第77話

「な、なんかめっちゃ綺麗になってますね!」

「お庭は私が元々の生態系を生かしつつ整備したんです!」

「さ、さすがカリン先生だ」

「ふふふふ、あとで詳しくお見せしますね?」

「おぉ!ありがとうございます!楽しみにします!」

「はい♡」


宿を女将と従業員のメス豚たちに盛大に見送られながら一度家に戻り荷物の整理をした後、フィルドにある別荘にきました。


「家も綺麗になってる!」

「ナタリー様のご指示で私とレティーさんそしてモネとルイが掃除や修繕を施しました」

「お、おぉ!さすがすごい!ありがとうございます!!」


ここぞとばかり自慢するカミューに単純なタチバナ様は感動しております。


「タチバナ様、地下遺跡もかなり調査がすすんでおります」

「そうなんだ、フィーネさんやっぱすごいね」

「はい」

「ふふふ、あとで案内するわ」

「え゛」

「大丈夫よ、危険はないと確認済みだから」

「そ、そうですか」


さりげなく腕を絡めエスコートするフィーネに遺跡という言葉で動揺し腕を絡められていることが麻痺していらっしゃるようです…双方さすがです。


「タチバナ様、先ほど式が届きましてザイード達がザガンドを出発したそうです」

「え?もっとゆっくりしてきてもいいのに」

「気持ちの整理がついたんでしょ」

「そうですか、国に残りたいとかおもわなかったのかなぁ」

「一応尋ねましたが本当の決着がまだついていないと」

「???」

「黒幕がまだ」

「ああ…ジャワンとのことも決着ついてないですもんね」

「そうです、それに黒幕がジャワンだと決まったわけでもございませんので」

「そうですよねぇ」

「まぁその辺はおいときましょ、それよりも4人が見せたいものがあるみたいよ?」

「え?なんだろ」

「地下遺跡の神殿です!」

「綺麗な壁画もあるのでお見せしたく」

「え?そんなワクワクワードを言われちゃ!怖いけど行くしかないね!」

「まいりましょう」

「うん!」


笑顔のモネ、ルイ、カミュー、レティー4人に催促され怖さよりも好奇心に負けてしまったタチバナ様はまんざらでもない様に後に続いていってしまいました。


「テト」

「にゃぁ~ん」

「ルフもおねがいね」


フィーネも何かを感じ取ったのかルフを同行させるようです…私にはやらかす気配しか感じ取れません…。


「お、おぉ!すごい!」

汚れを落として復元したんですよ!」

「ほぉ~、カミューさんて万能ですよねぇ、さすがアリスさんの後輩ですよ」

「ムフフフ、ありがとうございますぅ♡」

「すごいなぁ、物語みたいになってるんだねぇ」

「え!?」

「どういうことですか?」

「ほら、たとえば右の壁の一番上の絵」

「はい」

「その続きがこっちの左の壁の一番右の絵に続いてるんですよ」

「!!!!!!!」

「で、では2番の目の絵は」

「うん、右側の壁画は上から左の壁画は右からで交互に進んでいってると思うんだ」

「タチバナ様すごいです!」

「そうかな?えへへ、ありがとう」

「けどどんな内容なんでしょうね」

「んー、この街を作った人とそれを守る人なのかな?それが描かれてて最後になにか黒い影?のせいで街を捨てて守っていた人みたいなものが眠りについたって感じだね」

「な、なるほど…」

「まだ続きがあるとおもうよ」

「え!?さ、探してみましょう!」

「おお!探索だね!やろうやろう!」


タチバナ様が嬉しそうに探索をはじめました…最初の棺を見つけた時と同じ感じがします…フィーネ様はルフを通してみてくださっていると思うのでいざとなったら助けてくれるでしょうが…謎の緊張をしてしまいます。


