第17話
「セットアップ終了シマシタ」
起動作業に入ってから五分ほどで準備が完全に終わった。
その時点で俺はCユニットに取り付けてある作業用デスクに腰をおいた。
見た目はモービルのコックピットのモニター配置に追加でいろいろなものがついている。
それこそ作業用モービルにしかふつうつかないはずのハンドトラッキングシステムなど、傍目から見れば何をするためのもかわからない操作系統のものが様々ついている。
ま、なにはともあれまずライブラリーとスキャンデータとの比較を確認することとしよう。
「すまないが、これ溶かしてその鉄で新しい機体作ったほうが安定する」
「あんた何を言ってるんだ」
「流石に全部溶かすってのは冗談でフレームは残すが、ほかは換装用のパーツがいくらかない限りは溶かしたほうが早いと思うぜ」
「さっき言ったでしょ。
魔改造して良いって」
なるほどなあ、あれは本気だったのね。
じゃあ、遊びますか。
「ついでにガラクタの銃とか銃の残骸とないの。
あるんだったら急いで持ってきてくれ」
なんというかこの組織はあれかジャンク屋なのか、ろくなもんよりもろくでもないガラクタのほうが多くあるんだが。
少なくともこの組織に財政難になっていて存続の危機です助けてくださいって言われたら助言を一つはしてやれそうだ。
まあ本当はこの再構築マシーンくんはそういった状況のほうが輝くものとなってたりするんだよなあ。
なんせこいつはいかなるマシーンのパーツも解体して使えるものを分けたり、内部炉などを用いて新たなパーツを俺が考えた革新的(笑)な手段を用いて生み出してしまうものなのだ。
スキャナーや演算器、隠蔽に使うにも優れた超優秀な品だったりするのだ。
まあそんなこんなでまずはこのモービルくんを調べてみたいと思います。
内部牽制用火器は完全に抜き取られている。
いくら牽制用と言ってもそれはモービル同士の白兵戦での話だ、連邦のエース用の機体のものなんかであればそれだけで三世代ほど前の戦艦の主砲、少なくとも副砲ほどの威力を安定して出してくるような品だったりする。
まあ、ライブラリーを見る限りこのモデルはそこまでの品ではないようだが。
まあできることを試してみるか。
「なあ、時間は何時間もらえる」
ついてきた奴らがおもむろに端末を取り出した。
「大体12時間ってところかな」
「確か35時間」
「大体12時間で基地につくようだな」
「じゃあ10時間まってもらますか」
「了解した」
そうしてついてきた奴らはコックピットの方に歩いていった。
彼らのやりたいことはあくまで俺の行動の観測、あわよくば今ある設備で戦力増強する手段を見つけ出そうとしている。
「とりあえず、基礎バーニアの換装パーツを量産してくれ」
代位1、俺の専門はプログラム的なことなんだよなあ。
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