第71話

「ふむふむ…」

「どう?抜けそうかしら」

「よくわかりませんが、いつものよりは硬い気がしますね、ドリルが通ればいいんですが」

「どうぞ」

「モネちゃんありがとう…んーこの辺でいいか」


相変わらず適当に場所をお決めになりドリルで穴をあけてしまいました…超硬質のドリルの歯がボロボロになるほど硬い岩盤のようです…。


「おぉ…穴をあけてもびくともしない!…お?いつもより太い棒があるね、それを使おうかな」

「どうぞ」

「ありがとうルイちゃん…どれどれ…ギリギリ先っぽだけ入った…じゃあやってみますね!」

「お願いいたします」

「あの、タチバナ様はなにを」

「見ていればわかりますが、危険なのでもう少しおさがりを」

「え?は、はい」


おかみを連れて離れるとタチバナ様が集中しだしました。


「硬いってことはもっと細かく速く広がる振動…」

「す、すごい集中力ですね…」

「かっこいいです…♡」

レティーメス豚そんなことは皆様わかりきってます」

「ふぐっ!」

「しずかに…ダイスケが動くわ」


なにやらめをお閉じになっていたタチバナ様が眼を開けましたお考えがまとまったのでしょう。


「はっ!プルプル衝撃拳!」

『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

「うぉ!?あぶなっ!…お!?抜けた!ぬけましたよぉ!…って!あぁ…びちゃびちゃだ…」

「お、おつかれさまでした…すぐにお着替えを」

「はい!ああ、すみません汚しちゃって」

「いえ、宿のお役にたてたのですからお気になさらず」

「はい!」

「!…タチバナ様少々こちらにお見せください…カリン」

「………」

「カリン、きこえていますか?」

「へ?ええ、なんですか?」

「タチバナ様が少々お怪我を」

「えええ!?すぐに見せてください!」

「かすり傷ですから」

「ダメです!砕いた破片や粉が入っていたら大変です!お部屋に戻りましょう!」

「うぉ!?ちょ!うひぃぃぃぃ!!」


焦ったカリンが有無を言わせず引っ張っていってしまいました。


「さすがダイスケねぇ…まぁこれであとは撤去するだけでいいでしょ」

「そんなことよりお怪我が気になるわ!モネ!ルイ!タチバナ様のお着替えの準備をしてさしあげて!」

「はっ!はい!」


我に返ったナタリーはモネとルイを引きつ入れていってしまいました。


「女将、一応崩れないか調査するといいわ、ダイスケの技はどこまで強力かわからないくらい強いから」

「…へ?は、はい…もうすぐ来るらしいので主人にお見せします」

「それがいいわね、じゃあ私達ももどりましょ…いい気分だからもう少し飲むわ」

「あまり飲酒してからの入浴はすすめませんよ?」

「カリンがいるから大丈夫よ」

「はぁ~…では我々はこれで、カミュー、レティーもどりますよ」

「は、はい!タチバナ様のお世話をしなくちゃなりません!ここがご恩をお返しできるチャンスです!」

「はっ!カミューさんずるいですよ!私がタチバナ様の!!」


我先にと二人が向かいましたがカリンとナタリー、そしてあの二人によって近づくこともできないと思うのですが…。


「カリンどうですか?」

「砕け散った破片をご自身でも浴びてしまって細かな傷が右腕周辺からお体に少々ありました、あと崩れてきた岩があたったのか右肩に打撲と少々深い擦り傷があります、一応すでに処置は済ませました」

