第52話 お披露目
よし、後は扉を付けるだけか。
脱衣場の扉は普通ので良いよね。……あれ? 木の扉って出せるのかな? ……土魔法にするか、軽石の扉なら軽いかな? ぼろぼろにならないように強度はそれなりで、っと。こんなもんか。
お風呂の方は引き戸にしよう。何と無く。
よし、完成! ……でもこれ、私が居ないと使えないよね? お湯を沸かす事も出来ないし、水すらぐるっと家の中を通って来ないと入れられない。と言うか排水設備も無いじゃん。
完成してなくない?
いやいや、私が居ればお湯は魔法で入れ換え出来るから完成ですよ。
まぁでも、私が居なくなったら使えない設備にはなるので、その辺は後で考えよう。
さてと、二人の作業は終わったかな? 早速御披露目といきたいところですが……。
そう思って居間に行くと、オーパ爺が寛いでた。
「オーパ爺は終わったんだ。エンケリンちゃんはまだ掛かりそう?」
「んむ? そうじゃな。もう終わる頃じゃろう」
「そうなんだ。じゃあお風呂の御披露目するから、呼んでくるね」
「んむ。 ……もうできたのか!?」
オーパ爺は一度頷いた後、驚いた声を上げた。
「うん。じゃあ行ってくるよ」
そんなオーパ爺を残して私は勝手口に向かう。
そして、勝手口から出て厩に向かおうとした所で、エンケリンちゃんが厩から歩いてくるのが見えた。
「リーベスお姉ちゃん!」
私を認識したエンケリンちゃんが私の事を呼びながら走ってくる。思わずぱたぱたという擬音をつけたくなる様な動きにたまらず頬が緩む。可愛い。
「エンケリンちゃんシュトゥーテの御世話はもう終わり?」
「うん! 終わったよ! リーベスお姉ちゃんはお風呂できたの?」
元気にお返事した後、の? で小首を傾げる。うぐ……、この子自然にこれするんだよね……堪らんね。うへへ。
「……ん゛ん゛っ。うん。お風呂が出来たからエンケリンちゃんに見せたくて、呼びに来たんだよ」
「うわぁ! そうなんだ! どんなのかなぁ」
わくわくして楽しみだという感じを
その後、居間でオーパ爺を回収してお風呂に向かう。
「こりゃまた、見事に詰めたのう」
正にみっちりと言った表現が似合う物置の詰め込み具合に、オーパ爺が呆れを含んだ声音で言った。
「あはは、必要な物を取るときはちゃんと手伝うよ」
まぁ、我ながら取り出すことは全く考慮されてない詰め方したからね。
「わぁ。扉があるよ」
エンケリンちゃんが新たに設置された物置と脱衣場を繋ぐ扉を見て言った。
「ここが服を脱ぐ所」
扉を開けた先の部屋の用途を二人に説明する私。
「へー」
「ほー」
それに対する二人のリアクションがこれ。まぁ何もない狭い部屋だからね。
「そして、こっちがお風呂。扉は引き戸にしてみた」
すっ、と扉を開いてお風呂の御披露目。
「うわぁ! ……これがお風呂?」
「……こりゃまた何とも……。」
エンケリンちゃんは見たこと無い部屋に対する驚きと未知の物に対するはてなを、オーパ爺はお風呂設備のあまりの簡素さと、天井一面のガラスに言葉を失ってる感じ?
「あはは、私の魔法前提で最低限しか作ってないんだ。でも一応今後改良しようとは思ってるだよ? 後、天井の総ガラスはちょっとこだわってみた」
「……まぁ、お前さんの好きにすると良い」
もう、なんか諦めた感を出した声音でオーパ爺が言った。
「安全対策としてこの部屋は特殊な素材で作ったから、もし転んでも怪我はしない筈」
そう言って私は、デモンストレーションとしてオーパ爺サイズの土人形を出す。因みに強度もオーパ爺並みだ。
「わっ!」
「んむっ!?」
突然の土人形の出現に驚く二人。
「大きさと固さがオーパ爺と同じ位のこの土人形を、実験として倒して見ます」
後頭部を湯槽の角に当たるように土人形を倒す私。
「うわぁ!」
「んむむっ!?」
土人形の後頭部が湯槽の角に当り悲惨な事になる……という瞬間、湯槽がうにょ~んと変形して衝撃を吸収する。
「この様に、一定以上の衝撃で当たると素材が変形して衝撃を吸収する感じです」
「すごーい!」
「こりゃまた……」
衝撃を吸収しきった後は、変形していた部分は徐々に元に戻っていく。
「ふわぁー」
「おお……」
「こんな感じで安全設計になってます」
ちょっと、ドヤりつつ言う私。
「すごいね! リーベスお姉ちゃん!」
それに対して純粋に称賛の声を上げるエンケリンちゃん。
うへへ。もっと誉めても良いんだよ?
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