第65話

「それではみなさん来年も一つよろしくお願いします」

『はい!』


皆が仕事にきてくれて早1か月…12月20日でうちは仕事納めらしい…。


「いやぁ~完全にこっちに出向してるから業務日もこっちに合わせていいって言われたのはラッキーだったわ!」

「お休みの日もこちらを使わせていただけるのは本当にありがたいですが…本当によろしいのですか?」

「ええ、構いませんよ」

「うちのフリースペースってマジで神設備よね!」

「ええ、綺麗で広いお風呂まであるしね」

「私は子供用に個室を設けていただいて…モニタリングできるので…仕事中なにかあっても常に見れるのはありがたいです」

「飲み物もフリーですし…おしゃれなティーもあるし」

「そうね、業務の進捗状況を全員で調整して来年からは勤務時間なんかもある程度融通が利くようになりそうですし」

「女性が多いから仕事に専念できるし」

大輔社長が週に1回はデリバリーだけど差し入れくれるしね!」

「ひと段落ついたあとに差し入れでお疲れ会をひらけるのはたしかにありがたいわ」


みんな嬉しそうに仕事してくれてよかった…。


「あ!そうだ!忘れてた!」

「なに?」

「俺からみなさんに少し早いですがクリスマスプレゼントがあるんですよ!」

「え!?マジ!やったぁ!」

「まずはナナちゃんから!」

「え!?む、娘にまで!」

「本当はサンタさんの格好をしてあげたかったんですがまたの機会で、はいどーぞ」

「ナナありがとうは?」

「もーも」

「はい」


どーもっていいながら膝をまげてペコって挨拶するのめっちゃ可愛いんだよねぇ!


「デレデレね」

「ふふふ、そうね」

「それと、お仕事と育児も沢山がんばってるお母さんにも、はいどーぞ」

「え!?あ、ありがとうございます…」

「ふぁ!?な、なぜゆえ!?」

「そ、そんな風にほめていただいたり…いたわっていただいたことがないので…つい…うぅ…」

「そ、そんな!たいしたものじゃないんで…そんな感動されると…中身をみられたあとガッカリされるんじゃ…」

「ふふふ…大丈夫です…お心遣い…ありがとうございます」

「い、いえ」

「大輔!次わたし!」

「え?ああ、じゃあ田中さんにはこれです!」

「お!?重い!なにこれ!」

「ちょっと!のりこ中身を聞くのは失礼でしょ」

「いや、かまいませんよ、お酒とおつまみのセットです」

「マジ!?最高じゃん!!」

「近江さんにはこれを」

「ありがとうございます」

「鈴木さんはこれを」

「ありがとうございます!」

「中野さんにはこちらですね」

「ありがたくちょうだいさせていただきます」

「登坂さんはこれ」

「ありがとうございます」


多田さんに泣かれるとはおもわなかった…なんだろ…もっといいものにしたらよかったか…。


「どれどれぇ!」

「ちょ!のりこここであけるの!?」

「ちらっとみるだけ!って!おぉぉぉお!!!」

「なに!?田中さんどうしたの!?」

「ぷ、プレミアついてるワイン赤と白!それとめっちゃいいチーズと真空パックになってる牛肉のステーキ!!!」

「え!?」

「大輔!このワインめっちゃ高いんだよ!?い、いいのぉ!?」

「え?気に入ってくれたのなら全然いいですよ!」

「太っ腹すぎる!!」

「のりこそんなにすごいの?」

「すごいなんてもんじゃないわよ…あとで値段おしえてあげるわ」

「多田さんのはなんですか?」

「え?あけても?」

「いいよ!いいよ!うちの社長はそんな細かいこと気にしないから!」

「田中さんの社長は徳永様でしょ」

「細かいことは気にしない!さぁ!なにかな?」

「ふふふ、立花社長では失礼して…え?」

「なになに!?」

「か、金沢の超高級旅館宿泊券が」

「へ?」

「ご両親とご一緒にどうぞ、いい年越しを」

「そ、そんな!こんな高級な!」

「皆さんのおかげで沢山仕事こなせましたから少しだけでも還元です」

「超ラッキーじゃん!」

「で、ですが!」

「大丈夫ですよ、皆さんだいたい同じ金額のものなんで差はなんてありませんから」

「え…で、では私は…ふぇ!?」

「みのり!?」

「ふぁ!?」

「へ!?」

「うひぃ!?」

「ちょ、ちょっと!みんな何が入ってたのよ!」

「わ、私はずっとほしかったメーカーの数量限定コラボ時計が…」

「私はずっと行きたいと目標にしていた赤坂の高級料亭の食事券…」

「超超人気高級エステ…無料回数券…」

「中野さんは?…え?鍵?何の鍵?」

「………バイクです」

「え!?」

「た、立花社長…このキー……もしかして」

「今日の朝、納車してありますよ!あとは任意保険があれば乗れるらしいですよ」

「み、みてきます!!!!」

「ちょっと!私もみたい!」


多田さんまでナナちゃんをつれていってしまった……。


「立花社長…一生ついていきます」

「ぶっ!?きゅ、急に何を!」

「あのバイクは…あまり人気はないのですが…個体数がすくなくて…あそこまで綺麗な個体を私はいままでみたことがありません…給料天引きでかまいませんのであれをお譲りください!」

