第二章
第56話 出発の朝
うん。寝れませんでした。エンケリンちゃんが隣で寝てるのに眠れる訳がないよね?
一晩中エンケリンちゃんの寝顔を堪能しましたよ。もう! 可愛すぎですね! たまに口をむにょむにょするのが、これまた可愛いのです!
撫で繰り廻したくなる衝動を抑えるのが大変でしたね!
「……んん」
あ、エンケリンちゃんの瞼がゆっくりと開いていきます。ああ、至福の時間が終わってしまうようです。
「……おはよう。リーベスお姉ちゃん」
私が起きていることにちょっとびっくりしているみたいだけど、にっこり笑顔で朝の挨拶をしてくれるエンケリンちゃん。可愛いね~。寝顔も良いけどやっぱり笑顔が一番かな!
「うん、おはよう。エンケリンちゃん」
エンケリンちゃんの寝起きは良いようだ。早速お着替えするようだね。そんな様子をぼんやりと見ていたら……ぶっ!?
まだ、スク水着せたまになってたよ。そういや解除はしてなかったかな……。そんなことを考えている内にエンケリンちゃんのお着替えは終わったようだ。
それじゃ解除しとこうかな。……よし、と。見た目には服の下になってるから分からないけど、ちゃんと消えたってのが何か分かった。
「それじゃあエンケリンちゃん、洗浄魔法掛けようか?」
朝シャンや朝の洗顔の感覚で言った私の言葉にエンケリンちゃんは……。
「……え? ……わたしきたない?」
途端にしょんぼりして、自分を見回し、匂いをくんくん嗅いでいる。
「へ? ……いやいやいやっ! 違うよ! ……いや、そうじゃなくってね!?」
なんてこったい!? エンケリンちゃんをしょんぼりさせちゃったよ! でも、寝起きだからそんなに綺麗って訳でも……いや! そうじゃないでしょ!
「えっと、これはその……違うの! んっと……私の前居たとこでは、毎朝顔を洗ったり、……水浴びしたりするのが普通だったから! その代わりにと思っただけで! エンケリンちゃんが汚いとか! 全然無いから!」
はぁ、はぁ、はぁ……。私の必死の訴えにエンケリンちゃんは……。
「……そうなんだ。……リーベスお姉ちゃん。ほんとにわたし、きたなくない?」
しょんぼり俯いて、両手の指をもじもじさせながらそんな事を言うエンケリンちゃん…………堪らなく可愛いです! ……いや! そんな事を考えてる場合じゃない!
「勿論だよ! 今でも十分綺麗だよ! 抱き締めてなでなでしまくりたい位だよ! 昨日の朝とお風呂の前もやったけど、さっぱりするでしょ? だから毎朝やれば毎日気持ち良く過ごせると思わない?」
私が早口にそう言うと、
「……そうかも」
まだ俯きながらも、そう答えてくれるエンケリンちゃん。
「と、そう言う訳だから……洗浄魔法掛けるね?」
「うん!」
私がそう言うと、顔を上げて元気にお返事してから目を閉じるエンケリンちゃん。うんうん、やっぱりエンケリンちゃんは元気なのが良いね!
「洗浄!」
エンケリンちゃんの足元から涌き出た水が徐々にエンケリンちゃんを覆っていき。全身を包んだと思ったら霧散していく……。
後にはキラキラになったエンケリンちゃんが現れる。うん、ほんとに便利だねこれ。
「今日も綺麗だよエンケリンちゃん」
「えへへ、ありがとう。リーベスお姉ちゃん!」
私が当然の事実を言うと、エンケリンちゃんはほんのり頬を紅く染めながら嬉しそうにお礼を言う。
ふはぁっ!? 堪りませんね! 最高です! ――はっ! シャッターチャンスでは!?
私は急いで魔法を展開!
(激写!)
(カシャ)
うへへ、最高の一枚ゲットだぜ!
「それじゃ行こう。リーベスお姉ちゃん」
そう言って何も気付く事無く私を
「うん。行こうかエンケリンちゃん」
私もそう答えて、お手手繋いでエンケリンちゃんと一緒に部屋を出る。
その後は、朝御飯を食べて今日出発することを改めて確認。そして、出発の準備だ。
今回は漸くご飯の用意のお手伝いが出来たよ。とは言っても、お皿や食材を用意しただけだけどね。台所はエンケリンちゃんの城なのだ。そう易々と手を出すわけには行かない。でも、徐々にでもやれる事を増やしていきたいね。
勿論ご飯は美味しかった。焼いた薄切り肉と千切った葉物野菜をパンに挟んだだけのものが何でこんなにも美味しいのだろうか?
味付けはお肉に軽く塩がふってあっただけなのに……。
やはり、幼女――エンケリンちゃんが作っているということが味をブーストさせているのだろうか……。
そんな重要な思索に
初めは外の洗い場でやったけど、周りをびしゃびしゃにすることも無いのだから、
洗い終わった食器をエンケリンちゃんと一緒に片付ける。
片付けが終わったら出発の準備だ。オーパ爺は馬車の準備。私とエンケリンちゃんはシュトゥーテのお迎えだ。
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