第18話 6月のある金曜日6
今の俺はカウンター席に座っており。そこそこ近い距離に他のお客さん。小柄な女性が座っている。
そして、今聞こえたかわいい音。お腹の鳴る音が聞こえた気が――。
自然と俺は隣を見ており――今俺の目には、めっちゃ恥ずかしそうに、顔を真っ赤にして小さくなっている小柄な女性が映っていた。見てしまったのは偶然というか。ホント自然と見てしまったのだが――これは、小柄な女性が逃げだすのでは?と俺は一瞬思ったが……小柄な女性は小さくなるだけで、その場にとどまっていた。
さてどうしたことか。というのか。多分向こうも俺が気が付いたことに気が付いているだろう。ここはさらっと視線を戻すべき?戻すべきだな。俺はそんなことを思いつつそっと視線を戻す――って、視線を動かすと先ほども気になっちゃこと。机の上に置きっぱなしの小柄な女性のスマホが目についた。
ちょうど俺の視線が――と言うタイミングで新着通知の表示が数個来ていた。パッと見ただけだが。そこそこの通知来てませんか?という状態だった。だが小柄な女性は、俺が来てから一度もスマホを触るということをしていない。『連絡が来ているのに無視?』と一瞬思ったのだが。俺はふと、ある文章が目に付いた。というか。今度は文字が読めてしまった。
『お店移動するよーまだ来て……』
『みんな待ってるから』
『駅来たら教えてよ迎えに行……』
そんな内容の一部のメッセージが見えていた。
ちなみに俺は誰かに見られるということはないと思うが。通知だけにしてある。だからメッセージがありました。という事しかホーム画面ではわからない。
確かにホーム画面でも内容が一部でも見れるようにしておいた方が。アプリ開いて確認。という作業をしなくても、要件が少しはわかるから楽かもしれないが。って、そのことは良いか。何を俺は勝手に人のメッセージを覗いているのか。って――なんで見えちゃったかな。はじめは見えなかったが。って、はじめはさらっと視線を動かしたからか。今はゆっくり動かしたからで――。
って、そうだ。余計な事を考えよう。そうしたらお隣さんも落ち着くかも。
――今、俺の目に映った文章は、えっと、俺の勝手な予想だが。彼女の変な雰囲気。固まっている理由だと思う。今の通知文。誰かが。誰か達が小柄な女性を待っている感じの文章だ。でも小柄な彼女は動く気配がない。興味がないメッセージならスマホなんて出しておく必要がない。でも出しているのは――他の人の行動を小柄な女性が知りたいから?そしてこのお店は隠れ家的なお店。そう簡単には初めての人は見つけれないだろうし。そもそも通りから離れているので、お店の前を通るということもないだろう。なので、もしかして――。
小柄な女性は、誰かに誘われているが。それに参加したくなくて、でも駅と言うワードが見えたから……この近くに相手が既に居る可能性があり。動けなくなっている?そして本当は帰りたいが帰れなくて、ずっと居る?そして――お腹空いている?ってここ食べ物あるからそれはないか。って、それにたどり着いたら一緒じゃん。俺馬鹿?って――それに関しては、もしかして金欠もあるか。って、だから俺何故そっちに考えを持っていってしまうのか。やっぱり今日は付かれているのか。って、マジで無駄な事。余計なことを考えたが――聞いてしまったものはそう簡単に忘れられなかった。
いや、かわいかったし。その後の小柄な女性の姿も。
ってことで、さほど時間は経たず。あと、俺の隣ではまだ小さく恥ずかしそうにしている小柄な女性。逃げる。お店を出ていくという雰囲気はない。マジで理由はわからないが。あれ?もしかして俺の勝手な予想当たってる?お店から出ると――誰かと会っちゃう可能性があって何時までは?または連絡来なくなるまで動けない?などと、いろいろ考えた後、俺は視線をやっと正面に戻し。ふと眼の前にある2つの紅茶。2つのドーナツ。1つは紙袋の中。を見た。
ここで変に話しかけるのは――ナンパと思われる気がする。でも、やっぱり俺疲れていたのだろうか?それとも……この小柄な女性から何かの気配を感じたのだろうか。気が付いたら話しかけていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます