第17話 内緒だぞ!


スマホに奏太からメールが来ている。

『無事に楽しんでるか?』

楽しんでるか?…………うーん…………どうだろうこの状況は

『何とかやってる』

『玲奈が気にしてたぞ』

『後でメールしとくよ』

『映像編集の事を少し聞きたい』

『えっ、珍しいな、何で?』

『電話してもいいか?』

『ヒマだからいいぞ』

『じゃあ電話する』


車からそっと降りて少し離れると奏太に電話する。


「どうしたんだ急に映像編集なんて?」


「ちょっと知りたいことがあってな……オレのノートでも編集できるかなあ…………」


奏太は2年間芸大で一緒だった、ほぼ親友と言っていい。家も近く中学では同じ美術部だった。高校は別だったが2回目の芸大で偶然また一緒になった。

彼は劇団にいたが、映画監督になりたくて芸大に入って来た。

何となく似たところもあって仲が良かった、実家のカフェにもよく来て両親とも仲が良い。ついでに玲奈とも仲良くなっていた。


「お前のノートは確か……MICだったよな……フィルムカットプロなら普通に編集できると思うぞ」


「そうなんだ」


「3ヶ月はお試しで使えると思うから、インストールしてみたらどうだ」


「そうなんだ、やってみるよ」


「編集の仕方はユーチューブで見た方が早いよ」


「そうか……編集って特別に決まり事なんかあるのかなあ…………」


「まあ普通に見れればいいんじゃないか、専門的にというなら事細かくあるけど…………」


「そうなんだ……」


「何で編集に興味を持ったんだよ?」


「誰にも言うなよ…………」


「え……オレ口が固いので有名なんだけど……」


「実は…………今ユーチューバーの女の子と一緒にいる」


「へー、どんな子?」


「キャンピングカーであちこち行ってるリンって金髪の女の子……」


「ええ〜!!!プリンちゃんか???」


「知ってんのか?」


「知ってるよ、有名だぞ、可愛いし、巨乳だし」


「Hカップらしいけどな」


「何ー!!!Hカップなのか?彼女は?」


「らしいよ……」


「お前…………もしかして……そのHカップに触ったのか?」


「触ってないよ!」


「何で一緒にいるんだよ?」


「オレの自転車にキャンピングカーがぶつかった、だから修理が終わるまで一緒にいる」


「何てラッキーなヤツなんだよお前は、羨ましいな…………あの子超可愛いじゃん!」


「そうかな?」


「そうか……それで編集を手伝おうってことか?」


「まあそう言う感じ…………」


「ますます羨ましいなあ……とりあえずやってみろよ、分からない事があればメールしてくれ、プリンちゃんに会えるなら教えに行ってもいいぞ」


「本人には編集に興味を持ったって言ってないし」


「そうなんだ……残念!」


「店に行っても両親には絶対内緒だぞ!事故とか心配するから」


「分かってるよ、口は固いから安心しな!」


「じゃあまたな」


「おう!」


電話を切って車内に戻った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る