第10話 10月21日 金曜日2
「こ、こんばんは」
ビンゴ。ほら、来たよ。毎週金曜日の夜しか会わない友人だが。もう何回も会って話しているので、声の方を見なくても声を聞いただけで俺はわかった。
「いらっしゃいませ。あっ、先に彼氏来てるよー」
俺がそんなことを思っていると、お姉様が余計な事。嘘を言っている声が聞こえてきたが。今のは気にしないでくれ。彼氏ではない。ってか、他のお客さんもいるんだが――お姉様適当なことを言わないでくれ。ちなみに壁を向いている俺は今の店内の様子がわからないので、先客の女性2人がどのような反応をしているかはわからない。気にはしてないと思うが――そんなことを思いつつまだ出る幕ではないので、壁を見つつ待機する。
「か、彼氏ではなくて、せ、先輩です。最近毎回このやりとりしているような気がするんですが――」
後ろから困った声が聞こえてくる。お姉様。困らさないであげて、多分ココ今週はいつも以上に疲れているはずだから。俺は壁を見つつ心の中でつぶやく。
そうそうココというのが俺の待っていた友人だ。
「照れてる姿も可愛い!ココちゃん!もっといじめたくなる!」
「あっ……うぅ……ち、違いますから。もう」
これは俺の予想だが。多分ココはお店の入り口で困った表情をしているだろう。助けた方がいいのだろうか?でもまだ今出るとお姉様にいろいろ言われそうだから、もう少し耐えてもらうか。
だから、その間にココの事でも説明しておくか。えっ?誰にだって?俺の脳内での単なるつぶやきだよ。気にするな。
多分今俺の後ろ。お店に入ったところで、ワタワタしているであろう女性。それがココだ。ココはダークブラウンの髪で、髪型はボブカット?だったか。詳しくないからわからないのだが。とりあえずそんな髪型の小柄な女性だ。
そして、俺との身長差がそこそこある。俺が180弱だから。多分ココは150。160はないと思う。ちゃんと聞いたことないから詳細は知らないが。
もちろんその他サイズも知らないからな?見た目情報で言うと――言っていいのだろうか?ダメかな?ちなみにお姉様と比べると――『悲しいところが……』と、本人も以前つぶやいているのを聞いてしまったことがあるが……どことは言わない。俺の寿命が縮む可能性があるからな。でも大丈夫だよ。板ではないから。それに、バランス的にというのか。ココは今がベスト。良いスタイルだと俺は思う。あっ。そういえば、この前甘い物食べ過ぎで身体にお肉が――と言っていたが。そんなことは全くわからない。見てもわからない。まあ脱がせばわかるかも――って、そんなことできるわけもない。俺が捕まるから余計なことは言わないでおこう。
っか、絶対余計なもの付いている身体とは思えない。むしろ細すぎない?と俺は感じているのだが――とにかく。ココはかわいい奴だ。あっ。そうそう食べ物を食べるとハムスターみたいになるあれはかなりかわいいな。
そうそう、先ほどから俺は女性の事をココと言い。俺もこの店に入った瞬間ククとなっていたと思うが。これには理由がある。俺とココは、数か月前の金曜日。このお店でたまたま知り合った。そして、何故かそのままほぼ毎週金曜日に今も会っている関係だ。簡単に言うと毎週金曜日だけここで雑談をする友人だな。気が合ったんだよ。ちなみにあだ名を提案したのは俺だ。
初めて会った時のココが――で、俺が提案したのが始まりだ。そして今も俺達は本名は知らずである。連絡先とかの交換も一切していない。このドーナツ屋で会えば話す。そんな関係だ。本当はこんな変な関係すぐ終わるかと思ったが。地道にほぼ毎週続いている。ある意味俺達も不思議か。
って、後ろはどうなっただろうか?俺は意識をレジの方に向ける。
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