのか?」


 コンビニ経由になったのでちょっとだけ遠回りになったが。胡乃葉にアパートを指差すとそんなことを言われた。


「私の家から――そこまで離れてないですよ?」

「マジか。ホントなんで会わなかったというか」

「まあ買い物とかも場所は違うと思いますが――」

「だな。近鉄の方は俺ほとんど用がなくて――JRの最終電車に乗り遅れた時くらいだからな。さっき話したように」


 俺は歩きながら昨日の事を話していたの付け加える形で伝えた。ちなみに歩きなっがらの会話は、胡乃葉からのメッセージの返事が遅れた――言い訳というか。言い訳か。とりあえず昨日の夜俺は――ということを少し胡乃葉に話していたのだった。

 ちなみに胡乃葉は特に何も思っていなかったというか。俺が忙しいかもしれないのに、いきなりメッセージを送ってしまったとか思っていたとか。そして、本当は返事を待つつもりが――いつの間にか夢の中だったと。苦笑いしながら話していた。


「あっ、えっと――先輩。その、昨日帰りが遅かったのに午前中からすみません」

「いや、あれは突然決まったことだし」

「——ちなみになんですが」

「実は昨日私も同級生の子に食事誘われていたんですね」

「そうなのか?」


 これは初情報。


「でもちょっといろいろしてたら、メッセージ気が付かなくて。時間的にも――だったので断っちゃいましたが」


 話しながら『あはは――』と、再度苦笑いの胡乃葉。っか、胡乃葉もいろいろ声かけられるんだな。ってかけられるわな。可愛いし。来てほしい奴はたくさんいるだろうし。


「まあ――いいんじゃないか?忙しいのに無理に参加する必要はないだろ」

「で、ですよね。でも明日何か言われるかなー。あまり断ってばかりだと」

「ははは……。それはわからんが。俺もなんか断っているといろいろ言ってくる奴いるからな」

「そうなんですか?」

「ああ、誘いは俺なんかでもそこそこ多いから、胡乃葉はさらに大変そうだな」


 ちなみに俺の場合同じ奴からばかりなので――多いとは言えないかもしれないがな。


「えっ。いや――」

「ってか。どうぞ」

「あっ。ここですか?」

「です」


 胡乃葉と話しながら歩いていると、俺の部屋の前に着いたので、鍵を開けドアを開ける。

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