第30話 7月15日 金曜日6

 最後の最後で、またお姉様にいろいろ言われていた俺達だった。

 ちなみに店長は絶対に姿を現さなかった。お姉様がお客さんを困らせて遊んでいるという事実があったが――聞こえていなかったのか。または知らないふりだったのか。いや、絶対聞こえてるよな。またはたまたま裏にも居なかったという可能性があるが。

 もしかして店長って存在しないとかある?それは――ないか。そうだよな。ココと会った時もだが。俺がサービスでドーナツをもらった時。お姉様の後ろから声が聞こえてきた。まさか――お姉様が腹話術が出来るとかだと話は変わって来るかもだが――それはないだろう。物音はしているし。

 ってことで、店長にも助けてもらえず。ちょっと退出時にあった俺とココだったが。その後は何とかドーナツ屋を離れ駅へ向かっていた。

 駅までの会話は、お姉様の事だったがね。そりゃそうか。ココも気になるというか。勝手なことを言われていたので――いろいろ訂正。早いうちにはっきりさせておきたかったのだろう。


「わ、私はただ先輩にお礼が――ですから。それ以外は無いんです!」


というようなことを3回ほど聞いた。2回でも念押ししたな。だが3回も言ってきたので――ココ的には本当にお礼のためだけに俺を探していた。舞っていたということだろう。って、ここ数週間はな。たまたまホントたまたま試験とかの準備でちゃんと来れなかっただけで、普段なら絶対俺金曜日には居たのに、タイミングが悪かった。ココには悪い事したな。ココも試験とか言っていたから大変な時だろうに。

 あっ、ちなみにお姉様が変に話を――だったので、ちゃんと確認が出来ていなかった。ココの挙動不審行動に関しては、駅に向かいながら聞いてみると。それは事実だったらしく。駅に着いた頃にはココは小さくなっていた。

 

「もうその話はいいんです」

「いいんです」

「いいんですよ」

「もうやめましょう」


 このことに関しては4回くらい言われたな。だからもう触れないと誓った。

 ちなみにココは怒っている。俺がまた聞いてきたからそれで拗ねた。とか言う感じ

はなく。ただ恥ずかしかっただけ?らしい。お礼を言うためだけに必死というか。その行動力すごいってやつか。だから駅で別れる時はちゃんと挨拶をしてくた。


「——で、でわ。です。先輩」

「ああ、ココも気を付けて。暗いしな」

「——今日は疲れたから良く寝れなさそうです」

「おかしなこと言ってるぞ?」


 そこは寝れそう?では?


「——むー。ですから。いろいろ言われて――これは慣れなさそうなので、寝れないと」

「……」


 別れ際まで――なんかココは恥ずかしそうにしていたが――いやいや、俺もう聞いてないぞ?今のはココがまた掘り返した。だからな?俺悪くないぞ?って、恥ずかしいなら触れるなよ。


「先輩が無視してきました」

「いや、触れてほしくなさそうだったからな。まあ寝っ転がっていれば寝れるさ」

「……」

 

 なんだろう?なんか睨まれている?見られているが――いいか。

 

「じゃあな、おやすみ」

「あっ。はい、おやすみなさいです」


 連絡橋のところで俺達は別れて、それぞれのホームへと向かった。俺の方は少し待っていると、電車がやって来たので、その電車に乗り帰ったのだった。


 ってか、ふと電車に揺られつつ。ココとの会話を俺は思い出していたのだが。です。とココは確か言っていたような――これは……?また来週も来るのか?などと余計なことを考えつつ帰ることになった俺だった。


 ちなみに翌週ココは来なかった。というか。その翌週も来なかったんだがね。

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