第17話 6月のある金曜日5
「……すみません。隣良いですか?ここしか空いてなくて……」
ドーナツを購入後俺は唯一空いていたカウンター席に向かう。
ちなみに声をかける必要はないかと思ったが。小柄な女性もまさか隣に人が来るとは思っていなかったのか。荷物が置かれていたので、俺は声をかけているところだ。
「えっ――?あ!は、はい、大丈夫です。すみません。どうぞ」
俺が話しかけると、小柄な女性は慌てて荷物をどけた。ということで俺は席に座る座る。
ちなみに小柄な女性は俺が話しかけた時は、慌てた様子だったが。すぐに何か考え事でもしていたのか。空のマグカップを見つつ固まったのだった。
ってか、気が付いてしまったのだが――お隣さん。机の上にあるスマホ。なんか通知がたくさん来てますよ?ホーム画面のところに新着通知――と言うのが出ていたのが目に付いたのでね。さすがにチラッとなので文字までは見えなかったが。
って、もちろんそんなことを声掛けすることはないがな。などと俺が余計な事を思っていると、その後すぐにお姉様が登場した。
のだが――。
「はい。常連君お待たせー。紅茶2つだよ」
「えっ?」
何故か紅茶が2つ来た。あれ?俺はドーナツは明日用に2つ買ったが。紅茶は1つのはずですが……と思いつつ。お姉様を見る。
「えっ?疲れたから今日は倍頼んでくれたと思ったけど――常連君。『紅茶2——って言わなかった?』違った?あれ?でもお金ももらってるよ?」
俺が戸惑いの表情をしたからだろう。お姉様も驚いて――って、お金を払った?ということだったので、俺は財布を出してレシートを確認してみると、確かに紅茶2、オールドドーナツ2と記載されて俺は支払っていた。
そういえば、1000円札を先ほど合コンの資金で全て使ってしまい。財布には5千円しかなく。細かいのもなかったので、今日は5千円で払ったのと。疲れていたからぼーっとしていたからおつりを何となくそのままもらうだけとなっていた。いつもなら気が付くことなのに――これも旺駆里が原因だな。
「——今日マジで疲れてるな俺」
「どうする?常連君?返金は出来るよ?私が飲むから!」
俺がつぶやいていると、お姉様がそんなことを言っていたが。なんか注文時もボーっとしていた気がするので、俺のミスも無くはなさそうなので――。
「……もらいますね。飲みます」
せっかく準備してもらったし。俺は2つ飲むことにした。するとお姉様さすがというのか。この場面でも――。
「お疲れなら新商品もいかがですか?お持ちしますよ?」
笑顔で新商品を再度勧められた。ってか、さらっと今お姉様俺の目の前にメニューを出したが――メニューどっから出した?ポケットにあったのか?って――本当にマジックのように出したよだった。
「——あはは。大丈夫です」
「残念ー」
そう言いながら微笑み。お姉様は戻っていく。
今日は俺、2人分の紅茶とドーナツを食べることになった。とくに問題ではないが。っか、実質ドーナツももう1つあるので、2個ずつあると何かめっちゃいいなだった。豪華というか。普段と違う光景だからか。お腹が空くとでも言うのか。ってか、確か居酒屋でも食べてきたはずなのだが。これが別腹なのか?ドーナツ2つでも食える気がしてきてしまった。
――ぐぅ……。
「——なっ!?」
「——えっ?」
すると――なんか聞こえた気がする。
……………………いや、聞くつもりはなかったよ?でも――ナイスタイミングというのだろうか。店内には音楽も流れていたが。ちょうど音が小さくなった時だったのと、そもそも俺が真横にいたからだろう。
聞こえてしまった。可愛い音が――。
もちろん発生源はお隣しかない。
言っておくが俺ではないからな。確かにドーナツと紅茶2個ずつという光景はなかなか普段は見ないので、これは――良い。とか思っていたが。さすがにそこまで腹ペコではないからな。
本当は気にせず――というのが良かったのかもだが。この時の俺。ふと発生源を見てしまっていた。
予想通りと言うべきか。お腹を押さえて――小柄な少女がさらに小さくなっているように俺には見えたのだった。顔真っ赤。耳まで真っ赤。という情報でも追加しておこうか。
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