第22話

 とりあえず俺の船には帰って来ることができた。

 なんか荷物あらされてはいるがなくなっているものはないし失われているデータもないようだ。

 ついでのようにこうされていた俺のモービルも船に返してもらえた。

 奴ら用の通信機までもらえるアフターケア(笑)をしてはくれたが、とてもこれがどう考えてもアフターケアとしては足りないだろ。

 作戦としてはまず先行部隊の制圧を俺がやらなきゃいけないらしいが、無茶な作戦だ。

 一体俺のような本来非戦闘員出ない人間に何を持てめてるんだ。

 暗にこの施設を廃棄する意思を感じる。

 そしてそれがどれだけコイツラが弱くて連邦が強いその力のバランスを教えてくれる。

 いったいコイツラを管理している上は何者なんだろうか。

 コロニーの独立を謳っている団体を作り管理するなんて楽な話ではない。

 作戦計画を確認するかぎり本部とやらからの増援は船にして軽巡級2隻、モービルも6機は最低でも送られるらしい。

 どんなパイプと資金を持ったらそんなものを用意できるんだか。

 謎はより深まっていく。

「各員、船の状態はどうだ」

「イツデモ出港可能デス」

「軍事用ビーム砲塔ヘノ乾燥作業終了ヲ確認、出力想定通リノ状態デ安定ヲ確認」

「司令部、シュリガー準備完了」

「了解した、それとこれから貴艦のコールネームはスピード1だ」

「了解した」

 俺のコールネームがスピード1ってことは味方のコールネームはスピード2と3になるのか。

「全スピード部隊出撃シークエンスに入れ」

「きこえたか、各員行くぞ」

「了解、出撃シークエンスニ入リマス」

「出撃用ハッチノコントロール権限譲渡ヲ確認」

「了解した。

 各員、出港」

 船は全速前進していく。


「マモナク作戦実行ポイントニ到着シマス」

「了解した。

 スピード1,2そちらの調子はどうだ。」

「こちらスピード2、予定通りの配置に移動終了した」

「こちらスピード3、あと5分で準備完了する」

「スピード1、了解した…..。

 各員観測機の散布を開始せよ」

「了解」

 船の側面にあったブロックは開きそこからミサイル弾のようなものが左右合計20発が出された。

「全弾予定通リニ発射ヲ確認」

「観測機トノ接続良好、データ送受信ヲ確認」

「司令部こちらスピード1、聞こえますか」

「こちら司令部、スピード1聞こえます」

「敵艦までの距離残りいくつですか」

「敵艦が観測可能距離に入るまで残り五分だと予測される」

「了解した」

「スピード1こちらスピード3、予定待機ポイントを今送信した座標に修正を頼む」

「司令部からの認可は受けているのか」

「司令部からの認可は受けていない。

 しかしデブリによる狙撃の妨害の都合だ」

「了解した、各員新規ポイントに移動せよ」

「了解」

「移動に感謝する」

「はあ、厄介なやつしかいねえ。

 各員我々がやることは基本変わらない、そろそろ敵が見えるはずだ」

「観測機5号ガ敵艦ヲ観測」

「敵速度未ダ変ワラズ、オチズ」

「砲撃用意、炸裂弾を散布許可敵の足を止めろ」

「「認可確認」」

 その応答とともにミサイルポッドはさきほどのように開きだし、主砲も観測データをもとに方角調整が始まり粒子の圧縮が攻撃用レベルまでなりだした。

 突然観測機がさん起動時に破壊された。

「なっ、何事だ」

「不明、解析中」

「現存の観測機を全て破壊された観測機の死角を観測できるように調整しろ」

「高速移動物体接近中助けてくれえぇぇ…..」

 突然、スピード3の断末魔が聞こえてきた。

 観測機の視点をスピード3の方向に動かした。

 見ることができたのは閃光の残像と船の爆発する光だった。

「スピード1、観測機の配置が崩れていますどうしたのですか」

 いかれて嫌がる、壊れてるだろ船が一つ沈んだのがわからないのか。

「想定とは違う行動を敵外胴しているためその観測のために動かした。

 それとスピード3が大破をした」

「えっ、そんな通知はありませんが」

「本部にさっきの動画をおくれ」

「これは一体どう….」

 向こうのオペレータが明らかに動揺を見せだした。

「御主人様、御主人様スピード2が」

 そう言いながらメインのモニターに観測機の動画が見えてきた。

「こちらにも通知が来ました。

 スピード2、轟沈」

「仕方ない、ロングバレルライフルを装備して俺を出せ」

「了解」

「発艦準備完了、コントロールヲ譲渡シマス」

「譲渡確認、行くぞオファ」

「了解、了解」

