ドールオブレヴァリエ
わたしのおうちは森のなかにあるの。
とっても大きな森で、わたしは森のそとには出たことはないけれど、小さなころのわたしが「このせかいはぜんぶ森でうめつくされているんじゃないか」って思うくらい大きいの。
おうちの近くには大きな木があって、まだみんなで暮らしてたころのわたしが「この木はおてんとう様までとどいているんじゃないか」って思うくらい大きいの。
今日もいつもみたいに大きな木の下でおさんぽをしていたら、おっきな穴を見つけたの。のぞいていみると、中にはお人形さんがたくさん!
わたしは両手いっぱいにお人形さんたちをかかえて、さっそくみんなでお茶会をしようと思ったの。
でもその前に家事をおわらせなくちゃ。だからみんなに手伝ってもらうことにしたの。とってもすてきでしょ。
まず一つ目にまき割りをしなくっちゃ。でもこのお人形さん斧を持つのは初めてみたいで、まちがって自分にふり下ろしちゃった。あたまがぱっかーんって。
しかたがないから、たきぎを拾いにいったの。そしたらかえり道でおおかみが出てきて、もうたいへん。お人形さんにかばってもらってかえれたんだけど、その子はもうぐっちゃぐちゃ。
おうちの前につくと、次はからすがじゃまをしてきて。だからお人形さんを一人近くの木に吊るしたら、みんなそっち行って大丈夫になった。あとで見たら、からすが目を持って行っちゃったみたいで、お顔に穴があいてた。
いそいでだんろに火をおこそうとしたんだけど、やっぱりたきぎが足りないみたい。しかたないからお人形さんにおこしてもらった。良くもえるのね。
次におせんたくをするために、川へ行ったの。お人形さんに手伝ってもらってたら一人流れて行っちゃった。かわいそう。
さいごにお庭へ出て、畑しごと。いっしょに土をたがやしてたら、一人がどこかに消えちゃった。きっとまちがえて埋まっちゃったのね。
ようやくお茶会のしたくをしようとしたんだけど、気づいたらもう二人しかいなくて……。
だから僕はこう提案したんだ。またつくり直せばいいって。
そして僕は最後の人形の頭を切り落としたんだ。また七人つくり直すからって。
急いで人形たちをつくり直すとドアが鳴った。
待ってよ、まだお茶会の準備ができないんだってば……。
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