第78話
「どうかしら」
「壁画でわかることは昔おおきな戦いがおこってすんでいる場所を追われた人たちが
この街に住んだみたいです、それで街を作った人はこのオートマターとともに上の家に住み街を守ったり管理していたようですね」
「そう、他には?」
「神殿とこの部屋の壁画からはそれしかわかりませんでした、あとは数百年つづいた街も管理者、たぶん街を作った人が亡くなってからいざこざが増え追い出される人や出ていく人が続出し衰退してゴーストタウンになったようです、このオートマタ―も管理者の方とともに眠りについたってことみたいですね、起動の仕方なんかは書いてませんね」
「そう、じゃあこの部屋にある書物や上の家にをさがしてみるほうがよさそうね」
「そうですね、それとカミューさん」
「は、はい!」
「きっとカミューさんの力が必要になると思います」
「え?私が御役に立てるならなんでもおっしゃってください!」
「かなり古い装置とオートマターなんで整備が必要になると思うんですよね」
「お、おまかせください!!!!!」
「とりあえず起動の方法をさがしましょ」
「そうですね」
調査を開始してわずか10分程度でこの街の歴史を把握なさったことに驚きを隠せませんが…フィーネは当然のようにしておりますし、ナタリーはなぜか自慢げにうんうんと頷いておりカリンはレティーとともにテト達と上にあがってしまいました。
「俺は読めないけどモネちゃんとルイちゃんは読める?」
「無理です、みたことのない言語です」
「フィーネさんは?」
「似ている言語をしっているから大体はって感じね」
「時間がかかりそうですねぇ」
「一度ご休憩をなさった方がよろしいかと思います」
「そうね」
「先に各自の部屋に荷物をおさめご休憩なさりましょう」
全員で上にあがり割り当てていた各部屋に荷物をおさめることにしました、ちなみにタチバナ様のお部屋は一番広く建物の最上階に位置しており右隣にはフィーネが左には私が向かいにはナタリーとカリンの部屋があります。
「この扉はなんの扉かなぁ~…え゛……」
「はぁ~……いつまで凝視なさっているのですか?固まっておらずに閉めてほしいのですが?」
「す、すみません!!!」
埃っぽいので着替え用としていたところ丁度下着姿になったところでタチバナ様がドアをおあけになってしまいました。
「なにかあればすぐに駆け付けれるようにつながっておりますので」
「事前にいってください!心臓にわるいですよ!」
「私の下着姿はそんなに見苦しいものでしたか?」
「逆!逆ですよ!刺激が強すぎますって!」
「お互いすでに裸をみられているのにですか?」
「慣れるわけないじゃないですか!」
いつになっても免疫というものをお持ちになさらない方です。
「それにしても俺の部屋広すぎません?」
「そうでしょうか?」
「落ち着きませんよ、この立派なデスクなんかも高そうですし」
「タチバナ様のものなので別に傷をおつけになっても問題ありません」
「えぇ!?」
「まぁ、引き出しの数々はものをお持ちではないタチバナ様には無用の長物ですが」
「う、うぐ……そ、そうだ……スマホいれておこうかなぁ……」
「はぁ、スマホをその広い引き出しに入れる意味がわかりませんがご自由に」
「ふぐっ!……あれ?」
「どうなさいましたか?」
「い、いえ…なんでも」
「タチバナ様、そのまま引き出しに入れた右手をこちらにお出しください」
「え?」
「のぞいたことをフィーネやナタリーに…」
「ひぃ!」
「ふむ、鍵ですね」
「そ、そうですね…天板に張り付けておくほど大事なものだったみたいなんで戻して…」
「戻さない!」
「ひぃ!」
「往生際が悪いですよ?なんの鍵なのか調べましょう」
「えぇ……」
「その反応…心当たりがあるのですね?」
「いっ!?そ、そんなことは!」
「正直におっしゃっていただけないのであれば…私にも考えがございますが?」
「え゛…それは…どういう…」
「本日からご入浴とご就寝…お一人でできると思わぬよう」
