第62話 10月28日 金曜日7
それから改札を2人で抜けて――それぞれの方へ、という時だった。
「あっ、先輩」
「うん?なんだ?」
「その――家近いなら……遊びに行っちゃダメですか?先輩のところ見てみたいです。無理にとは――ですが」
「えっ?家?俺の?」
まさかのお願い。提案だった。俺のところなんて――見てもなんもないぞ?ってか。いきなり男の家来たいとか――それはどうなの?というか。そりゃ俺達知り合ってそこそこだが――うーん。などと思っていると。
「そ、その――そうです。先輩の家のロフトがどんなのかなー。と、ダメですか?」
「え?いや――」
「あと、誰かの家ってこっち来てから実は行ったことなくて、ちょっと行ってみたいというのも――」
それは同性の家でよろしいのでは?もしかすると胡乃葉は忘れているのかもしれないが。俺——男なんですが。ってか。男の部屋を見たところで、マジでどうなのだろうか?ってか、いいの?という疑問が俺の頭の中を回る。
「えっと……」
俺が少し返事に困りつつ――チラッと胡乃葉の方を見ると。何故か返事を待つ胡乃葉目を輝かせていた。もしかして――本当にロフト。俺の部屋を見たいだけ。その他の感情は――ない。と考えられる。
これは、俺も変に考えず。同じドーナツ好きが何か言っていると思った方が良さそうだ。って、ことは――部屋の片付けしないとな。
「——ま、まあ、うん。いいけど?」
「じゃ、明日とかどうですか?」
「明日!?」
めっちゃ急!そんなに見たいの?ロフト?何で?
「あっ、さすがに――急ですよね。えっと――私は日曜もいいですよ?今週暇ですから」
「いや、問題は……ないというか。まあ俺も土日は特に。大学もサークルとか入ってないし暇だから。いいんだけど――」
「?」
「片付けの時間を少しばかり――」
「あっ、なら――お手伝いましょうか?私がいきなり言いましたし。ってか先輩。本音は予定を入れたいです」
「うん?予定を入れたい?」
「——はい」
何で胡乃葉はこんなに必死?と思いつつ。別に俺の家はそんなゴミ屋敷とか言うわけではないし。それに胡乃葉に見られて――というものもないので。パパっとすれば終わる。って、いきなり後輩と部屋の片付けというのも――だからな。
「まあ――さすがに片付け一緒に――はだから。日曜日でどうだ?」
「わかりました。ありがとうございます。決まり!これで、変なお誘いあってもOKです。土曜に誘われても明日早いから――というのと。日曜日ならその日は予定が――です」
俺が返事をするとそんなことをつぶやく胡乃葉。って、なるほど、そういう事か。
「……そういう理由で必死にだったか」
「あはは、空いているのに断るのも――ってか、本当に先輩のお家も気になりましたから。でも私の周りホントいきなり暇?とかで連絡が――なので」
「大変なこった。って、とりあえず日曜日な」
「はい」
「時間は――あとでメッセージでいいか?」
「了解です」
ということで、上手に胡乃葉の予定ありますアピールのために俺は使われることに。って、人間関係大変なのかね?確かに胡乃葉はいろいろ声をかけられている感じだし。それに嘘を言うのは――という考えがあるみたいだから。ちょっとくらい協力?というのか。胡乃葉がいいならいいか。と、俺は勝手に頭の中で納得をしておいた。
それから俺達はすぐにそれぞれのホームへと向かうために分かれた。今日はホームへと行くと胡乃葉の姿が見えた。そして胡乃葉も俺の姿を見つけたのか。手を振ってくれたので俺も返す――って、俺達何してるんだか、などと思っていると、胡乃葉の方が先に電車が来たため。姿が見えなくなり。俺はそのあと少し1人の時間となったのだった。今までいろいろ話していて、急に1人になると変な感じだな。
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