第63話
「タチバナさん、ありがとうね」
「いえ!」
「タチバナさん!ありがとうございました!」
「それで?すこしは片付いたの?」
「ええ、当面は大丈夫かというところですが」
「そう、よかったわね」
無事にエミリー様を城へとお連れできました…帰りはあっさりしたものです。
「それよりもタチバナさんが…」
「色々ございまして」
「そ、そう…」
「こんなことで驚いていたら今後タチバナと一緒になんていれなくなるわよ?」
「そ、そんなに!?」
「当然でしょ、タチバナなんだから」
「うぅ…テトちゃんたちもお別れがつらすぎます…」
「エミリー様そのうちお忍びで遊びに来たらいいわ」
「え!?フィーネさん!よ、よいのですか!?」
「ふふふ、タチバナさんがよければかまわないわ…城にいるより安全ですもの」
「事前にくることをお伝えくだされば対応させていただきます」
「ありがとうございます!!また会いに行きますね!」
「にゃぁ~」
ナタリーとともに報酬の話をまとめ久しぶりにいえにもどることができました。
「ふぅ!…うぉ!?」
「どうなさいました!?」
「モネちゃんおどろかせてごめん、こっちについたらびっくりするくらいスマホに連絡が」
「…お仕事のご予定でしょうか」
「ああ、打ち上げの日程とか遊びの誘いが多いですね」
「そうですか……ルイ」
「はい」
あれ?なんだろ…こっちの世界は気温が低いのかな…寒気がする…。
「タチバナ様、スマホを開示してください」
「え?」
「アリスそれじゃぁ意味がわからないじゃない。タチバナ様、色々な方からお誘いをお受けのようなのでお仕事やクエストのご予定を立てる上でそちらのご予定も加味したいのですがよろしいですか?」
「ああ!なるほど!別にみられて困ることはないのでどうぞ!」
やはり無頓着な方は扱いやすくていいですね。
「ナタリー、モネ、ルイ把握しましたね?」
「ええ」
「「 はい 」」
「タチバナ様ありがとうございました、本日はごゆっくりお休みなられてください」
「ありがとうございます」
満足げに意気揚々とお部屋へお戻りになられましたが…タチバナ様の交友関係を私たちに把握されたことにお気づきになられておりません…。
「予想以上だわ」
「そうね」
「ど、どうするんですか!?」
「んー…前の家の3階でホームパーティーを開きましょ」
「え!?フィーネどういうことですか?」
「遅くなったけどタチバナ独立のパーティーを開くのよ」
「なるほど……いいかもしれません」
「社屋お披露目もかねて
「いいわね……直接手を下せるわ」
「フィーネ様すばらしいアイディアだと思います」
「ふふふ、そう?ありがとう。でも毒はだめよ?」
「…………心得ております」
「え!?ダメなんですか?…では……」
「はぁ~…カリンどれもダメです…その後のタチバナ様のお仕事に影響がでます」
「くぅ!そうですか!残念です!」
「じゃあ、それでいきましょ!タチバナ目当てに群がる虫たちを一網打尽にしてやるわ!」
「アンリやりすぎちゃだめよ?」
「わかってるわ!まかせて!」
「では会場のリフォームと各々の準備をよろしくお願いします」
さて、タチバナ様にお知らせに参りましょう。
「というわけです」
「ああ、そういえばだれも来たことがないですもんね!気を使わせてすみません」
「いえ、ではこちらで日ごろタチバナ様がお世話になっておられる方々に案内を送らせていただきますので」
「わかりました!お願いします!」
ちょろいです、下手をしたらカミューよりもちょろいかもしれません。
「立花君、本日はお招きいただきありがとう!」
「立花さん私たちまでお呼び下さり感謝いたします」
「大輔さん!本日はお招きありがとうございます!」
Tコーポレーション社長 徳永家ご一家様、ナガトグループ会長 長門家ご一家様、他にも各社の担当などが続々とお越しになられております。
「自社ビルなんてすごいじゃない」
「4階建ての中古物件を格安で用意してもらったんです」
「支援してくださってる方々がいるといってましたもんね」
「ええ、それで1階と2階がオフィスになっていて3階と4階がこの前まで住居だったんですよ」
「すごいですね…」
「そうね、おしゃれだし」
「私たちまでお呼びくださって感謝してます」
「中野さんも近江さんも来てくださって嬉しいですよ!」
「ふふふ、ありがとうございます」
さっそくわらわらと湧いてきたようです。
「ダイスケ」
「え?」
「ど、どうしたんですか?フィーネさん」
「ふふふ、随分綺麗どころに囲まれているじゃない」
「ああ!この方々は俺の元職場の方々でいまでもよくしてくださってるんですよ!」
「そう、いつもダイスケがお世話になっているようで、感謝するわ」
「い、いえ!あの…」
「ああ、私はフィーネ・A・スペードよ。ダイスケとは同じ屋根の下で暮らしているの」
「え…」
「中々お会いすることはないと思うけどよろしくね」
「こ、こちらこそ…」
「じゃあ、皆さん楽しんでね」
さすがフィーネです…さりげなく名前でお呼びになり腕を絡めうまくけん制しました。
「みのりと近江さんが言ってた人?」
「ち、ちがうよ」
「ええ…違う人でした…」