「え゛…」
「皆よろこんでご一緒なさってくださると思いますが?」
「そ、そんな!心が持たない!」
「どうなさいますか?」
「……いいます」
「素直でよろしい」
がっくりと肩をおとしながら工房へと向かいましたので付き添うことにいたしました。
「あ、あけますよ?」
「はい……こ、これは」
工房の謎の装置のよこにあったデスクに鍵を差し込み天板を開くとそこには謎のボタンや手のひらに収まるようなサイズの水晶のような物が現れました。
「たぶん……起動装置の操作盤です」
「動かすことは可能で?」
「無理です、たぶん起動に必要なエネルギー自体がきてません」
「そ、そうですか…ではここまでですね?」
「はい」
あきらめたように質問にお答えくださいましたが余ほど葛藤なさったのか心労がうかがえます……こういうお姿をみると多少なりとも罪悪感がめばえます。
「こちらを」
「え?あ、ありがとうございます…あ、この味」
「なにか」
「いや、わざわざアリスさんが作ってくれたんだなぁと」
「お口にあいませんか?」
「全然!最高においしいですよ!」
「そうですか、心行くまでおめしあがりください」
「久しぶりだから嬉しいですよ!なんか頑張ったかいがあったなぁ」
ご褒美をもらった子供のように無邪気にわらって召し上がっているお姿をみるとため息とともに力がぬけてしまいます。
「一応、フィーネとカミューには伝えさせていただきました」
「わかりました」
「本日は早めにご就寝なさったほうがよろしいかとおもいます」
「そうですね、なんか少し疲れた気がしますしね」
カリンに頼んでご就寝前にハーブをつかったティーを作ってもらい早めにベッドに入るとすぐに寝入ってしまいました。
「カミューなにかわかりましたか?」
「タチバナ様がおっしゃられていた通り装置とオートマターどちらも起動用のエネルギーがありませんし……どのようなものがエネルギーになりどのように補給するかも不明です」
「そうですか、他はなにかわかったことはありますか?」
「悪いけど私はノータッチよ、タチバナ様と会社の休み明けのスケジュール調整に専念していたわ」
「私もレティーに手伝ってもらって色々な薬を作っていたのでわかりません」
「モネとルイはまだ動けないわね」
「そうですか」
「今日は約束通り私がたっぷりサービスしてあげたんだけど二人にはまだ濃すぎるみたいね」
「なるほど…ナタリー今夜はつけますか?」
「あたりまえでしょ?タチバナ様ご自身より優先するものなんてあるわけないじゃない」
「そうですか、では今夜は頼みます」
「あなたは?」
「定期報告にいかなければなりません」
「そう」
「カミュー」
「は、はい!」
「根を詰めるのは自由ですがやらかすことのないように」
「次やらかしたら……殺すわよ?」
「ひぃ!わ、わかってます!」
「よろしい」
ナタリーの殺気に当てられカミューは真っ青に委縮してしまいました。
「なるほど…」
「もし起動に成功した場合どうなさいますか?」
「ケースバイケースだが、指揮下におけるならばそのまま彼の元に」
「よろしいのですか?」
「ああ、稼働しているデータがもらえるにこしたことはないからな」
「かしこまりました」
「それともう一つ」
「なんでしょう」
「君でも最悪カミューでも構わんが彼の心のよりどころであってほしい」
「……つなぎ留めろと?」
「そうではない、体は適合したとはいえ違う世界を行き来しているんだ、心がついていかないこともあるだろう、その時は寄り添ってあげてほしい」
「心得ております…彼は必ず私が支え守ってみせます」
「ふっ、いらぬ心配だったな」
「いえ」
オートマターの所有者は組織が後ろ盾となりタチバナ様のものになる…無事に起動してくれることを祈りましょう。
「そう、上出来ね」
「ええ」
「あれがタチバナ様のもとに!?よく許可が」
「ダイスケの貢献度をかんがえれば安いものじゃない」
「誰だと思っているの?タチバナ様なのよ?見くびらないで」
