第14話 買い物デート

 いつもとは違う聞きなれない目覚ましの音で私は目を覚ました。あの後私はすぐに眠ってしまっていた。今は朝の7時私の隣に居たはずの彼はおそらく朝御飯を作ってくれているだろう。私はゆっくりとベッドから起き上がる。しょぼしょぼする瞼を擦りながらリビングへ向かう。「起きたか。おはよこころ。」と朝の挨拶を交わす。「ん~おはよ~悠斗。朝御飯ありがとね~」私は席につき彼の焼いたトースターにかじりつく。今日は二人でデパートに行き買い物をする予定だ。あれ?やってること夫婦みたい…よし、考えないようにしよう。と思いながら私はトースターを食べ終えた。食べ終わった後の皿を洗い服を着替えて買い物に行く準備をする。「こころ~準備終わったら行くぞ~」と悠斗が急かす。「は~い。すぐ行く~」と私は返事をし彼のもとに行く。


 二人とも準備が終わり駅に行き、二駅ほど離れた場所のデパートに到着した。今日は二人の買いたいものを一緒に買いに来た。と言っても俺が買いたいものは特別あるって訳でもないんだが…こころと買い物がしたいってのが本心だ。まずはデパートに入ってすぐにある食料品エリアで買い物をする。「こころは何か買うものあるか?俺はこれからのご飯とか買っておきたいんだが」と言うと、「私も作るご飯の材料買わなきゃだからなぁ…一緒にまわっていく?」と彼女は誘ってきたので「じゃあそうしようか。」と俺は返すのであった。


 買うべき食料等を買い揃え、会計を済ませた後私達は各々欲しいものを一緒に買いに来ていた。私はヘアピンや髪の毛を束ねるゴムも欲しかったので買いに行こうとお願いした。承諾も得たので私達は雑貨店に行った。「このピンとかどう~?」「うん。可愛くてこころに合ってると思うよ。」と言ってくれたのでそれを買うことにした。買いたいものを買って次は服屋に来ていた。ここではお互いに服を選んでプレゼントすることにした。


 俺は服を選んでいる。が、とても悩んでいる。こころは何を着ても可愛い。だからって何でも良いわけでもない。そう考え、この時期に合っているコートを一着、それと暖かそうな寝間着を一着買うことにした。会計を済ませこころを待つ。「お待たせ~買ってきたよ。」そして帰ってきた彼女と家に帰りお互いに買ってきたものを確認し合う。俺はコートと寝間着を、彼女は暖かそうなモコモコした普段着を二着プレゼントしてくれた。「暖かそうな普段着だ。最近買ってなかったからありがたいな。ありがとこころ。」「こちらこそありがと。こんな良いコートと可愛い寝間着買ってくれて。」と天使のような笑顔を見せて言ってくるのだ。…その笑顔は反則だ…他の誰にも見せないようにしたい。そう思いながら俺たちは幸せを感じるのであった。

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