第12話 御金と物価
伊達に小さくても商会の会頭をしている訳では無いと言う事か……。
やるな、オーパ爺!
「オーパ爺には負けたよ。えっと、金貨5枚って生活出来る額なんだよね?」
流石に生活出来ないんじゃ考えないといけないよね?
「んむ? やはりお前さん相当な箱入りか?」
まぁ、そう思われてもしょうがない。
「まさか、
思わず目を逸らす私。
「お前さん……よくそれで街に出ようなんて考えたのう」
「最初に出会ったのがエンケリンちゃんで良かったよ」
笑顔でそう返した。
「全く、お前さんは……、これが御金じゃ」
オーパ爺は呆れ
「これが……」
金貨、銀貨、銅貨かな? 新品? 艶消しだけど凄い綺麗なんだけど。
「これって新品?」
「んむ? 違うと思うが何故じゃ?」
何言ってんじゃこの箱入りがって感じで返された。
「何故って、特にこれって新しく無いとどす黒くなるんじゃない?」
そう言って銅貨を見せる。あっちの世界の10円とか新品だと全然色が違ったもんね?
「……お前さんは
途端にオーパ爺の雰囲気が変わる。
え!? 贋金!? どゆこと!?
「へ!? え、えっと……こ、これって銅じゃないの? 銅って時間経つと黒くなるんじゃ……」
オーパ爺の雰囲気にびくびくしながらそう言う。確か酸化だったっけ?
「んむ? そうか、そう言う事は知っておるんじゃな……。すまんかったのう。確かにこれは銅で出来ておるが、御金じゃからのう」
??? おかねが私の知ってるお金じゃない気がする……。
「えっと、それってどう言う事? おかねだから?」
「そうじゃ、御金は全て一度神殿に奉納される事によって御金になる。そうして初めて市中で使える様になるんじゃ。御金はお前さんの言ったような変色もせんし、傷も付かん」
なんじゃそりゃ!? また女神チートなの!?
「そうなんだ……」
そうとしか言え無かった。いやはやオーパ爺の雰囲気が元に戻って良かったよ……怖かった。
あ、ちゃんとおかねの字は聞いといたよ『御金』だってさ。そう来たか! って感じでした。ちゃんと聞いといて良かった。
「それぞれ、銅貨、銀貨、金貨じゃな。銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚と同じ価値じゃ」
ふむふむと頷く私。うん、覚え易いね。
「金貨100枚分の大金貨と言うのもあるが、儂らが使うことはまず無いじゃろう」
そこは100倍なんだ。
「そこでお前さんの金貨5枚の価値じゃが。街で暮らすなら金貨3枚から6枚あれば生活出来るのう」
成程、最低限よりは少し良い生活が出来るくらいなのかな?
「お前さんの場合は儂らと
同行時の経費は商会で持ってくれるそうだ。じゃあ大分余裕があるのかな?
「
また呆れ顔をされる。知らんもんは知らん。聞ける時に聞いておくのだ!
「そうじゃな、パンが1
見事に食べ物ばかり……まぁ最重要か。パン1kgって量どれ位? 肉1kgって? ステーキとか200gとかだっけ? 5枚分? 野菜は1笊か、塩が100gで肉1kgの1.7倍……塩ってそんな高かったっけ? やばい自炊なんか
妹のラノベだと銅貨が100円って設定が結構あったような……とするとパン1kgと野菜1笊100円これは安いんじゃない? 肉1kgが1000円……安い気がする。塩が100g1700円……塩って100gで売ってたっけ? 1kgとかだった様な……とすると17000円!? 高っか!? え!? 塩って高級品だったっけ? いや違うよね? スーパーとかで普通に置いてあったよね? グラム違い? いやあの袋で100g以下は無いでしょ!?
って、落ち着け私。こっちとあっちの物価の比較や円換算は無意味だってラノベの中の人も言ってた様な気がするよ。
塩は高いのかもしれない、でも使用量とかでも違うし、こっちの物での比較が重要だ。街では色々見てみないといけないね。
それに今、大事な物の値段が出なかったよ?
「砂糖はいくらなの?」
やっぱり良いとこのお嬢さんじゃのうって顔でオーパ爺が言う。
「砂糖は100瓦で金貨1枚以上はするのう」
100g……一万円!? 思った端から円換算する私だった。
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