「そうですよ!ダイスケさんなんですから!なめたことをいっていると盛りますよ!」
「ひぃぃぃ!すみません!!」
「カミューさん……4人の王を前に命知らずですね」
「わ、私だってタチバナ様のお役に立ちたい気持ちは負けてませんよ!」
「空回りばかりじゃないですか」
「ふぐっ!」
「だから残念美人っていわれるんですよ」
「!!!!!」
「その辺にしておきなさい?それよりナタリーはそろそろダイスケの元にいったほうがいいんじゃない?」
「はっ!そうね!タチバナ様いますぐまいります!」
ナタリーが急いで自室に向かいました、あの調子では添い寝でもする気まんまんでしょう。
「おはようございます」
「あらダイスケはやいわね」
「ええ、カリン先生の庭のおかげかすごくいい香りがしてぐっすり眠れましたからね!」
「タチバナ様そんなにその香りはお気に召したのですか!?」
「うぉ!え、ええ、そうですね。なんか優しいけど爽やかな甘い香りが心地よかった感じですね」
「そ、そうですか!」
嬉しそうにしているナタリーに頭の上に?マークをうかべるタチバナ様ですがダシにつかわれたようなカリンは少々不機嫌そうです。
「フィーネさんもなんか今日はものすごく元気ですね、いいことでもあったんですか?」
「ええ、今日も使いきれないくらい元気をチャージしたのよ」
「よくわからないけどいいですね!」
「ええ」
モネとルイが使い物にならないぶんフィーネが3人分を吸い取ったおかげで調子は良さそうです。
「お、おはようございますぅ」
「カミューさん!?ボロボロじゃないですか!」
「タチバナ様が発見なさった装置が気になって調べていたら朝に…」
「えぇ…無理はしないほうが」
「エネルギーが何でどこにためていてどのように接続していたのか…」
「レティー、カミューを休ませて」
「はい」
「うぐっ!」
「えぇ!?」
レティーがカミューの意識をかりとると白目をむいたカミューを見て驚きながらも若干ひいてしまっています。
「タチバナ様本日のご予定はいかがなさいますか?」
「そうですねぇ…個人的には庭をカリン先生と一緒に見たい感じなのですが…」
「え!?もちろ」
「それはまた今度よ、ここにいられる期間も限られてるんだから遺跡の調査を優先して」
「ちょ!フィーネ!ダイスケさんだって気分転換が必要ですよ!」
「わかっているわ、けど手がかりすらないの。せめて文献でもでてきたら私が解読してる間、時間ができるわ」
「タチバナ様がお決めになられるべきです」
「そうよ!今まで専門家でもわからなかったことを功をあせって無理をさせないで!」
「どうなさいますか?」
「ちなみにモネちゃんとルイちゃんは?」
「お昼前には動けると思うわ」
「わかりました、じゃあ朝食をとったあとカリン先生と庭の花をみて昨日飲んだハーブティーが飲みたいです」
「おまかせください!」
「そのあとオートマターの調査でいいですかね?」
「はぁ~…ただでさえ無理強いしているんですものこれ以上文句はいえないわ」
「言った時点で私とカリンが許さないわよ」
「当然です」
「では、お茶請けをご用意しますのでお気持ちを落ち着かせ頭の整理をなさってください」
「なによそれ」
「アリスどういうこと?」
「あわただしく調査をなさったおかげでお考えがまとまっていらっしゃらないのですよ」
「それでカリンの…」
「お気持ちを落ち着かせこれまでの情報を整理なさる心の余裕がほしいのです」
「そう、それならゆっくり休んだほうがいいわ」
「ダイスケさん!しっかり私が癒してリフレッシュさせてさしあげますね!」
「あははは、カリン先生にはいつも癒してもらってますからなんか申し訳ないですね」
「ダイスケさんっ!♡♡♡」
本日のご予定もおきまりになり上機嫌のカリンがタチバナ様にべったりくっつき始めました。
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