第29話
「大人の魅力に負けてるねえ。
それに涼奈ちゃんはまだまだ若いし年齢もそこの乳母さんとこの子どもと同じくらい。
みずきには幼過ぎる感じがあってちょこっと純粋過ぎるかね。」
「純粋って言うよりも純情過ぎじゃないかな。」
「身持ちは硬いし騙されることは無いようにはなってるから純情というのが正解か。」
よくあるアレだ。
小さいころ幼稚園の先生に恋をする園児のあるある。
教育者と教え子は同じ場所で自分の知識を教え学び合う立場にある。
その過程でこの人は自分よりも優れている。
守ってあげたいなどの思考が生まれてうっかり結婚してしまうとかそういったことが起こる。
葵の考えは正にそれで自分には一切守ってあげたいなどの考えはない。
それに自分はまだまだ弱いと感じている。
外れスキルに生を受けアドベンチャラーに関われる高収入な仕事をできるスキルを所持したわけも出ない。
やっとの末の努力で手に入れた会社も給料を得るためだけに努力した場所。
夢も希望もへったくれもない彼からすればそれらは空虚なモノから自分を卑下にする癖がついてしまった。
「…お母さんたちの言う通りだと思う。
でも私、好きだもん。
好きで好きになったんじゃないもん。」
「うんうんこの言葉だけで甘味処のお汁粉ぐらいの糖分が補給できるよ。」
「我が娘だから甘い恋をしたもんだ。
でも涼奈ちゃんそうだろう。
無自覚の恋に落ちているのは一緒だってのに何で最初の方に告白しなかったんだか。」
「告白はした。
でもはぐらかされた。
それからお母さんたちが別のダンジョンに行っちゃってアピールできなかった。」
「私たちはダンジョン庁直属のアドベンチャラーだったからね。」
ダンジョン庁はある程度お抱えのアドベンチャラーを持ち公務員1年目と同じ給料を配布しつつダンジョンから持ってきたドロップアイテムや魔石などの質や数に応じてボーナスを出す制度となっているので保険や年金を自分で申告する必要が無いという利点がある。
ギルドも同義だが事業主と雇用者との関係があるのでまちまちで大抵同じ場所に潜ることが多い。
また雇用者がケガをした場合は事業主が5割を負担し国が3割負担する。
しかしダンジョン庁のアドベンチャラーは調査という意味合いが強いので様々な場所に潜る。
その分保証が手厚くケガをした場合は国が10割負担で殉職した場合も退職金がそれ相応に出る。
それこそ子どもが10人いても私立大学に入っておつりが出るくらいには。
子どもを育てるならダンジョン庁のアドベンチャラーと言えるほど手厚い保証がある。
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スライム道
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