第68話

「二人ともよく耐えてくれました、王妃様はご無事ですか?」

「ええ!」

「はい!」

「二人には感謝してもしきれないわ」

「あらあなた達、こんな狭い廊下でそんな風に居て大丈夫なの?」

「なんだと!たったそれだけの人数で!多少俺らを倒したからと言って調子に乗るなよ!」

「忠告はしたわよ?ダイスケ」

「はい?」

「ご丁寧に敵がに並んでくれているわよ?」

「え?ああ、じゃあこいつらにはとっておきの一撃をくれてやりますよ!」

「え!?烈震でも波断掌でもない!?」

「今撃てる最強の一撃をくらいやがれぇ!奥義!プルプル衝撃けー-----ん!!!」

「ぐはっ!」

「な、なんだ!?うぎゃぁぁぁ!!」

「ぐっはぁ!!」

「なっ!?なにがおこっているの!?」

「ダイスケの攻撃は波となりすべてに伝わるのよ」

「え゛……」


衝撃的なネーミングと威力により王妃様の部屋へ押し入ろうとしていた敵の大半がタチバナ様のたった1撃により吹き飛んでしまいました…。


「アンリさん!レティー!大丈夫ですか!」

「ええ!大丈夫よ!」

「はい!」

「よかった!王妃様もご無事で!」

「ええ、ありがとう助かったわ」

「じゃぁ、そろそろ主役に会いに行きましょ」

「ええ」


フィーネの言葉に王妃様の表情に緊張がみてとれますがライン様の元に全員でいくことになりました、エミリー様を呼ばなかったのは何か意図があったのかフィーネでなくてはわかりません。


「おぉ!さすがザイードさんだ!」


ライン様の元へいくとザイードが指揮をとり敵と対等に戦っていました。


「感心してねぇで手伝えこの馬鹿が!」

「は、はい!」

「盾をくずせ!」

「わかりました!波断掌!!!」

「よぉーし!くずれたぞ!おせぇ!」

「はい!」


私たちに気づいたザイードの指示でタチバナ様が参戦なさると一気に形勢はこちらがわに傾いていきました、やはり無手なのにもかかわらずあの攻撃範囲は異様であり脅威なようです。


「さっさとかたずけて、逃げられるわよ?」

「ちっ!簡単にいいやがって!」

「にゃぁ~ん?」

「ああ!テトすまねぇな!助かるぜ!」

「ガォーン!」

「なっ!?クトゥールだと!?」

「タチバナ様お急ぎを」

「わかってますけど!次々と!」

「それだけ敵も密集なさっているのであれば色々やれるのではないですか?」

「あっ!そっか!いくぞ!我が奥義をくらえぃ!!プルプル衝撃拳!!!」

『ぐわぁぁぁ!!!』

「………………」

「すごい!すごいですよ!タチバナ様!」

「おぉ!ダイスケ!やるなっ!いまだ!相手が混乱しているぞ!いっきにケリをつけろ!」


ナダンが興奮する中、ライン様がサーベルをかかげ命令すると息を吹き返したライン様の兵たちが次々と敵を倒していきました。


「アンリ、ザイードとともに王妃とラインをつれて馬鹿王の元にいきましょう」

「え!?フィーネ!呼び捨てはまずいんじゃない?」

「かまいませんよ」

「ええそうですね、それより父上に会いに行きましょうか」

「まさか…国王が…」

「それを確かめに行くんですよ、行きましょう」


ラインの言葉にアンリは盛大に驚いております…まさか国王がクーデターに加味しているのでしょうか。


「父上はいります」

「なに!?」

「まって、ダイスケ樽の後ろだけ壊したあの技をドアにやって」

「え?わかりました…ふんっ!」

「ぐはっ!」

「!?」

「待ち伏せよ」

「実の息子にそんなことしちゃうの…」

「入ってみましょう」


フィーネが無造作にドアを開けると部屋の真ん中まで吹き飛んだのか兵が3人意識を失って倒れており、国王と宰相が真っ青な顔でその光景をみていました。


「あなた…」

「父上…やはりでしたか…」

「ひぃ!な、なんのことだ!?」

「おおかたそこのハゲにうまい事のせられてたんでしょ」

「なっ!貴様!」

「ザガンドを襲ったのもてめぇらか…?」

「そ、それは余ではない!」

「国王様っ!」

「あっ!」

「んじゃ、なにならやったんだ?」

「ひぃ!」

「父上、兵を呼んでも無駄です…応援もきませんよ」

「なっ!?そんな馬鹿な!」

「本当よ」

「すべてこちらにいるタチバナさんがたいおうしてくださったのよ…」

「まさかそのように冴えない男に!?」

「くっ!…」


驚愕の表情でタチバナ様をディスっておいでですがタチバナ様がダメージをお受けになっている後ろでどんどん殺気が高まっていることにあの馬鹿王はお気づきになられておりません。


「はぁ~…やはり馬鹿王ですね…」

「な、なんだと!貴様無礼にもほどがあるぞ!」

「お母様!」

「エミリー!?なぜここに!」

「私が式を飛ばしてよんだのよ」

「え!?どういうこと!ここは危険よ!」

「ダイスケのそばが一番安全だからよ…それにカミュー二人は動いたのね?」

「はい!ロキとレイをそれぞれ引き連れてむかいました!」

「そう、ならそろそろ来る頃ね」

「フィーネなにをいってるの?」

「役者はすべてそろってこそだと思うのよね…来たようよ」

「くっ!放せ!わたしをだれだとおもっているのだ!」

「いたっ!乱暴しないで!私はこの国の第1王女なのよ!」

「フィーネ様おまたせいたしました」

「そんなにまっていないわ、二人ともお疲れ様…さぁこれでいいわ!ああ、ちなみに二人の母親は私が閉じ込めてあるから安心してちょうだい」

第2王子ダイン第1王女ルージュ…」

「気安く私の名を呼ぶな!」

「さぁ、はじめましょうか…」

「な、なにをだ!」

「そうねぇ、まずはじめにザガンドを手に入れるためザガンド軍隊長カザンドの虎を国からおいだして無力化したことからにしましょうか」

「し、しらん!」

「ねぇ?頂いてもいいかしら」

「ええ…かまわないわ責は私が取ります」


王妃がうなずくのをみてフィーネはモネが押さえ込んでいるダインの額に左手をあてました。


「そう…」

「くっ!はなせ!」

「フィーネ」

「ええ、特別にタダできかせてあげる…まず、ザイードを追い出したのはジャワンの力を借りたこの第2王子おばかさんよ」

「!!!!!」

「カザンドの中にも協力者がいてこの国がザガンドを手に入れるためだったのよ、そしてあなたの妻子をさらうように指示したのはそこにいる宰相はげよ」

「……………」

「実行したのはジャワンって感じね」

「何を証拠に!」

「そこのお馬鹿な第2王子の記憶を見たのよ」

「なに!?そんな戯言を!」

「あら、あなたたち私を知らないの?」

「しるわけないだろう!」

「はぁ~…ごめんなさいね?フィーネ」

「いいわ、あまり好きじゃないけど私の通り名をおしえてあげる」

「通り名だと!?」

「私は冥府魔道の王…冥王フィーネ」

「!!!!!!!!!!!!!!」

「ま、まさか…ほ、本物なのか?」

「失礼ね、証拠をみせてあげましょうか?」

「ひぃ!!」


馬鹿王などは恐怖の顔をはりつけているようにおびえております…。


「ダイスケ…おどろいたでしょ?」

「え?ええ…さすがに驚きました」

「……そうよね」

「ええ…まさかフィーネさんにそんなかっこいい二つ名があるなんて!」

「え!?」

「冥王…なんてかっこいい響きなんだ…どうりであんなかっこいいやつ色々使えるはずだ…」

「タ、タチバナさん…」

「ぷっ!あはははははは!!!ありがとう!あはははは!!」

「えぇ…そんな笑われることぉ~?」

「ふふふ、ごめんなさいね?…というわけで…私が視たっていうだけで証拠になるのよ、おわかりかしら?お馬鹿さん達」


厨二病を拗らせ気味のタチバナ様は羨望のまなざしでフィーネをみています…そして上機嫌なフィーネが勝ち誇ったように言っています、よほどうれしかったのでしょう。


「それでも信用できないならしかたないわね、自分の口で色々話してもらうわ」

「誰が!」

「カリン出番のようよ?」

「おまかせください!モネ、そこのお馬鹿のお口をひらいてください」

「はい」

「なっ!?や、やめ…ぐふぅ…がぁぁぁぁぁ!!!」

「ひぃぃぃ!!!」


カリンの薬を飲まされ苦しむ馬鹿王子をみてタチバナ様が悲鳴をあげております…誰よりも早く…。


「ついでにそこのお馬鹿な王女様にも飲ませてみましょうか」

「ひぃ!や、やめ…んぐっ!…あ゛ぁぁぁぁぁぁ……」

「うひぃぃ!!!」

「カリンやりすぎじゃない?ダイスケのが刺激されたんじゃないかしら」

「タチバナ様!だいじょうぶですよ!」

「うぷっ!」

「ザイードさんお薬が効いたみたいですよ」

「…あ、ああ…」

「私がきいてあげましょうか?」

「い、いや…いい…俺が聞く」

「そう」

「お前が指示して俺の妻と娘をさらってったのか?」

「ンギギギ…それは……わたしではない…宰相がジャワンに依頼した」

「なぜだ」

「貴様が…いたら…外からも内からも国を崩すことができないと判断したからだ…ザガンドの内戦をおさめる手助けをしてルージュを嫁がせる予定だった…失敗はできない…」

「上手くいったのか?」

「ダメだった…邪魔したようでザガンドを崩すことはかなわなかった」

「じゃあなんで妻と娘を…」

「貴様が…国にもどるのを防ぐためだときいた」

「う、うそだ!戯言だ!」

「うっせぇよっ!」

「ひぃ!」

「嫁と娘を殺したのは宰相でまちがいないんだな?」

「貴様の…嫁と娘は…殺されていない」

「ど、どういうことだっ!」

「じ、自害したと…聞いた…」

「な、なん…だと…」

「本来なら…人質として貴様を呼び出し手出しできぬ状態で始末するはずが…貴様の…足を引っ張るくらいならと…自害したと報告を…」

「!!!!!!!!!!!!!!!!」

「義理姉さん……………」

「王妃…いいのよね?」

「ええ、ライン?」

「はい…宰相ダムズ…国家転覆幇助の罪…並びに背信の罪により第1王子ライン=ライオネルの名のもとに極刑と処す!」

「なっ!国王でもない貴様がなにを!」

「今この場でその男は国王ではなくなった!」

「なっ!余はこくお」

「国の転覆を試みる王などいない!」

「ぐっ!」

「ザイード!刑の執行の任を命ずる!」

「……ありがたき幸せ…」

「くっ!くそ!!」

「無駄な抵抗をなさらぬよう…これ以上刺激なさってはがきかなくなりますよ」

「なに!?」

「ふぅ~ふぅ~ふぅ~!!!」

「タ、タチバナ様落ち着きを…大丈夫ですから…大丈夫です」

「タチバナ様、これはザイードの悲願です、邪魔をなさらぬよう」

「ふぁふぁってまふ!」


ナタリーの胸に顔をうずめながら怒りに震えるタチバナ様がなんとか正気を保っている間にケリをつけてほしい…。


「ザイード、アンリ…この場にいる誰であれ抵抗するもの邪魔するものは容赦なく排除してかまわん!私がゆるす!」

「へっ!…あんたいい国王になりそうだな…」

「そうね…ダイスケの次くらいにはいい男ね」


今までみたことがないほどの怒りの闘気みなぎらせ今までみせたことのない深紅に輝く赤い剣をザイードがぬきました。




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