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高耶が窓の外を見た。つられて俺も紫乃さんも窓の外を見る。なにもない、真っ暗な空に見えるが、高耶の目はやはりなにかを追っていた。明るいブラウンの視線が泳いでいる。
「んで、なんで捕まえるんだ?」
「まあ、今回は厳密に言えば捕まえるわけじゃないな。突き止めにいくんだ。あの星がどこから現れているのかをさ」
なんとく、川を上流に登ってその水源を目指すようなイメージが湧いた。
「あ、青柳くん。明日持って行ったほうがいいものってある?」
あまり目的を気にしていない様子の紫乃さんは、明日に向けて着々と必要な内容をまとめようとしている。
「やる気と運動靴」
「あーはいはい。そう言うのいいから。運動靴ね。じゃあ結構歩くのかー」
高耶のくだらない冗談を軽く流しながしている。弁当は食べ終わったようで、丁寧に風呂敷に包んでいた。
「ちなみに私、晴れてたら行かないからね。汗かくの嫌だから」
乗り気のように見えていたが、キッパリと断りを入れられる。少し晴れるくらいならそんなに暑くはないと思うが、紫乃さんがそう思うなら、無理強いして連れて行くこともないだろう。
「分かった。とにかく俺たちは時間になったら出発するから」
高耶は紫乃さんの意見を素直に受け止めている。明日の朝八時。休みの日にしては少し早起きだと思う。
俺も弁当を食べ終わると、それを片付けてから紫乃さんと高耶の星に関する談義を聞いていた。ほとんどこの前と似たような超能力の内容だ。
しかし俺はこの話題に真剣に入ることができなかった。俺は現実的ではない出来事に対して、妄想や幻覚を疑うからだ。
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