第11話 10月21日 金曜日3

「あっ。えっと――とりあえず――」

「彼氏君はね。今日も同じドーナツを」


 まだ何かあの2人言い合っているというか。話していたらしい。そこそこ俺――勝手にココの事を脳内で語っていたのだが……。


「だから――彼氏じゃ……先輩で」


 まさかのまだいじられていた。お姉様はココの反応がかわいいというか。お姉様から見てココは、そういうキャラになっちゃんたんだよな。ここでは。って、いうことで、さすがにそろそろ俺はドーナツを食べたいし。飲み物だけが減ってしまうので、席を立ちレジの方へと歩き出した。


「ココ。お疲れ」


 そして、レジ前で未だにお姉様にいじられていたココの元へ助けに入った。そうそう一応一つ紹介を忘れた。名前とかは知らないが。知っていることもある。ココは俺の後輩。大学1年。ということは知っている。どこの大学とかまではマジで知らないがな。予想は……まあこのあたりだと愛知県方面の大学かな?と、あっちならたくさん大学があるだろうし。今までのココの話からすると、1人になりたくて――と言った感じの事をよく聞いたので。少し離れたところまで来ていると、俺が勝手に思っているからだ。

 一応可能性として、俺と同じ大学。ということも以前は考えることがあった。でも同じ大学なら――さすがに1度くらい大学内で間違いなく会っているはずだ。でも、この数か月間。大学でココとは、会ったことがないので、その可能性は消滅している。

 って、ホントちゃんとは俺達自己紹介してないんだよ。どちらもよく話しているがな。そういうことは触れないしな。でもそれでいい。それがいい。気にすることなくいろいろなことが話せるからな。

 俺たちは、ただたまたま同じ店に来て会ったら話しているだけなんだからな。


「あっ、先輩。こんばんはです」


 俺に気が付くと微笑んでから小さく頭を下げるココ。今日もココは落ち着いた感じの服装だ。ココは基本大人しい感じの服装を好み。肌の露出は少なめを好んでいるみたいだ。今日はスカートだが。ロングスカートだしな。上は俺的にはまだカーディガンは不要かな?という気候なのだが。ココは長めのカーディガンをもう着ている。

 確かにそろそろ夜は冷えるかもだからな。ココの服装は正しい服装かもしれない。とりあえずココを見ると。あー、もう秋だなって感じだった。


「お話中悪いが。ココ注文したか?」

「あっ。まだ――です。ちょっと捕まりまして――」


 だろうな。と、呆れつつ俺がお姉様を見ると――めっちゃニヤニヤしていた。よし。触れないでおこう。


「じゃ飲み物だけ頼んでいつもの席来てくれ」

「えっ?どうしてですか?」

「オールドドーナツ2つあるから、店長が1つサービスでくれたからさ。飲み物だけでもいいと思うぞ。あっ、ココが他のドーナツとか食べたかったら選んでいいぞ?普通に俺が2つ食うだけだから」

「じゃ、先輩のドーナツ1つもらいます。あの――紅茶をお願いします」

「フフッ……はーい」


 お姉様はめっちゃニヤニヤしていたが。触れない。触れない。触れたら負け。


 ココが支払いを終えると先に席に戻っていた俺の横にやって来た。


「失礼しますです」

「ああ。ほい。ドーナツ」

「あっ、ありがとうございます」


 俺はお皿を2人の間くらいに移動させてから飲み物を一口飲む。それと同時くらいにお姉様がココの飲み物を持ってきた。


「ごゆっくりー。あっ。店内でイチャイチャは――だよ?キスまでは許す。あとホテルへどうぞー」


 飲み物を置きながらお姉様が何か言ってきたが――ここは無視が正解。何も言わない。何を言っているのだか――である。ちなみにココももう慣れているので、恥ずかしそうにしているが。触れていない。いや、何も言えないだけか?


 俺とココが反応しないとお姉様はニヤニヤとレジの方へと戻っていく。とりあえず――いつも通り2人になった。さすがにこうなれば、追加注文をしない限りそう簡単にはお姉様は絡んでこないだろうからな。

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