「ちょ!おちついて!あれは中野さんへのクリスマスプレゼントですって!」

「ほ、本当によろしいのですか!?」

「ええ、俺バイクの免許はありますが乗らないので」

「もったいない!今度ぜひツーリングにいきましょう!」

「え?ええ、機会があれば色々おしえてください」

「おまかせください!」


い、いがいだ…一番おしとやかにみえる中野さんがあんなにバイクが好きなんて。


「はぁ~…夢のようだわ…私立花社長の元にこれて本当に幸せよ」

「な、中野さんバイクが趣味だったんですね…以外ね」

「そうね、あんなほっそくておしとやかなのに」

「そうでもないのよ?革ジャンに革パンでバリバリのロックきいてバイクにのってるのよ」

「えぇ!?以外!」


みんなの新たな一面を垣間見たよ。


「しゃ、社長ほんとうによろしいのですか?」

「ええ、地下の駐車場はみなさん自由に使ってもらって構いませんよ」

「使用料は…」

「いりませんって、ただ車1台分あけてもらったらたぶん来客がきても大丈夫でしょ」

「10台以上とめれますし、奥に倉庫と管理人室みたいなものもありましたよ?」

「ああ、前は管理人さんを住み込みで雇っていたらしいですね2DKだって言ってました」

「!!!!……しゃ、社長……」

「中野さんどうしたんですか?」

「私をそこにすまわせていただけませんか!」

「へ?」

「お家賃はきちんとお支払いします!ただ私の車とバイクを駐車場にいれさせてください!それと倉庫に整備どうぐなんかも!」

「ちょ!お、落ち着いてください!ナタリーさんに聞いてみますんで」

「ありがとうございます!」


すげぇ勢いだから……とりあえず電話を……。


「というわけなんですが……」

「わかりました、少々おまちください……許可がおりました、家賃は不要で光熱費等だけお支払いいただければかまいません」

「わかりました」

「社長!?」

「許可がおりました、家賃はいらないそうで光熱費とかだけ払ってほしいそうです」

「よ、よろしいのですか!?」

「ええ、あとの細かい条件等はたぶんナタリーさんから後日くるとおもうので部屋が使えるようでしたらもういつ来てもいいんじゃないですかね」

「ありがとうございます!!!」

「えぇ~中野さん超いいじゃん!通勤しなくていいなんて!」

「そうですよね!」

「たしかに羨ましいです」

「うっ、すみません…けど駐車場に並ぶ愛車を常に愛でながら暮らせると思ったらつい…」

「まぁ、思わぬ一面がみれたからいいわ!」

「ふふふ、そうね!それに地下の部屋はあまり光が入らないし」

「一応、採光はしているみたいですけどね……駐車場が目の前だとさすがにナナちゃんがあぶないんで」

「そうですね」


そのあとは楽しく食事をして全員タクシーで帰ってもらった。


「じゃあ、私たちも前から予定していた温泉に行く準備をしましょうか」

「そうですね!」

「年越しは向こうで過ごすことになりますのでそれまではクエストをこなしてください」

「おぉ!久しぶりのクエストですね!」

「では明日からということで」

「はい」


他の従業員のことも加味しながら今後のこともきめなければなりません。


「おう!ダイスケ久しぶりだな!」

「親方!お久しぶりです!」

「今年最後の大仕事だ!またガッツリたのむぜ!」

「がんばります!」


クエストを再開したとたん採掘場からの依頼が舞い込んできました、よほどタチバナ様の採掘は効率がよいのでしょう。


「アリスさんもう少し離れてください」

「かしこまりました」

「んー…どの辺にあけたらいいかなぁ……」


フィーネからどのように岩を砕いているか見たほうがいいと言われたのでついてきましたが先ほどから岩をみながらコンコンと叩いてなにかをさがしているようです。


「ダメだ、やっぱよくわからないや…勘で……この辺だな!」

「…………」


雰囲気だけベテラン職人気取りだったようです…。


「このドリルでここに穴をあけてっと……あとは棒を刺して……ふぅ~」

「…………タチバナ様……もしかしてその棒を」

「え?」

「い、いえ」


タチバナ様にお願いされて改良したグローブを意気揚々と装着なさっていますが……まさかあのパンチで打ち込むおつもりなのでしょうか……。


「あれから地味に改良をしていたんですよ…ふぅ~」

「改良ですか?」

「なみなみ掌底は二撃必殺でしたからね!それを一撃に改良したんですよ!」

「え゛……」

「いきますよ!なみなみ掌底改!」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!」


鋭い踏み込みで掌底を鋼鉄製の棒に叩き込むと比喩ではなく目の前にそびえたつ岩壁が小刻みに揺れ大小さまざまに広範囲で砕け散ってしまいました……。


「げほげほげほっ!ほ、埃がひどいな…口の中まで砂埃できもちわるい……あ、アリスさん大丈夫ですか?」

「は、はい」

「結構砕けたと思うんですけど、ねんのためもう一発いっといたほうがいいのかなぁ」

「私が依頼主に確認してまいります」

「いいですか?んじゃ俺はちょっと試したいこともありますし、もう一発うちこむんでその間にお願いします」

「わかりました、お気をつけて作業をなさってください」


何かをお考えになられておいででたしたので少々急いで報告に向かいましょう。


「なぬ!?さすがダイスケだぜ!これで全員いい年が越せそうだ!」

「では私は一度もどります、再度終わりましたらご報告に上がります」

「おう!すまねぇな!」


さて、報告を終えましたし急ぎましょう。


「掌底は波をひろく伝える…拳なら?もっと狭く細かく早く伝えられるんじゃないだろうか…」

「…………」


なんども拳をくりだし何かを確認なさっておいでですが……嫌な予感しかいたしません……。


「悩んでいてもしかたない!グッ!ズン!シュパッ!だ!」


意味が解りません……。


「うっし!いくぞ!新必殺シリーズ!!なみなみパァ~ンチ!」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「うひぃぃぃ!あぶなっ!……え?……や、やりすぎたんじゃ……」


なみなみパンチなる技は拳があったった面が深く砕け散ったあと底を中心に抉れるように直径10メートル以上の岩壁を砕いてしまいました……。



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