第61話 10月28日 金曜日6
ちょっとドキドキしつつ。俺は話を続けた。
「ちなみにだが。俺は最寄駅が朝日駅なんだけど――」
「なっ!?わ、私もです。あっ、でも私は伊勢朝日駅の方ですが――」
驚きつつ胡乃葉が付け加えた伊勢というのはあれだ。JRの場合は朝日駅。近鉄の場合が伊勢朝日駅となるからだ。つまり――駅は違うことが確定。って、ほとんど同じところだがな。離れてはいるがどちらの駅も歩いて行ける距離だ。
「今の話的には――もしかして住むところも、ほとんど同じところに住んでいると?」
「同じですね。ちょっと怖くなってきましたよ?」
身の危険――ではないだろうが。多分冗談?の感じで胡乃葉がギュッと自分の身体を抱いた。
「先に住んでいたのは俺だからな?」
「……確かに」
ストーカーか!などと胡乃葉に言われても先に住んでいるのは、1学年上の俺である。なのでストーカーとなることはないと思うが。もし胡乃葉が――だと。である。
「ちなみに俺は朝日駅から西の方へちょっと」
「私は伊勢朝日駅から東の方へちょっと――」
「あー、それだと」
方向が違う。JRの駅の方が西側にあり。近鉄の駅の方が東側にある。そして、俺はさらに西。胡乃葉はさらに駅から東――ということは、離れているので、同じ建物説はココで無くなった。
「建物が同じということはないですね」
「ないな。ちょっと安心だな」
「確かにです。そこまで一緒で半年ほど経つのに知らなかったは――」
「「怖い」」
俺達の声がハモったところで、再度いろいろ話した内容を整理した俺達さすがに家の場所まで聞くのは――だったので、住んでいる場所に関しては近く。ということでこの時は終わらせた。
そして気が付けばドーナツや飲み物を完食してからしばらく話していた俺達はお店の閉店時間間近ということに気が付いて、片付けを開始したのだった。
それからお店を後にして――って、なんかお店を出る時に、またお姉様のニヤニヤな視線があった気がするが――触れないいいかな?俺達会話。雑談していただけですから。お姉様がいつも言うようなことは何も起こってませんから。
お姉様からは上手に逃げた俺と胡乃葉は、お店を出た後は、特にこれと言って話すことがなく。ちょっと無言で桑名駅へと2人で真っ暗な中歩いていた。変な空気ではなく。それぞれが今日聞いた情報を整理していたら自然と無言になっていた。そんなところだ。すると。
「あっ、先輩。忘れてましたが。連絡先交換しましょうよ」
胡乃葉がそんなことを言ってきた。そういえば俺たち連絡先の交換もしていなかった。
「あー。そういえばしてなったな。いいぞ」
「ありがとうございます」
返事をしつつ歩いていると桑名駅が見えてきたので、俺達は桑名駅に入ってから駅の隅っこの方で互いにスマホを出して、連絡先の交換をした。
俺のスマホの中に友人が1人増えましたと。
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