「む…やっぱりそうだ」

「タチバナ様なにかわかったんですか?」

「たぶんだけどこの左右にある大きな柱に刻まれてるのが続きだよ」

『!!!!!!!!!』

「でも不思議なんだ」

「な、なにがでしょう」

「たとえばこの柱なんだけど4つに絵が分かれているんだけど一番上と下に真ん中2つの絵があっていないんだ」

「え?」

「1ブロックに4面の絵が描かれてるけど微妙にずれてるっていうか…あってないんだよね」

「横に回ればいいのですか…」

「ああ!なるほど!ルイちゃんの言う通りかも!動くか試してみようよ!」

「う、うごきませんね」

「違うみたいだね…」

「どの柱も一番したのブロックの一面だけなにも書いていないのが関係しているのでしょうか」

「ああ、カミューさんもやっぱりそれ気になりましたか」

「はい、怪しいですよね」

「怪しい溝がはいってますし気になりますよね」

「そうだよねぇ」

「…ん」

「ルイちゃん?」

「この模様ガタつきます」

「え?ほんとだ…あ…もしかして」


タチバナ様がなにか思いついたようです、ルフがみていますが一応記憶しメモも取っておくことにします。


「や、やっぱり」

「模様がうごきました」

「うん、円なのに4面ってことはこれで空いた場所にスライドも…やっぱり!」

「なるほど!パズルのようになっているのですね!」

「みたいですね!」

「タチバナ様はどの図がどこに配置なさるか教えてください!」

「え?」

「この手のパズルは大得意なんです!」

「おぉ!じゃあカミューさんの指示で俺が動かしますよ!」


タチバナさまが図の配置をつたえカミューが次々パズルを解いていきました。


「これで最後っと!うぉ!?」

「な、なんですか!?」

「か、壁が!!」


最後の柱のパズルを解くと最深部の壁が開き大きな扉が現れました。


「ルフお知らせを」

「ホォ!」


ルフがフィーネ様にお知らせしてくださったようです、きっとすぐに駆け付けてくれると思います。


「この扉どうしようか」

「開きませんね」

「んー、鍵穴もないですし古くて固着してるんですかね?」

「それなら壁も動かないんじゃないかなぁ」

「なるほど!さすがタチバナ様です!」

「ダイスケお手柄ね」

「あ゛…」

「あら、私がきちゃまずかったかしら?」

「こ、こういう時にはあまりお会いしたくは…あは、あははは…」

「そっと扉から離れるのはおやめください」

「ひぃ!」

「それで?扉は開かないの?」

「固く閉ざされていて開かないんですよ」

「そう」

「タチバナ様がお開きになられる気がございません」

「モ、モネちゃん!?なにいっちゃって…」

「ダイスケ」

「ひぃ!な、なんですか?」

「開けてくれるわよね?」

「む、無理です!」

「どうしても?」

「うっ…フィーネさんには日ごろお世話になってますけど!ぜったいこの奥になにかいますって!」

「なにかとは?」

「おばけですよ!お・ば・け!ぜーーったい!いますって!」

「あはははは!」

「はぁ~…日ごろモネとルイと共にいらっしゃって何をいっておいでですか」

「そんなこといったって!二人みたいに優しくて可愛いお化けなんて他に絶対いないですよ!」

「タチバナ様が嫌がっているんだから…」

「ナタリーさん!」

「けど、莫大な財宝だったらダイスケさんの私財になりますよ?」

「タチバナ様がんばってくださいませ」

「ナタリーさん!?」

「やるやらないは別として仕掛けはわかるのですか?」

「たぶんですけどね!でもさっきからすんげぇ嫌な予感がするんですよ!」

「はぁ~お化けの類なら問題ございません」

「そんなのわからないじゃないですか!」

はフィーネの二つ名をお忘れですか?」

「あ…」

「わかったらさっさと謎を解いてください」

「…でもフィーネさんでも危な」

「さっさとやる!」

「ひぃ!や、やりますけど!危なかったらすぐ逃げてくださいね!」

「ふふふ、わかったわ」


本当に手のかかる方です…。


「これでいいと思います」

「モネ、ルイ」

「「はい」」


私達では解き方すらわかない小さな絵をくみ上げるとカチッと音がし二人が扉を左右にあけました。


「お、奥に人が!」

「…人形かと」

「え?あ、ブリキ?」

「はぁ…」

「とりあえず危険はなさそうだし入ってみましょ」


スタスタと中にはいるフィーネに続いて中に入るとそこは壁画が血面に描かれている工房のようなところでした。


「色々な書物らしきものもありますね」

「ええ」

「この鋼の人形は何でしょう」

「色々調べてみなければわからないわね」

「……………」

「タチバナ様どうなさいましたか?」


壁画を見て驚いた顔で硬直なさったままお声をかけても反応がありません。


「タチバナ様?」

「え?」

「ダイスケなにかわかったの?」

「し、信じられませんけど……多分ですが」

「ええ、気になることはいってちょうだい」

「はい、じゃあ……多分ですけどそれロボットです」

「え?なにそれ」

「自動で動く機械、からくりみたいなものだと思います」

「ほ、ほんとうなの?」

「入り口にあった壁画で眠りについてたのはこいつだったんだ」

「ではこれは」

「街を守るためのロボットだったんだとおもう」


驚くことをおっしゃります……。


「ま、まさか……失われし古代技術ロストテクノロジーですか!?」

「カミュー知っているの?」

「はい、実物は初めて見ますが…世界には稀に今の技術では作れないものがいくつもあるんです!そしてこれは人工歩兵オートマタ―だと思います!」

「動かせるの?」

「私では無理です!たしか今までに6体のオートマターが発見されていますが欠損なく見つかったのはこれが初だと思いますし、見つかった遺跡には謎の装置があったんですが動かし方すら発見されていません!」


マニアのカミューが瞳孔が開きっぱなしで興奮で小刻みに震えながら力説するほどの代物のようです。


「壁画をみてご理解できたタチバナ様ならきっとその謎もお解きになられるとおもいます」

「へ?」

「タチバナ様!ほんとうですか!」

「うぇ!?カミューさんおちついて!」

「お願いします!わかるのなら教えてください!教えてくださるなら夜伽でも姓奴隷でもなんでもしますから!」

「ちょ!」

「モネ、ルイ、レティー」

「「「はい」」」

「おねがいしま……うっ!」

「カミューさん!?」


氷のような目をしたナタリーの指示で3人がカミューの意識を刈り取りました。


「ダイスケ、カミューじゃないけどやれるだけやってみてくれないかしら」

「ええ…そんなこと言われても壊しちゃったら……」

「あなたにはお願いばかりしているけど、お願いできないかしら借りは返すから」

「はぁ~…借りなんていりませんよ……フィーネさんにそんな風に頼まれちゃったら断れないじゃないですか……」

「ダイスケ……ふふふ、ありがとう…今日の夜はたっぷりサービスしてあげるわ」

「ぶっ!そんなことしたら俺の方が払いきれないくらいの借りができちゃうじゃないですかっ!」

「あははははは!」

「もう!壊しちゃってもしりませんからね!」


照れ隠ししながら顔を真っ赤にし壁画や部屋をくまなく見始めました。

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