第76話
「ふぅ~…」
「皆様もうすこしお下がりください」
「まだ?」
「はい…タチバナ様はたぶんアレをなさるおつもりなので」
「あれってなに?」
「わかりませんが言われた通りにしたほうがよさそうです」
モネとルイが大丈夫だというところまでさがりましたがかなりの距離があります、何をなさるおつもりなのか…。
「はぁぁぁぁぁ!鬼神撃!」
『!!!!!!!!!!』
「うひぃぃぃぃ!!!!」
『……………』
クサビを思いっきり殴りその反動を使い回し蹴りで追撃する恐ろしい技で今までにないほどの広範囲を粉みじんに吹き飛ばしてしまわれました。
「タチバナ様大丈夫ですか?」
「けほっ!けほっ!う、うん……埃が口に…あ……服が……」
「召し物はしかたございません、レティーお口をゆすぐ水をタチバナ様に」
「……え?は、はい!タチバナ様!こちらをお使いください!それと濡れタオルです」
「ぺっ!ありがとうレティー、口がさっぱりしたよ……タオルはよごしちゃったごめんね?」
「いえ!お役に立ててなによりです!」
「あははは、レティーはいつもすごく役に立ってくれてるじゃない」
「はぁ~ん♡♡♡!!!」
汚れたタオルを抱きしめ腰砕けになったレティーに誰もふれることができません……なぜなら目の前に広がる光景があまりにも衝撃的すぎる……。
「な、なんですか?これ」
「温泉ですね」
「幻想的で綺麗ね……」
「鍾乳洞に棚のように温泉が張り巡らされているわね」
「ど、どうなさいますか?」
「カミュー、女将とガンホーをつれてきてくれるかしら」
「はい!」
カミューが我に返って駆け出しました。
「なっ!なんじゃこりゃぁぁぁぁ!!!」
「うわっ!?お、親方!おかみさんも!?」
「ダイスケ!これなんだ!?」
「温泉みたいなんですよ」
「はぁ!?」
「宿の裏山で岩場があるじゃないですか」
「お、おう」
「この棚湯からあふれた温泉がそっちに流れていると思うんですよね、ほらあそこ洞窟みたいなってますよね?あそこです」
「ガンホー、女将この温泉、管理をまかせてもいいわよね?」
「え?」
「管理費込みでそっちが8でいいわ」
「そちらが2割でよろしいのですかっ!?」
「ええ、ナタリーがそれで試算をだしているからかまわないわ」
「ここまでの道の整備や安全確保、維持管理費はそちらもちなら2割で十分よ」
「わ、わかりました……是非それでおねがいいたします」
「ええ、ナタリーとカミューで契約をまとめてね?」
「わかったわ」
「わかりました」
「では、話がまとまったのでしたら宿にもどりましょう、タチバナ様がお風邪をひいてしまいます」
「そうね、じゃああとは任せるわ」
「あなた、頼めるわね?私は契約を」
「おうよ!まかせとけ!……おい!ダイスケ!てめぇのせいで新年そうそうゆっくりもできねぇぜ!」
「え゛……すみません」
「がっはっは!年明けすぐにみんな仕事にありつけそうだ!感謝してるぜ!」
「ほっ!親方にまかせておけばいい感じになるの間違いないのでよろしくお願いしますっ!」
「がっはっは!おう!まかせておけ!」
上機嫌なガンホーに見送られ私たちは宿にもどりタチバナ様をすぐに部屋湯にぶちこみました。
「あ゛ぁ……冷えた体にしみるぅ゛……」
「お疲れ様でした」
「いやいや、モネちゃんもルイちゃんもありがとね、それにカミューさんもレティーたすかりましたよ」
私は上に報告、フィーネはカリンをつれてどこかにいってしまいナタリーは契約書の作成に没頭してますので4人にまかせることにしました。
「ご、豪華すぎません?」
「当宿からのささやかではございますが御礼にございます」
「へ?」
「あたらしい温泉は秘境の湯として売り出すことになり、あのように幻想的で素晴らしい温泉を当宿にお任せしてくださるお礼にございます」
「好奇心でやったことなので…そんな風にいってもらえると恐縮してしまいます…」
「まぁいいじゃない、とりあえず宿最後の夜に豪華な食事にありつけたんですもの、人の好意はありがたくもらいなさい」
「じゃ、じゃあ、遠慮なく…」
夕食の時間に今までよりも豪華で量もすさまじい料理の数々が並べられ宿の最後の夜を楽しくすごせそうです。
「最後に温泉にゆっくりつかりましょ」
「そうですね!この温泉のおかげか泊まった翌日から本当に身体が軽くて!」
「そういっていただけると嬉しく思います」
「最高ですよ!またいつか自分のご褒美に是非きたいですね!」
「いつでもお待ちしております」
「ありがとうございます」
女将も満面の笑みでタチバナ様に接しておいでです。
「ちょ!?フィーネさん!!水着はぁ!?」
「え?まだ乾いてないのよ」
「どうせ濡れるじゃないですか!」
「そうなんだけど濡れたのを着るの気持ち悪かったのよ」
タオル一枚でタチバナ様が入っている湯船に入ろうとしたフィーネに盛大に驚いておいでです。
「ふぃー!寒いですね!フィーネはやく入ってください!あとがつかえているんですよ!」
「ぶっ!カ、カリン先生!?」
「そうよ!さっさとしなさいよ!」
「ナタリーさんまで!」
「アリスは入らなくてもいいの?」
「狭すぎます」