「出撃」

 俺はレバーをゆっくりとひねりバックパック部のスラスターがうねりだし、足裏部のバーニアも同様にうねりだした。

 機体は頭部が上のシーソーのようなポーズになった。

 つま先に当たる場所だけが唯一カタパルトに固定されていた。

 次の瞬間カタパルトが高速で前に押してきた。

 カタパルトデッキの限界ぎりぎり出足の固定が外された。

「各員、お前たちは大型のデブリに隠れて船を基本守れ」

「了解」

「司令部こちらスピード1、敵の増援の気配は」

「今観測できている限りではあと24時間で有効射程にはいると予測されています。

 規模としてはだいたい規模です」

「了解。

 とりあえずあの船を落とさないことには問題の解決手段を考えることしかできなそうか」

「座標ヲマップニ適用」

 俺はレバーを奥に押し込み機体を全力で加速させ、固まっている衛星群の縁をきれいにたどりマップに喫茶いせれている敵の場所に最短のルートで飛び立った。

「敵船確認、やはり早いな。

 しかしそんなものでは逃げ切れさせん」

 俺は脚部を衛星に乗せてロングバレルの照準を精密に船のスラスターに合わ、トリガーを引いた。

 玉はまっすぐとスラスター部に直撃しそのまま側面で貫通した玉が飛び出た。

 船体は後方から大きな光と爆発を放ちだした。

 その爆発は全体にまで響いたのか、着弾してから二分もしないうちに全体が光りに包まれ沈んだ。

「敵船を沈めた」

「デスガ、今新タニ偵察機ガ破壊サレマシタ」

「んな馬鹿な、破壊された観測機の座標は」

「コチラデス」

 そこはここから1キロメートルほどの距離の場所で本部の有効射程距離の境界線まで三キロメートルほどしか離れていなかった。

「こちらスピード1。

 敵船を沈めました、ですがまだモービル等がまだ残存している可能性があります」

「こちらは敵を補足していません」

「了解した」

 すると右上のモニターがスラスター由来の残留粒子が観測されたことが通知された。

 俺は先程同様に全速力で園観測機の周辺まで向かおうとした、

 しかし視界にその空域を入れても何も見えなかった。

 しかし背部に突然衝撃が来た。

 その衝撃は突然の弾幕が元凶となっていた、弾幕は背部から飛ばされたものが右側面殻に流れるように変わっていた。

「この速さはどうなっているんだ」

 実質的に360度から弾幕を受けている状態となっている。

「オファ、機体の損傷度合いはいかほどだ」

「損傷ナシ、損傷ナシ」

「リアクター観測システムを起動しろ」

「了解」

「これでどうだ」

 俺は珠をうってくるルートに当てずっぽうに銃を放った。

 しかし一向に当たる気配がない、それどころか打つためにライフルを突き出してしまったためにライフルに弾幕を多く浴びてしまった。

 ライフルは銃身の真ん中から誘爆してしまった。

 逃げようにもバーニアを大きく開けばそこに弾幕が入ってし舞うかもしれないから安易に行うこともできない。

「観測完了」

 メインモニターに観測データが適用され、敵の移動予測やスラスターの残留粒子のデータやリアクターの予測できた。

「そこだああ」

 俺は腰部にマウントしておいたライフルのマガジンを放り投げた。

 マガジンは弾幕を浴び誘爆したがその爆風によって四散した破片が的にぶつかったのか吹き飛んでいった。

 正確に行くなら全面の推進力のバランスが崩れてしまったのかもしれない。

「今だうて」

「了解、了解」

 船から大量のミサイルが解き放たれ、敵モービルの全方位を抑え、着弾した。

 そうして吹き飛び、いくつかのパーツも同時に飛んでいった。

 そうして自発的に動かなくなり衛星にぶつかり止まった、その機体は全身にバーニアがツギハギのようにくっつけられているなんとも心もとないと感じる見た目をしていた。

 そのまま俺は脚部に格納されたナイフ形の切断機を取り出し、両手で目の前に突き出して敵機体の胸部に突き刺した。

 溶けるようにかんたんに胸部装甲を砕くことができ、突き刺すことができた。

 突き刺してすぐ機体は誘爆をしだし、俺の機体が飛ばされた。

 俺はそのまま姿勢を制御しながら観測データを軽くまとめた。

「こちらスピード1、これより帰投する。

 損害は報告書を送る」

「こちら管制室了解した」

 そのまま俺は機体を船に格納した。

 船はそのままかじを切り、帰投をした。

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