第51話 お風呂を造ろう
市場で今日の晩御飯の材料と明日からの道程の食材を買った後、パン屋さんでパンを調達して馬車に戻る。
何とあっちのフランスパンのパリジャン的なサイズの物が銅貨1枚だ。ちょっと安過ぎじゃない? やって行けるのかな? まぁ、長年続いている感じの店構えだから、やって行けてるのだろう。
「さて、当初の予定は終わったが、他にも何処か見に行くかのう?」
馬車に荷物を積んだ所で、オーパ爺が聞いてきた。
「いや、帰ろう。お風呂造らないと」
私は帰宅を、と即答。私にはやらねばならない事があるからね。
「! お風呂っ!」
私の言葉にエンケリンちゃんが反応する。
「ほっほっ、そうかそうかお前さんにはそっちの方が大事か」
オーパ爺に笑いに呆れが含まれた感じで言われた。
「そうだね」
そう、大事なのです!
と、言う訳で帰宅。
私の担当は先ずは今晩の食材を台所への運搬。
エンケリンちゃんはシュトゥーテのお世話。
オーパ爺は馬車の点検だ。
食材を運び終わった私は、オーパ爺が点検中の馬車に結界を張りに行く。
「オーパ爺、馬車に結界張っとくからね」
「おおう、ありがとうのう」
オーパ爺の返事を確認して結界を張る。
「じゃあ私はお風呂造りを始めるね」
結界を張り終わった私はオーパ爺に作業の開始を伝える。
「無理せんようにのう」
「は~い」
オーパ爺の言葉に軽い返事をして現場に向かう私。
さてと、何処から始めようか……。先ずは入口になる場所の確認かな? ……あれ? そう言えばエンケリンちゃんの隣の部屋って使って良いかって聞いたっけ? ……聞いて無い気がする。
と言う事で馬車迄戻ってきました。
「オーパ爺、今大丈夫?」
「んむ? なんじゃ、どうした」
馬車の点検の手を止めて私に向き直るオーパ爺。
「エンケリンちゃんの部屋の隣の部屋、奥の方のね? そこをお風呂の入口にしようと思ったんだけど、使ってもいい?」
「ふむ、あそこかのう。物置に使っとるから、場所があるかのう」
難しいんじゃない? って感じを受ける返答だ。
「通り抜けるだけだから、物を寄せればこっち側の壁まで通れない?」
私はそう言ってここから見える家の壁を指す。あそこが使えないと計画が練り直しだよ。
「どうじゃったかのう。使える様なら使って構わんから、見てみとくれ」
「うん、わかった。やれそうならそのまま造り始めるよ」
私はそう言ってオーパ爺の所を辞し、家に入って物置部屋を目指す。
やってきました物置部屋。いざ開門。
うん。確かに物置って感じ。色々物が置いてあるね。でもみっちり入ってる訳じゃ無いから寄せれば行けそうかな?
強度的に丈夫そうな木箱は重ねて、後はスペースを無駄にしないように詰めていく……。
よし、入口から見て正面の壁までの通路は確保したよ。でもここから必要な物を探すの大変だなぁ……。奥に入れたのとか取れないよね?
……まぁその時は改めてお手伝いしましょう! 今はお風呂が大事!
さてと、それじゃぁ壁に穴をあけますか。
……う~ん。どうやってあけようか。物理で殴ったらばらばらになっちゃうだろうし、何なら綺麗にカット出来るかな?
切ると言ったら風魔法? 真空の刃とか? あ、でもウォーターカッターとかあったよね? じゃぁ水魔法? う~ん、バーナーでも切るよね? 火魔法? あ、レーザーもいいね、光魔法? ……いや、飛ばす系は何か怖い。貫通してどこまでも飛んで行きそう。
むむむ、……あ、土魔法ですっと動かせないかな? 石壁な訳だから土魔法の範囲でしょ。
それじゃ、部屋の入口と同じ大きさで……ほいっ!
その瞬間、壁が音もなくすっと動く。うへっ気持ち悪っ。無音で動いたよ。ズズズズとか引き摺るんじゃないの?
まぁ抵抗がないのは良いことか。そういうものだと分かっていれば問題無い。
切り取られた壁は外に1メートルほど出ていて、部屋から外が見える。取り敢えず右側の壁にくっ付けて外壁の一部にしましょう。……ほいっと。よし。
さて、お風呂はどの位の大きさにしようかな? やっぱり足をのばせる広さは欲しいよね? ありがちだけど、やはり元日本人としては浴槽と洗い場は別にしたいね。うーん。脱衣場も確保しておこうかな。
よし、まずは壁と浴槽を土魔法で設置。むむむ……ほいっと。
うん。こんなものかな。じゃあ採光と換気用に窓を配置。勿論覗き対策で磨硝子仕様だ。まぁ私が居る限り
それじゃあ天井も設置して……あっ! 天井は強化ガラス仕様にしよう! 星空が見えるお風呂とか最高じゃない!?
最後にお風呂で転んだら危ないから、その対策としてお風呂の内側の壁、浴槽、床を転倒等で衝撃を受けた際はそれを吸収するが、歩く等のゆっくりとした力には変型しないという夢の素材に変えるよ。
うんうん。これでエンケリンちゃんも安心安全だね。……
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