「私がダイスケの上に移動してスペースをあけてあげましょうか?」
「タチバナ様がもちませんので」
「え?あら!ふふふふ、ならしかたないわね!」
「明日の朝、朝食を食べたら出発しますのでモネ達は準備を手伝ってください」
「わかりました」
一度あちらの世界の家にいき、もろもろと対応したあとタチバナ様がみつけた別荘に行く予定ですので色々準備をしなければなりません。
「それで…のぼせてしまったのですか…」
「ええ、もう今さらなのに元気なのところはみられたくなったみたいよ?」
「もう少し考慮してください」
「すみません!お薬と水分はとってもらいましたので!」
「私としたことが…」
「まぁいいです、いまのうちに全員に伝えておかなければならないことがあります」
タチバナ様がお眠りになられているのを確認したので今朝フィーネから言われたことを伝えました。
「なっ!?」
「そ、そんなぁ~」
「仕方ないですよ、こればっかりは!ということでナタリーとレティーは除外ですね!」
「そんなの納得できませんよ!ナタリー様もそうですよね!」
「そんなことはどうでもいいのっ!」
「え!?」
「どのようなことでもタチバナ様のお体のことでお役に立てないことが問題なのっ!」
「はぁ~仕方ないですねぇ…」
「カリン?」
「正直言えば、私とカミューだってそこまで吸い取れるわけではないですからね」
「た、たしかに…容量でいえばフィーネ先輩とアリス先輩がずば抜けてますし…モネとルイにもおよびませんからね」
「そうです、ですからこれは4人任せましょう」
「あら、カリンいいの?」
「ナタリーの言葉で目が覚めました私はダイスケさんの主治医です、その責務を一番に考えます…ただ」
「ただ?」
「4人が吸った後、ただの生理現象だった場合はナタリーをふくめて私たちに任せてくださいね」
「それならば…残念ながら確実にお願いすることになると思います」
「じゃあ問題ありません、あとは私が毎日体調のチェックをして差し上げればいいだけですから、皆もそれでいいですよね?」
カリンの言葉に全員がうなずいて納得しました、ナタリーがむきになっていたのは他のメンバーにまかせっきりで自分が役にたっていないとおもっていたからだと知り驚きを隠せませんでした、まぁ当面はフィーネたちに任せておけばよいでしょう。
「あら、私が先に結構吸い取ってあげたのに」
「も、申し訳ありません…」
「カミュー、レティー二人を各部屋でやすませてあげてください、カリン容体を見てください最悪朝食にまにあわずとも出発までに準備が整うようにしてください」
「ダイスケさんは問題ありませんし任せてください」
「じゃあ、私も朝食までに身支度とチェックアウトがすぐできるようにしてくるわ」
「そうね、アリス朝食までまかせるわ」
「わかりました」
遅めに朝食を頼んでおいて正解でした…しかし…このままというわけにはいかないようです、カリンとナタリーが一応掃除をしてくれたようですが…。
「タチバナ様、おきてください」
「ふぇ!?あ、もう帰る時間ですか?」
「いえ、ただ朝食前に身支度をなされてはいかがですか?」
「へ?えぇ!?な、なんでパンツが脱げてるのぉ!?」
「寝相が悪いからでは?」
「うっ…」
「とりあえず、せっかくですし最後の温泉を堪能なさっては?」
「そ、そうですね…あ、もうレイがはいってる」
「夜は肌寒かったですから」
「そうですか…じゃあせっかくだから…え…も、もしかして…」
「お時間がかぎられておりますので」
「す、すぐあがりますから!」
「時間の無駄です、すでに脱いでいるのとかわらないので急いでください」
「う、うぅ…はい」
「はぁ~…まずお体をあらってさしあげますのでこちらへ」
「は、はい…うぇぇぇ!?な、なんでアリスさんもヌイジャッテルノォォォ!?」
「水着はすでにしまってしまいましたから、そんなことより二人とも冷え切ってしまいます」
「うぅ…恥ずかしさがダンチだ…」
「なにをいまさら」
「うぅ…はぅぅぅぅ!!そ、そこわ!じぶんでぇ!!!!あふぅぅぅぅぅ!!!」
かなり搾り取られたというのに…この方は…はぁ~。
「うぅ…すみません…」
「生理現象ですのでおきになさらず」
「きにしますよ…もうお婿にもいけない…」
「はぁ~それはご心配なさらずともよいです」
「え?」
「そんなことよりもこの景色をご堪能なさってはいかがですか?」
「え?そ、そうですね…はぁ~綺麗ですね」
「はい、この景色を二人だけで堪能できるのは至極贅沢だと思います」
「そうですよね…アリスさん…ありがとうございます」
「なんですか?突然気持ち悪い」
「うっ!…俺の担当になってくれてですよ…多分アリスさんじゃなければこんなことにならなかったと思うんで」
「そうですか」
「はい、だから今年も一つよろしくお願いします」
「はぁ~…わかっております。ダメダメなあなたを私以外支えきれないでしょうからね…ふふふ」
「うっ!」
今年はどのようなことが起こるのか…この方と一緒にいると本当に退屈しなさそうです。
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