第12話
「ねぇ、なんか、やばくない?…こう、寒気がするってゆーか…。…無月?」
「…なにか…来る…?幽霊…違う…?なんか…気持ち悪い…」
「無月ちゃん…?」
「!…ごめん。少し…気持ち悪くて…」
「うーん…じゃあそろそろ終わりにしよっか。えーっと、こっくりさん、こっくりさん…えっ?」
「コインが勝手に…!?」
「…だ・れ・か・こ・ろ・し・て…誰か殺して…?」
「!逃げて!」
「えっ!?」
「こっち!」
「無月ちゃん!?」
「柏木さんも!」
「わかった…!」
「…無月、遅いな…」
かれこれ30分以上待っているが、一向に無月が来る気配がない。
一応他にも人はいるから、大丈夫だとは思うんだけど…。
「…!なんだ…?空気が変わった…」
急に肌寒く、霊気が漂う空気に包まれる。
只事じゃない。
感じる気配は…なんだ?気配が探りにくい。
一応感じれるのは強い気配がいることくらい。かなり怨念が強い悪霊…かな。
異質な感じもするけど、一番近いのは悪霊だと思う。
かなり紛らわしい感じがするから、正確な事がわからない。
位置は…わからない、か。…この空間自体を覆っている?数も…わからないな。
…空間自体に気配がある?
「!玄関は…」
閉じられている玄関。鍵は掛かっていないはずだけど…。
「…開かないね。やられた。空間ごと閉じ込められたか…」
押しても引いてもガチャガチャ音が鳴るだけで扉は開かない。
無理やり突破するのは困難だね。空間が歪んでる。
厄介極まりない。空間が歪んでると言う事は、ここは現世と隔離された空間になってしまっている。
別世界みたいな感じだから、私だけならともかく、引き込まれたであろう無月まで一緒に脱出するとなると、かなり難しい。
しかもただ単にその空間を隔離するのではなく、元の空間とは別の空間として隔離されてるから余計に面倒だ。
悪霊が急に出てきた原因はなんだろう?
…誰かが悪霊を呼んだ?ありえない話ではないけど…。
他に気配は…だめだ。空間自体に強い気配があるせいで、細かな気配がわからない。
無月と合流しないと…。
「なにあれ!?なにあれ!?!」
「はぁ…はぁ…!こっち!」
「ちょ、ちょっと速度緩めて…!」
「鈴那ちゃん頑張って…!柏木さんも!早く逃げないと…!」
あんなの…見たことない…!
人間をくっつけたみたいな蜘蛛なんて…!
霊好ちゃんは…ダメ、下駄箱まで遠いし、下駄箱にまだいるとは限らない…。
さっき職員室の前を通ったけど、なぜか先生たちはみんないなかったし…どうすれば…。
「無月!図書室、開いてるよ!」
「!わかった!鈴那ちゃん!」
「う、うん…」
無月と他二人くらいの声が聞こえた…けど、音がくぐもってどこから聞こえてきたのかがわからない。
それにさっきはそれほど気にならなかったが臭いが酷い…腐った、というよりかは黴臭い…。
これじゃ嗅覚も当てにならない。
生徒会室は三階…だけど大人しく生徒会室にいる可能性は低い。
それにさっき声が聞こえはしたから廊下には出ていたはず。
うーん…。わからない。とにかく回って探すしかないか。
ばったり悪霊と出くわさないといいが…。
『ギギギギ…』
「…はぁ。さっそくか。でも、これは悪霊ってわけじゃなさそうだね。紛らわしいけど、気持ち悪い気配がするから、妖怪に近いか」
階段の前にいたぱっとみは巨大な蜘蛛に見える存在。
実際は…蜘蛛の身体に人間の上半身を無理やりくっつけたような感じだね。
…こんなの、今まで見たこともない。
人間の部分は裸の男性だけど、顔には生気が感じない。髪もないけど…。
声からして、恐らく声帯はない。というか、人間の形をしているのは外側だけだろう。
『ギギィー!!』
「後ろっ!?」
後ろから飛びかかってきた蜘蛛を躱す。気配が探れないから気付かなかった…。
幸い動きが遅く、避けるのは容易だ。
二匹目か…。…よくみると、見た目がほぼ同じだ。二匹目の方が一回り小さいけれど。
もしかして、どこかで繁殖をしている個体がいる?
勘だけど、たぶん親蜘蛛みたいな存在がいるはず。
空間のせいで気配はわからないけど…。
こいつらを生み出しているとしたら、相当強い力を持っているだろうから、暴れたりしてくれたら多少はわかりやすくなるけど、あまり期待はできないだろう。
「狐火」
『ギギギーー!!!』
あまり時間をかけていられないため、狐火を出して燃やす。
一匹一匹は弱いから、狐火だけでも祓えるだろう。
こうゆう時に狐火は便利だ。…あまり火力を出しすぎると大火事になるけど。
『ギギギ……』
よし。これで二階にいける。
階段の位置からして、無月が一階に降りているという事はないだろうから、探すならまず二階。
職員室は…恐らく当てにならない。
空間の歪みというものは複雑で、教員はこちら側に来ていないだろう。
霊感が強かったり、交霊術の儀式をやっていたり、人ならざる者との距離が近くないとそうそうこうゆう事に巻き込まれることはない。
もちろん例外はあるけど、稀だ。
…二階も少し気配は薄まっているけど、それでもまだかなり濃い。
頑張って探さないと。
ある神社の神様 ちょこちっぷくっきー @maituki
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