第29話 7月15日 金曜日5
俺が先輩とわかった後。ココが何故かもじもじとしつつ。こちらになにか言いたげな様子をしていた。なんだ?と俺が思っていると。
「——超今更ですが――先輩って呼んでもいいですか?」
遠慮気味に。何故か怒られる?とでも思ったのか。ちょっと声小さめにここがそんなことを聞いて来たのだった。
「えっ?別にいいが?」
俺にとっては、ククでも先輩でも全く問題なし。ご自由にである。
「じゃ、先輩」
「なんだ?」
「ここで分かったのも何かの縁ってことで、試験——じゃなくて。レポートの書き方教えてください。レポートの書き方はどこの大学でも同じじゃないかなーと。自信がないので、こんな感じ――と言うのを教えてください」
するとカバンから筆記用具とノートを出すココ。どうやら勉強モードに入ったらしい。って、ココの言う通り確かにレポートはどの大学でも――って、細かいことはさすがに俺も知らぬが……書き方というのは――同じか。
「それくらいいいが。学校独自の決まりとかあったらだから、そういうのは自分で確認してもらわないと――だが。書き方は去年も俺はしたからな。少しくらいこんな感じ――って、レベルなら教えれるかと。一応単位はもらえたから大丈夫だと思うが」
「助かります。誰かに聞こうにもなんか私の周り。なかなか勉強を聞ける人が――」
「そうなのか?」
「——遊びの事ならって人が多くて。あとは――バイトしない?的な子と。みんなそれぞれ大学生生活満喫中というのか」
「満喫している感じだな」
なんか似たような奴俺の近くにも居たな。旺駆里とかいう奴。あいつも試験に関しては――だからな。遊びの事しか聞かないわ。
「その……うちの大学ゼミっていうのは1年生だからないんですが。4月から必須の科目で、ずっと同じグループで学習って科目があるんですが――私まだそこに完全には馴染めてなくて。あと、そこのグループの人の接点しか今のところ大学でなくて――前にその人たちに遊びとか誘われたんですがね。ちょっとまだ勇気が――で、ちょっと用事が……とかで断っちゃって。ってか、私今1人暮らししてるんですけど――もうなんか新しい事ばかりでバタバタしていたら――今って感じで……」
もじもじとちょっと言いにくそうに話すココ。
多分あれだろう。俺とはここだけのつながりということで、そういう話もできるんだろうな。などと聞きつつ。
確かに俺も初めて1人暮らし始めた時は――かなどと思い出していた。
「いろいろ大変だな」
あと、どこの大学もやっぱり初めの時は、そんな科目。同じ班というか。グループを作る科目があるんだなー。などと思いつつ。
それから俺はココに、レポートの書き方。といっても、俺が去年書いた感じ。雰囲気を教えただけ。アドバイスといえるのか――だったが。
とりあえず、それから俺達は店でレポートの書き方講座見たいなことをしていた。あと、レポートの話をしつつも間間で、試験の話。俺の大学の事だが。とりあえず試験の感じもココに教えた。参考になるかはわからないがな。
そんなこんなで時間は過ぎていき――ココも俺の話でレポートに関しては納得できたのか。メモをたくさんして満足したような顔になっていたのでいいだろう。
「先輩。とっても助かりました」
「そりゃよかった。俺なんかの経験が役になって」
そして、話が一区切りというところで、ちょうどお店の閉店時間。俺も片付けをする。すると……。
「先輩」
「うん?」
「あの――また会ったらお話しとかいいですか?」
片付けながらココがそんなことをもじもじと聞いてきた。
「え?あー、まあ会えばな。そりゃいいけど――」
「ありがとうございます!」
会えるかは――だが。いや、毎週金曜日にここに居るって言ったから――来るつもりか?などと思いつつも。笑顔だったココに余計なことは言わずに。俺も片付けて再度声をかけた。
「じゃ、今日も駅までは送ろうか?」
「はい!」
桑名駅までは一緒と前回の帰りでわかっているので、俺が提案するとココはすぐに返事をし――。
「今からイチャイチャタイム?」
って、ココの返事のすぐ後。ちょっとレポートの話とか雑談ですっかり忘れていたっが。後ろからもう1つの声が聞こえてきた。出来ることなら最後まで聞こえなくて良かったのだが――マジで、その声はいらなかったな。
って、もしかしてずっと監視されていたかな?いやでも途中でお客さんが来ていた気がするから……ずっとではないと思うが。でも今はまた俺とココだけになっていたので。絡まれたらしい。
「なっ!?」
「はぁ……」
ココは急にお姉様に声をかけられてワタワタしていた。俺は――呆れていただな。今日のお姉様は暴走中というか。誰かお姉様を止めてくれ。『店長さん!』と言いたくなったが――今は片付け中かもしれないので我慢して。『駅までです』と俺が何度か言いつつお店を出たのだった。
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