第50話 市場
エンケリンちゃんとお手手を繋ぎながら、今度はゆっくりと市場に向かう。
「エンケリンちゃんは、あの肉串が好きなんだね?」
「うん! 大好き!」
うはぁ、大好き! 頂きました! うへへ、堪らんね。
屋台街と市場は隣接しており、そんなに歩くこと無く屋台街を抜けて市場に着く。
ざっと見た感じ、結構な店が並んでいるようだ。全部を見通せないよ。
この辺は生鮮食品関係の店っぽい。道の片側は野菜、反対側は肉っぽいね。
野菜はともかく、生肉をそのまま置いとくのはどうなの? って思うだろうけど、結論から言うと大丈夫らしい。
と言うのも、この世界、細菌やウィルスと言った目に見えない生き物的な物は存在しないらしい。
デア
『目に見えない生き物がそこら辺にうじゃうじゃいるなんて気持ち悪い!』
だそうだ。
だから放置してても永遠に腐らない……何て事は流石にない。
そこの所は、ご都合担当の魔素さんが
魔素は全ての物を劣化させる。ただ物によって抵抗値が違い、基本的に生きている物と無機物は劣化が遅く、生命活動を停止したものは劣化が早い。
それでも、あっちの世界よりは
因みに魔素を完全にシャットアウトすると永遠に劣化しない。恐らく私なら可能だろう。
と言う前提の元、ざっと見ていく。
野菜の値段は基本的に1
ここには高級品的な物は売ってないのかな?
果物は1笊銅貨2枚だった。大物の果物は置いてないね。
穀類や香辛料は置いてなかった。エンケリンちゃんに聞いた所、穀類や香辛料は専門の店舗があるそうでそこで売ってるみたい。
お次はお肉コーナーだ。色々な大きさのブロック肉が置いてある。これもエンケリンちゃんに聞いていくと、兎に鹿、猪、鳥とジビエ的な物が続く、そして魔物肉。魔物肉も原型になった物で種類が分けられており、前述の4種に加えて狼があった。
普通の狼は人気が無いそうで、置いてないみたい。エンケリンちゃんも好きじゃないって。
そして売り方は切り売りしてくれるそうだ。聞いた感じ、大体100gを銅貨1枚で売ってるみたい。どの肉も同じ値段ってのがちょっと信じられないけど、そうらしい。
魔物肉は100g銅貨2枚でお高い。でもそれに見合う美味しさだそうだ。
さっき食べた肉串も恐らく魔物肉らしい。確かにあれは美味しかった。
恐らくと言うのは屋台の親父が材料を秘匿しているからだ。
そしてなんと魚もあったしかも干物じゃない。こっちは肉より更に怖いけど、同じように日持ちするそうだ。
あ、因みに寄生虫もいない。
『そう言う気持ち悪いのいらない!』
とのことで……、優しい世界だ。
20㎝位の魚が一匹銅貨1枚。近くの川で捕れるみたいだね。流石に海魚では無かった。
生鮮品はこのくらい、他には各種乾きもの系の保存に適した物も売ってた。
こう見ると、どうやら食品関係はそれほど高く無い感じかな?
あっちでは自炊なんかしてなかったから、素材価格は良くわからないけど、私の給金からすると、高くはないよね?
後は各種雑多な雑貨が色々あった。それも銅貨1枚から5枚位までの安価な物ばかりだった。高級品は店舗を構えてる様な所に売ってるそうだ。
これでざっと見れたかな? 細かく見ればもっと発見があるかもしれないけど、この後大事な用があるから早めに切り上げないとね!
そう、お風呂造りという大事な用事があるからね!
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