第47話 10月14日 金曜日2
ふとココと初めて会った時の事を思い出していた俺。その間もココの話は続いていた。
「で――あの時は上手に予定が――でやり過ごしたんですが。また集まるから。今度こそと。先輩から。あっ、先輩って言っても友達経由なんですがね。私はあまり接点のない先輩なのですが――友達はみんなそういうの好きみたいで。気が付いたら私も……」
「マジ大変だな」
「……さすがに連続では、断れなかったといいますか。みんな行くやらで、あと、先輩が直々に私を指名していたみたいで――この前会えなかったから。会いたい。話したいと言っているとかで、予定がなかった私。ってか、先に友人に今週の土日は予定ないって、言っちゃっていたので」
ココの話的に――その先輩とやらはココの事を知っているというか。接点が欲しくて仕方ない感じなのだろうか?確かにココはかわいいからな。一度見たら――とかで、狙う人は狙うだろう。間違いなくな。それに俺の周りにいる奴で言えば、旺駆里とか、ココを見たらめっちゃアタックしそうな感じだからなぁ。つまり旺駆里みたいなやつがたくさんいると。嫌だね……うん。
「同じことになるが。マジで人間関係って大変だな」
「です」
「ってか、あれ?ココ――なんて言ってた?時間つぶしたらいいですか?だっけ?あれ?カラオケって歌うたわないか?」
ふと、その時俺ははじめのココの言葉が頭によみがえってきた。カラオケで時間つぶしとはどういうことだ?と。カラオケなら――何歌ったら?とか聞かないか?あっ。と、俺が気が付いた時だった。
「……それがですね――笑わないでくださいよ?」
「うん」
カラオケ。みんながみんな歌が上手い。好きなわけではない。という事だろう。
「その――私歌。苦手というか――初めてで――全く自信なくて」
「——なるほど。ちなみに俺の過去を言うと。無理矢理マイクが回ってきたため1曲だけ仕方なく知っている歌を歌ったら――その後二度とマイクが来ることはなかった」
「……」
俺が先に自分の悲しい過去を話しておくと。ココがなんとも言えない表情になってから、苦笑い?ではないが優しく微笑んでいた。良い子だわ。ココは。
多分あれは俺が下手すぎたのだろう。ちなみに俺も大学に入ってから初めて誘われたが――あれは散々な結果だったな。その時も旺駆里主催で、男女ミックスだったが。確か女子の方が遅れているとかで、先に集まっていた男子が練習がてら時間つぶしに歌う――で、もちろん俺にも回って来たんだが。でも……あれはあれで良かった。俺に歌が酷すぎると知った他の男子が、優しさで俺には絶対マイクを回さないように徹底してくれたからな。そりゃ一部女子はお前何してるんだ?だったかもしれないが。俺はその場で空気となっていたのだった。
ってか、俺個人的な感想を今だから言っておくと。旺駆里がめっちゃ歌ってはいたが――あいつ。俺と同じく下手だったような――いや、待て、初めて会う男子からもマイクを一切渡されなかった俺だから。そりゃ旺駆里以上に――まだ旺駆里の方がマシだったのだと思うが。
俺的には――旺駆里もノリノリの割にはなかなかな――だったような。とまあ今だから言えるというか。思い出せることだな。
俺の脳内で思い出している限り誰かに漏れることはないか。以上これが俺の過去である。
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