「そうですか、感謝します」

「いえ!私は主治医なんで!」

「あら、じゃあ入浴はひかえたほうがいいの?」

「今日一日は湯舟はやめた方がいいですね、それと右腕は使わない様にした方がいいともいます」

「そう…残念だわ…しかたないわ今日は気分がいいから私が洗ってあげるわ」

「い゛っ!?自分で洗えるから大丈夫ですよ!」

「フィーネ私の話を聞いていましたか?」

「え?」

「私は主治医なんですよ?私が主治医として洗います!傷口をいたわらなければならいので!」

「ダメよ、秘書として私が洗うわ」

「アリスさん!たすけて!」

「はぁ~…しかたありませ」

「アリス様に権利はありません、メイドとして私達がやらせていただきます」

「決定事項です…タチバナ様のお怪我がお治りするまで何人たりとも私達がちかよらせません」


モネとルイが独特なオーラと殺気を放ち始めました、カミューとレティーは顔を真っ青にしてすっと離れてしまいました。


「はぁ~…しかたないわね傷がなおったらゆっくり一緒に入るわ」

「フィーネ様ありがとうございます」

「いいわよダイスケですもの明日には治っているわ、カリンもナタリーも今日は二人に譲った方がいいわよ?アリスもそれでいいわね?」

「ぐっ!…一応お風呂上りに傷口をみせてください、それと明日の朝再度確認します」

「カリン様ありがとうございます」

「仕方ないわ、ただし明日も傷がお治りになられなかったら夜は私が付きます、いいわね?」

「わかりました」

「はぁ~…どうでもいいのですがお風邪をお引きになられるまえに汚れを落としてあたためてさしあげてほしいのですが」

「申し訳ございませんアリス様」

「かしこまりましたアリス様」

「え?え?で、ですから自分で…」

「テトもついて行ってあげてください」

「にゃぁ~ん」

「ロキおねがい」

「ワン!」

「ルフ無理しなくていいわ」

「レイちゃん!おねがいします!」

「失礼いたします!タチバナ様のお怪我の方は」

「かすり傷ですのでご安心を」

「念のために二人が入浴に付き添うってきかないのよ」

「え?それでは皆様で大浴場にお入りしては…」

「あっ!」

「そうね!その手があったわね、モネもルイもそれならいいでしょう?」

「タチバナ様を洗うのは私達です」

「ふふふ、それはそれでいいわよ。きまりね!女将、大浴場にシャンパンをよろしくね」

「かしこまりました」

「じゃあ、ダイスケの準備は二人に任せて私達も準備しましょ」


パンと手を叩きフィーネが仕切り直したので入浴の準備に向かう事にしました。


「えぇ!?皆さん水着なのになんで俺だけタオル一枚なんですかぁ!?」

「あら私たちの裸がみたかったの?脱ぎましょうか?」

「ぶっ!違いますよ!それなら俺も水着を!」

「タチバナ様の水着はご用意しておりません」

「え…えぇ…」

「まぁいいじゃない、さっさと洗ってもらいなさいよ、カリン足まではダイスケもつかっていいのよね?」

「はい、というより右腕と肩だけつけなければもう問題ないと思います」

「あら、さすがね。じゃあ二人ともちゃっちゃと洗ってあげて」

「かしこまりました、さぁタチバナ様こちらに」

「え?ちょ!二人とも!わ、わかった!わかったから離れてぇぇ!」


水着姿の二人に密着され顔を真っ赤にしながら照れるタチバナ様を二人は満足そうに椅子に座らせました。


「…カリン様」

「なんです?」

「思ったより傷口周辺の汚れがひどいのですが」

「え?傷口の洗浄はしっかりやったんですけどね」

「よろしければそこだけお手伝いをお願いしたいのですが」

「!!わかりました!まかせてください!」

「ぶっ!カ、カリン先生なんでそんな大胆な水着を!」


前をタオルで隠していたカリンが嬉しさのあまりタオルをとって向かうとビキニ姿のカリンを見て死にそうな声をあげています。


「え?に、似合いませんか?」

「いや、ものすごくかわいいですけど!目のやり場に!」

「え?ありがとうございます!ふふふ!お好きなだけ見てくださって構いませんよ!さぁ傷口をみせてくださいね!…えぇ…」

