第63話 10月29日 土曜日
ひんやりした秋空の下。久しぶりに部屋の大掃除中の俺。
昨日寝る前は「明日は早く起きて掃除だ」などと思い。やる気だったのだが――いきなりいつもの癖というのか。休みの日はのんびりという事を身体が覚えてしまったらしく。寝坊したがそれはもちろん誰にもばれていない。問題はない。掃除ちゃんと始めたから良しだろ?
そんなこんなで少し掃除の開始は予定より遅れたが。現在は昼前。
俺の部屋は窓全開。とりあえず布団やらはバルコニーへ。少し散らかっていたものは全て片付けた後だ。
いや、部屋の中綺麗になったよ。あっという間に、ホント少しパパっと整理したら終わった。意外と俺は部屋を綺麗に使っていたらしい。これなら別に今日胡乃葉に来てもらっても良かったな。
なんか胡乃葉は予定をとにかく入れておいて――あまり行きたくない誘いを断る口実に――って感じだったし。などと俺が思っていると。
どうやら俺の方がもっと予定を詰め込んで、変な誘いを断れるようにした方が良かったのかもしれない。
♪~
大掃除も一段落して、窓も閉めたころの事。俺のスマホが鳴った。スマホの元へと行って画面を確認してみると――。
「
♪~
スマホの画面には知人の名前が表示されていた。
これは――嫌な予感しかしなかった。ちなみに今音はまだ流れている。これは電話だからな。俺的には――出来れば電話切れてくれないかなー。気が付かなかったでやりすごしたい。と思っていたが。
それからも旺駆里からの着信は切れることなく俺を呼んでいた。長いよ。
どうやら旺駆里も暇らしい。このまま無視しても何度もかけてくる可能性があるので――仕方なく俺は通話ボタンを押してスマホを耳に当てる。
「——はい?」
「おー、クルトン!晩飯食いに来いよ」
俺が電話に出るといつも通りの旺駆里の声が聞こえてきた。
「忙し――」
「くないだろ?」
「——」
電話出なければよかったー。と思いつつも、もう出てしまっているし。現状俺は暇人になっている。部屋の掃除も終わって今日はこのあと特に予定がない。
マジで胡乃葉の来たいって予定。今日でも良かったわ。などと頭の中思いつつ。
「はいはい。どこに行けばいい?」
仕方なく。行ってやるか。と俺が適当に返事をすると――。
「よしよし。じゃ、大学にとりあえず集合で」
「何時に?」
「19時頃だ」
「頃か」
これは――また難しい。19時なら19時でいいのに――頃か。これは前後するな。まあ基本後ろにだろうが。行く時間ミスらないようにしないとな。少し遅刻気味を狙って――だな。
「19時くらいに行けばいいと」
「そういう事。1年の子の一部がサークル終わってからって言ってるからな。バラバラまた集まる予定」
「旺駆里と2人ではないと」
まあわかっていたがな。旺駆里が俺と2人で食事そんなことは絶対ないだろうからな。でも一応――である。
「クルトンと2人とかそんな悲しい食事ないだろ」
「——」
「ってことで、数合わせよし」
「数合わせって、またか」
やっぱり電話出なければよかった――だった。
「偶数の方が何となくいいだろ?お持ち帰り可かもだし」
「——また面倒なのに絡まれたか」
「支払いは――」
「旺駆里持ちとなるほどなるほど。それなら行くわじゃ、19時」
「ちょ待てー」
「じゃ」
何か電話口で聞こえていたが。俺は通話終了のボタンを押した。我ながら今のは上手だったのでは?これで旺駆里の支払いが確定。また俺は食えばいいだけよし。
俺は通話の終わったスマホを机の上に置く。
静かである。それもそうか。俺1人しかこの部屋には居ないんだからな。さっきのうるさいのが夢であってほしいが――そんなことはないので、俺は諦めて昼ご飯は適当に家にあった物を食べて。それから午後は干していた物を片付けたりして、暗くなった頃家を出発したのだった。
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