「ねぇダイスケェちょっと来てもらえるぅ?」
「え?アンリさんわかりました!じゃあ皆さん楽しんでください!」
『……………………』
詮索されるまえに混乱に乗じて呼びだすとはアンリも中々やります。
「どうしたんですか?」
「男除けよ」
「?????」
「色々声をかけられて大変だったの」
「うぉ!?な、なるほど」
「タチバナ様お飲み物はいかがですか?」
「モネちゃんありがとう、今日は忙しくさせてごめんね?」
「いえ」
「ルイちゃんもだけど二人にはなにか御礼をするからね」
「もったいなきお言葉」
アンリと腕を組みニコっと笑う二人に微笑みかけるタチバナ様をみて数名の男たちの心が折れた音が聞こえた気がします……。
「ダイスケさん、体調は大丈夫ですか?」
「はい、カリン先生からもらった飲み薬のおかげかばっちりですよ」
「むふふふっ!よかったです!」
アンリに負けじとカリンも逆側に抱き着く様に腕を絡めて上機嫌ですね…ですが…。
「はぁ~二人ともそのようにくっついていてはお飲み物も食事もとれませんしご挨拶にもまわれませんよ?」
「むっ!アンリは利き手のほうですから離れたほうがいいですよ!」
「ちょ!」
「はぁ~…モネ、ルイ二人を」
「「 かしこまりました 」」
とりあえず、取引先の方々の目もあるのであまり派手にやっては悪影響です。
「召し物が乱れておいでですよ」
「え?すみません、ありがとうございます」
「いえ、それでお取引先にご挨拶はおすみで?」
「それがまだなんですよ」
「はぁ~…仕方ない方ですねあなたは」
「す、すみません…」
「ナタリー、ご挨拶が住んでいない方の元に案内してください」
「わかったわ、タチバナ様こちらへ」
「え?」
「はぁ~…私もご一緒するので参りましょう」
「え?あ、はい…」
ナタリーが把握してくれていて助かりました、それにしても腕を組み一緒に歩くと前回よりもさらにお強くなられているのがわかります。
「あ…あの人だ」
「え!?」
「私が見た人もあの人でした」
「お綺麗な方ね…」
「うわぁ~…これはちょっと厳しいかもぉ」
「翔子あの人だよ!私が見たのは!」
「え!……あんなの無理だよ…」
周りの視線を感じながらも無事にご挨拶をすませることができ、あとは足を運んでくださった方々にご挨拶をしてしめていただくだけになりました。
「タチバナ様よろしいですか?」
「ひゃ!はいっ!」
「はぁ~…すこし落ち着いてください、皆さんは《あなた》と今後も仲良くしたいと足を運んでくださったんです、いい所を見せよう、失敗しないようなどとは考えず《あなた》の言葉で素直に感謝を気持ちをのべたらよいと思いますよ」
「ふぅ~…そうですね、ありがとうございます」
世話の焼けるお方です、まぁ多少しどろもどろにおなりになりましたが、らしい挨拶をなさったと思います。
「タチバナ様は?」
「お疲れだったようでぐっすりお眠りに」
「そう、明日も休みにしたほうがいいわね」
「城から今回の報酬が届いておりますので資金面でも問題ありません」
「遺跡の調査もあるからこっちはしばらくセーブしてほしいのだけれど」
「ダメよ、しばらくの間はこっちの仕事優先にしなきゃ仕事を回してもらえなくなるわ」
「仕事量や振り分けはナタリー、もうあなたに任せてもいいですね?」
「!!!と、当然よ!任せて頂戴!」
「ではお願いします」
「ええ!」
「じゃあ、しばらくは遺跡調査は無理そうね」
「お休みの日に打診してみてください」
「そうね、わかったわ」
「じゃあ、私との修行もしばらく休み?」
「いえ、朝に必ず毎日行ってください」
「ええ、わかったわ」
「カリン、すみませんが毎日の体調ケアを」
「お任せください!」
「モネ、ルイ大丈夫ですね?」
「「はい」」
パーティーが終わりお見送りをなさったあと、飲めないお酒をお付き合いなさったタチバナ様は眠られてしまいました、さて今日のことがどのようになるか…。
「タチバナ様」
「ん?んふぅ~…おはようございます」
「おはようございます、本日は休養日といたしますのでごゆっくりなさってください」
「ふぁぃ…ありがとうございます…」
「はぁ~…仕方ない方です…」
相変わらず寝起きが悪いですね…寝ぼけておられます…。
「!!!!」
「んふぅ~…むにゃむにゃ…」
「さて、どうしたものか…んっ」
布団を直そうとしたら抱き着かれてしまいました…きつく抱き着かれているわけでもないのに離れることができません…ずっと中腰のままでは厳しい…しかたないおこしますか…。
「失礼いたしま…」
「ア、アリス様…なにを…」
「はぁ~固まっていないで助けてください」
「え?は、はい!」
2人がかりでなんとか腕をはずすことができました。
「ふぅ~助かりました」
「いえ」
「相変わらず寝相と寝起きが悪い方ですね」
「家におかえりになられ安心なさっておいでなのだと思います」
「そうかもしれませんね」
満足げな顔で眠る姿をみるとなぜか脱力してしまいます、2人も同じようで苦笑しております…さて今日も各々の役割をこなしましょう。
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