第15話 彼と過ごす初めての年越し
クリスマスが終わり、年越しを迎えようとしていた。冬の学期末テストでも私達はそれなりの成績を残していたので補習はなく安心して冬休みを迎えることができていた。私は普段冬休みは両親の住んでいる実家に帰っているのだが今年の年末年始は大事な人と一緒に居たい。とその旨を伝えると両親は快く承諾してくれた。後は悠斗の家族次第だけど彼の両親なら承諾してくれるだろう。私はそう願うのだった。
私は年末に向けて準備を始めていた。年末と言えば年越し蕎麦。これはもちろん必須だ。年末と言えばその家族にもよるだろうが紅白歌合戦等のテレビ番組も欠かせない。そして年を越した後は、迎春つまり正月が来る。その日のためにもおせちを作っておかなければならないのだ。少し忙しくなるが彼と二人で手分けして準備をしようと思う。「一緒に年を越せると良いな…」と私はそう思いながらワクワクしてその日が来るのを待ちわびていた。
12月31日。今日は大晦日だ。この日のために私たち二人は頑張って準備していたのだ。大切な人と過ごせる大切な日。私は朝早くから彼の到着を待っていた。その間、暇な時間はゲームをしながら待っていた。少しすると家のチャイムが鳴る。私は急いでドアを開け、入ってくるはずの人物を家の中に促した。「お邪魔しま~す。ホントにこころの家で良かったの?俺の家でも良かったのに…」と入ってきた人は言ってきた。「大丈夫だよ。クリスマスは悠斗の家だったからさ。次は私の番。」と、私は返した。「改めていらっしゃい。悠斗。」私はニコッと微笑み彼を歓迎するのであった。
朝、昼とかけて二人で家の大掃除を進めていた。夜はゆっくりくつろぎたいからだ。「ごめんね。家の掃除に付き合わせちゃって。」とこころは申し訳なさそうに言ってきた。「気にしなくていいよ。俺がやりたくてやってるんだしさ。」と彼女に伝える。数時間後やっと大掃除が終わり、二人で休んでいた。「悠斗~汗かいたからお風呂入らない?…一緒に//」「あ~そうだな。汗かいたし入る…ん?今何とおっしゃりました?」…聞き間違えか?一緒に。と聞こえた気がしたんだが…「えっと…一緒にお風呂に入らない?って言ったよ。」聞き間違えじゃなかったか…でもいいのか?そんなことをして。「大丈夫なのか?一緒に入っても?」俺は動揺しながらも平常心を保つために心の中で格闘していた。「一緒に入りたいなって。ダメなら一人で入るけど…」と彼女は上目使いで言ってくる。「…分かったよ。一緒に入るか。」…その上目使いは反則だ…可愛すぎるだろ…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます