第66話

「ダ、ダイスケおめぇやりすぎだっ!」

「す、すみません!」

「がっはっは!これじゃぁ年越しどころか年明けも仕事にありつけちまうじゃねぇか!」

「えぇ!?」

「これだけ掘れちまったら穴に補強もいれなきゃならねぇ、他のところも仕事にありつける!でかしたぜ!」

「ほっ…喜んでもらえて安心しましたよ…」

「がっはっは!わるかったな!また頼むぜ!」

「ぜひぜひ!また声をかけてください!」

「おうよ!」


上機嫌の親方が評価をしてくださいましたが…SS…タチバナ様が受けるまで全然掘り進めることができなかったほど硬い岩だったそうです。


「お疲れ様でした、ナタリーがあとは報告致しますので戻りましょう」

「そうですね!早く終わってしまってナタリーさん忙しくなっちゃいますけどお願いしましょう」

「はい」


あのパンチは…ザイードとアンリに報告しなければならないでしょう…。


「アリシア報告に来たわ」

「ええ、タチバナさんのね?」

「当然でしょ、これが依頼書よ」

「確かに受け取ったわ…え!?」

「なに?」

「ひょ、評価がSSなんだけど!」

「ええ、そうね」

「なにをやればそうなるのよ!ただの採掘なのよ!?」

「しらないわ、それはあなたが調べることでしょ」

「あの親方なら不正なんかしないはずだけど…なにかやってるわけじゃないでしょうね」

「はぁ~…そう思うなら色々気が済むまで調べればいいと思うけど…私言ったわよね?」

「え?…」

「あの方に失礼なことをしたら私が絶対ゆるさないって」

「グルルルルル」

「!!!!!…わ、わかっているわ」

「ならいいけど、を敵に回したいなら好きなだけ難癖つけてきてかまわないわ」


相変わらず失礼なやつ…タチバナ様が不正なんてするわけないじゃない…危なく殺すところだったわ!ロキが怒るのも無理ないわよね!


「ま、マジか…」

「はい、体をお開きになり完全に腕と体を一直線上にしたパンチでした」

「貫通力をもって振動させる拳ってこと?」

「はい」

「そ、そんなのどうやって打つのよ」

「不明です…以上が私が見たなみなみ掌底改となみなみパンチという非常に残念でとんでもない威力をもった技でした」

「………おめぇいい加減…技名つけてやれよ…」

「見てないんだから無理よ」

「アリス…がんばれよ…」

「……善処いたします」


はぁ~…技が強烈なだけに…ぐったりします。


「そんなにすごい技だったのね」

「ええ」

「丁度良かったわ」

「どういうこと?」

「モネ、ルイ、レティー全員を急いでよんできてくれる?」


カリンとともにフィーネの元にいきタチバナ様のことをつたえおえるとルフを優雅に撫でながらフィーネが全員を集めました、なにかあるということなのでしょう。


「フィーネ様全員お集まりいただきました」

「ありがとう、早速で悪いけどザイード、ナダン、アンリ戦闘準備をしてくれるかしら?」

「あぁ!?」

「え!?」

「ちょっとどういうこと!?」

「ルフが騒いでいたから調べたのよ」

「答えになってないわ!」

「ルフはテレゴノシスなのよ?」

「千里眼ですか」

「そういうこと」

「随分休じゃねぇか、んで?どこで誰と戦うんだ?」

「城での敵とよ」

「!?」

「ま、まさか…」

「うまくいけば一気に黒幕に近づけると思うの」

「………………」

「ザイードさん?」

「ふ、震えがとまらねぇ…タチバナに…感謝しなきゃならねぇな…」

「兄さん……」

「わかったら急いでもらえる?」

「あたりめぇだ!ナダン戦闘の準備をしろ!」

「は、はい!」

「アンリてめぇは姫を守る準備だ!」

「え!?私だって!」

「馬鹿か!姫の所に敵は必ず行くんだよ!」

「!!! わかったわ!」

「レティー!てめぇもだ!」

「はい!」

「おい!カミューポンコツ!おめぇは馬車の準備だ!」

「え!?ポンコツってもしかして私ですか!?」

「おめぇ以外いねぇだろうが!いそげ!」

「カミュー、ザイードの指示に」

「くっ!わかりました!」

「全員10分で用意しろ!…アリス!タチバナあいつも来るんだろうな!」

「安心しなさい、必ずいくわ」

「わかった!じゃあ俺もいくぜ!」

「ザイード、ナダン、2人には足の速い馬を用意してあるわ」

「さすがだぜ!」


ザイードが興奮したようにニタリと獰猛な顔をうかべ準備に向かいました。


「ちょっとフィーネ!危険でしょ!」

「ダイスケが自分で姫をまもるって決めたじゃない」

「そうだけど!」

「レイちゃん危険ですが皆を守るのを手伝ってください!」

「フゥ!」

「カリン!?」

「私は色々なお薬などを用意しますのでこれで!」

「ちょっと!」

「ルフ、視えたらおしえてね?私も準備をするわ」

「ホォ!」

「私たちはタチバナ様のご準備をしてきます!」

「ええ、いきましょうモネ」

「テト」

「なぁ~♪」


私も準備をしましょう……。


「な、なんか動きづらい……」

「我慢してください」

「はい」

「タチバナ、いけんだろうな?」

「大丈夫です」

「へっ!いっぱしの面になったじゃねぇか…しくじんなよ?」

「ザイードさんこそ張り切りすぎて空回りしないでくださいね?」

「はっ!誰に言ってんだ?」

「王妃様へは」

「式をとばして知らせてあるわ」

「いつくるの?」

「早ければ今夜、遅くても明日ね」

「そう、ロキおねがいね」

「ワン!」

「王妃様もライン様もエミリー様も守らなきゃ」

「ここを乗り切っていい年越しを過ごしたいわね」

「そうですね」


物々しい装備をみてタチバナ様のスイッチが入り始めています…適応者となったタチバナ様のお力を垣間見れるのかもしれません……。


「失礼するわ!」

「流石に早いわね」

「あんな連絡がきたら当然じゃない、フィーネほんとうなの?」

「ええ、ルフがとらえているわ」

「そう」

「宰相が裏で手を引いているし第二王子の権限ですんなり国にはいってきているようよ?」

「くっ!なんとしても尻尾をつかまなきゃ…証拠がないわ……」

「だから来たんじゃない」

「え?」

「あなたっていうよりエミリー様にはダイスケがついてるのよ?」

「エミリーの引き合わせに今ほど感謝したことはないわ」

「それはまだ早いわよ」

「それで肝心なタチバナさんはどちらに?」

「ザイードに自身がデザインしたグローブをお見せしに」

「そうですか…なにかすごそうね」

「すごそうじゃなくてすごいらしいわよ?」

「え゛…」


フィーネの言葉に何をご想像なさったのかわかりませんが、随分と王妃様は顔色をわるくさせてしまいました。


「アリスさん」

「おかえりなさいませ」

「タチバナさんこの度はご尽力感謝いたします」

「え?あ、とんでもございません!えっと…王妃様ご無沙汰しておりますです!」

「はぁ~…王妃様もうしわけありません」

「いえ、おかわりなく嬉しいわ」

「それで何用でしょうか」

「ああ、ルフが敵がいるところがわかるっていうんでこれからザイードさんたちと一緒に会いに行ってみようと思うんで一応知らせに来たんですよ」

「え?」

「へ?」

「は?」

「んん!?」

「ふぇ!?」

「ご、ごめんなさい?今タチバナさんは何をおっしゃったのかしら?」

「……もうしわけございません…もう一度おっしゃられてくださいますか?」

「ルフがみつけてくれた敵に会いにこれからいってきます!」

「…………ちなみに…相手はどれほどいらっしゃるのですか?」

「5~60人くらいはいるんじゃないですかね?なんか先発隊っていうのじゃないかって話ですから」

「タっタチバナ様!危険すぎます!」

「…………勝算はあるのですか?」

「それなりにあります!ザイードさんに新秘密兵器をみせたらいけるっていってくれたんで!」

「タチバナ…その新秘密兵器ってみせてくれることはできるかしら」

「いいですよ、これです」

「これは?」

「カプセル弾です!かっこいいでしょ?」

「この小さな玉を投擲なさるのですか?」

「そうです!これ艶消しの黒なんで夜は見えませんしね」

「そ、そうですか」

「はい、けどそれだけじゃないんですよ!こいつじつは当たると割れるんです!」

「割れたらどうなるんですか?」

「中身は毒百合のエキスたっぷりで」

「え…………」

「さらにトゲトゲした金属製の弾がはいってるんで刺さるんですよ!」

「…………そ、そう……」

「また鳥に襲われた時に使おうと思って作っておいたんですよ」

「な、なるほど……」

「グローブとブーツもばっちりだって言ってもらえたんでちょっといってきますね!」

「…………わ、わかりました」


もう頷くしかありません…ほかに4匹も一緒についていくようなので…まぁ大丈夫でしょう…。


「ぬかるなよ?おめぇらわりぃがこいつらの面倒もたのむぜ?」

「ホゥ」

「にゃぁ~」

「ワン」

「フゥ!」

「あは、あははは…足を引っ張らないようにがんばります…」

「今回は味方なのが心強いです…」

「ホゥ」

「そろそろみたいよ」

「何人か残しときゃいい、あとは全部仕留めるぞ!」

「ここで食い止めなきゃ何人関係ない人を巻き込んじゃうかわからないわ!」

「テト!ロキ!ルフ!お願い!」

「ガルルルルル!」

「ワォーーーーン!!!」

「ホォーーーー!!」

「レイ!何かあったらお願いね!」

「フゥ!」

「よぉーし!いくぞ!」


ルフたちが敵をあぶりだしてくれるはずだ!そこを狙い撃つぜ!


「タチバナ!やれ!」

「はい!」

「す、すごい…」


未だにきっついけど!やらなきゃ皆やられちゃう!…向こうもそう思ってるだろうしどっちもどっちだって割り切れ俺…………!


「タチバナ!撃ち方やめだ!」

「はい!」

「よし!全員死角を庇いあえ!いくぞ!」


ザイードさんが剣をかかげた!つっこむぞ!


「レティー!アンリの死角をまもれ!ナダンは俺とこい!」

「「 はい! 」」

「テト!タチバナは任せるぞ!」

「ガオォー!!!」

「こっから先はいかせるな!」


やっぱザイードさんとアンリさんは半端ない!それとロキとテトめっちゃ速いな!


「へっ!今のこの面子にゃぁ人数がたりなかったようだなぁ」

「ザイードさん拘束おわりました」

「こちらもです!」

「おう!んじゃルフ!ケツ持ちはたのむぞ!」

「ホォ!」

「よし!撤収だ!」


あれからあっという間に敵を倒して10人くらいザイードさんの剣で麻痺してるのを拘束した、レティーちゃんと死体を通称フィーネ袋にいれて城にもどることにした。


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