「どうなさいました!?」

「二人ともちょっとこっちに!」

「は、はい!」


二人をつれてカリンが一度もどってきました。


「タチバナさんの傷口なんですが…すでに皮膚がはられてきています」

「え!?」

「汚れだと思っていたのは古い角質とはがれたカサブタです」

「で、では…もう」

「はい…でもせっかくなので今日は私達で洗ってさしあげましょう!」

「じゃあ湯船も問題ないのね?」

「はい」

「なら急いであらって入れちゃいましょ」

「かしこまりました」


驚愕の回復力です…またレベルが上がっているのかもしれません…。


「おまたせいたしました」

「私が髪をあらいます」

「私はその間にお背中を」

「私が傷口をあらってさしあげますね!」

「さ、三人同時!?」

「タチバナ様頭をこちらに」

「へ!?ちょ!モネちゃん頭に胸が!」

「タチバナさん動かないでください!もう!えい!」

「ぶっ!カリン先生!どこに手をはさんで!!」


胸で頭を固定し髪を洗うモネと暴れるタチバナ様の腕を股で挟んで固定し傷口をあらうカリンにタチバナ様は限界を迎えようとしています。


「テト、タチバナ様を部屋へ」

「ガルゥ」


限界を迎え目を回してしまったタチバナ様をテトが背中に乗せ部屋へ運びました。


「やりすぎです、私は着替えてきますので二人はタチバナ様をみててください」

「もうしわけありません…」

「かしこまりました」


申し訳なさそうな二人を残し着替えることにします、きっと戻るころにはナタリーとカリンもいるはずですし大丈夫でしょう。


「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

「!?」


着替えを終えると同時にタチバナ様の悲鳴がきこえました、なにがあったのでしょう…。


「どうなさいました…か」

「タチバナ様!…え…」

「ダイスケどうしたの?あら」

「タチバナさ…えぇぇ!」

「タチバナ様!?ふぇ!?」

「はわぁぁぁぁぁ!お、お二人はなにを!?」


タチバナ様のお部屋にいくと全裸のモネとルイそして真っ赤な顔で鼻血を噴出して倒れてしまっているタチバナ様がおりました。


「あなた達なにをやってるのよ!」

「そんなことよりもまずはカリンご容態を」

「へ?は、はい!」

「二人とも随分と大胆な事したじゃない」

「違います、タチバナ様がお目を覚まされる前に着替えようと」

「だからってこんなところで!」

「目を離すことができませんので」

「はぁ~…二人で交代で着替えるということは考えなかったのですか?」

「「あっ…」」

「はぁ~…とりあえず二人は着替えを」

「はい」

「カリン容態はどうですか?」

「出血も止まりそうですしのぼせた様になってるだけで時期に目を覚ますと思います」

「そうですか、カミュー、レティー」

「はい?」

「なんでしょうアリス様」

「タチバナ様のお顔を拭く物と新しい寝具、それと額を冷やすものがほしいのですが」

「はい!すぐにご用意いたします!」

「少々おまちくださいませ!」


二人は競い合うように向かってくれたのですぐに来てくれるでしょう。


「もうしわけございませんでした」

「やってしまったものはしょうがないわ」

「…はい」

「けど今日は二人とももうダイスケに近づいちゃダメよ?」

「「!!!!!!!」」

「しかたないでしょ?ダイスケなのよ?目を覚まして二人を見たら思い出してまた倒れちゃうわ」

「!!!!!」

「フィーネ先輩!それでは私が」

「カリン、ナタリー頼めますね?」

「お任せください!」

「当然よ!」

「あらアリスはいいの?」

「温泉の洞窟がどうなったのか確認してまいります」

「そう、じゃあ私は部屋に戻るわ!今日も楽しかったし満足よ!」


すごく満足そうな顔をしてレティーとモネとルイをひきつれフィーネが返っていき私はカミューを連れて女将を尋ねることにしました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る