第53話 10月21日 金曜日4
「先輩?大丈夫ですか?」
俺がちょっと頭の中を整理していると。今度は心配した表情のココが話しかけてきていた。この数分でコロコロいろいろな表情をするココだった。
「——問題ない。ちょっと頭の中を整理していただけだ」
「先輩――もしかして気が付いてなかったですか?」
「——」
またニヤッと、嬉しそうな表情をするココ。おかしいな。今日は俺――先輩っぽくなくないか?俺後輩にいじられるキャラだったか?そんなことないはずなのだが……。
何も俺が答えれずに考えていると。
「——普通にさっきの表情してくれたのなら――それはそれでさらに嬉しいです。気にしてくれていたんですねってことで」
「——いや、まあ。うん。話は聞いていたから気にはなっていたというか――俺疲れているのか?」
やべー。何て言ったらいいんだよ。わからん。俺は戸惑い。ココは嬉しそう。これ――絶対お姉様に気が付かれたくない。って、今の後ろの様子がわからない。これで見られていたら――などと思っていると。ココの攻撃はまだ続いた。
いやいやココ場所を思い出せなのだが――今の俺の頭の中にはココを止める思考がなかった。
「先輩照れてます?」
「——それはないと――思う。うん」
「間がありましたね。ってか先輩」
「——なんでしょうか?」
「話し方まで変わった?」
「……キノセイカナー」
何で俺は急に後輩にいじられているのだろうか。あっ、もしかしてお姉様飲み物に何か入れたりは……ないか。ってか、落ち着こう。このままだと完全にココのペースになってしまう。今は――そうそうココに話しかけられているところだ。よし。落ち着け俺。普通にいつ戻り逝こう。
訂正。逝ったらだめだ。いつも通りいこう。平常心平常心。
などと俺が思っていると、何故か今度はココがちょっと緊張した?ような声で話しかけてきた。
「先輩面白い一面ありますね。って、あの――今更ですが。先輩。自己紹介やっぱりちゃんとしたいです――ダメですか?」
「——えっ?」
俺の頭の中がいろいろ混乱していると、急にココがそんなことを言ってきたのだった。
自己紹介。
今まではなんとなく初めて会った時の雰囲気のままというか。俺が言い出したのか。ずっとここでは、ドーナツ屋ではというか。俺達はククとココだったが。何で急にというか。今?という疑問が俺の頭の中にはここに言われて生まれていた。
ってか、あといろいろココにいじられていたから、そのことで頭の中が整理しきれていない俺に、整理させまいといろいろ言ってくるココ。
ってか次から次へとなんか新しいことが――だな。今はそんな状況だ、つまり俺――まだちょっと頭の中パニック?大丈夫か?俺。
「急に――どうした?ココ?」
俺は混乱しつつも何とか返事をすると――。
「いや、なんかやっぱりちゃんと先輩の名前とか知りたいなぁー。と……」
「えっと――まあ俺はいいけど」
特に隠したいということはなかった。単に初めての時にいきなり知らない奴になんか言うのは嫌だろう?という感じで俺が言ったことが始まりなだけで、名前を明かしてはいけない。とかいうルールはもちろんない。よし。俺ちょっとずつ頭の中が整理されてきた。記憶も大丈夫だ。ぶっ飛んでない。
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