第62話

異世界こちらの世界だとスマホが使えないのが難点ですね」

「ご連絡をくださるご友人がいらっしゃるという夢でもごらんになられたのですか?」

「ひどい!俺にだって連絡をくれる友人が多少はいるんですよ!?」

「な、なんと!?」

「………ほんとですって……明夫や鈴木さん、田中さんに翔子ちゃん、恵美ちゃんだって連絡をくれますし、そうだ!この間あたらしく元の職場の受付をしている中野さんと近江さんが連絡先を登録してくれましたし、あっ!あとナガトの登坂さんも俺の連絡先を登録してくれてたみたいでたまに連絡をくれますし!」

「タチバナ様…それはご友人ではなくほぼお仕事の関係者ですね」

「うっ!で、でもですよ?今度どこかに出かけましょうとか声をかけてくれる方々が他にも数人いるんで!遊びに誘ってくれるなんて仕事で知り合ったけどもう友人だと思うんですが!」

「ほぅ…そのような方々もいらっしゃるのですね」

「そうです!どうです?友人いるでしょ!」

「はぁ~…わかりました向こうにもどったら交友関係を深くお聞きいたしますので」

「な、ながされた!?」


やはりお一人で会社回りは危険です…ナタリーと要相談の案件のようです。


「それでは明後日の朝にということでご了承願います」

「うぅ…クレメンスお姉さまとお別れするのはつらいですが仕方ありません」

「エミリーまたいつでもきてくださいね?」

「はい!必ず!!ありがとうございます!」


滞在1週間、全く何事もなくお過ごしになられたのでそろそろお戻りいただかなねばなりません。


「ザイード教官!ご指導ありがとうございました!!」

「おう!おめぇら筋がいいんだ、これからも精進しろよ」

「はい!」


「ア、アンリさん!」

「なに?」

「帰る前に俺と!」

「いや!俺と!!」

「はぁ~…ごめんなさいね?私訓練以外はエミリー様の護衛をしなきゃいけないの」

『あ゛ぁぁぁぁぁ…』


「なぁ!レティーちゃん!最後にデートでも!」

「すみません、フィーネ様の元にもどらなければなりませんしアンリさんやカミューさんよりも早くタチバナ様の元にいかなければならないので!!」

『うぅ……レティーちゃぁぁぁん!!!』


「カミューさん!付き合うのを前提に結婚してください!」

「え!?いきなり結婚からですかっ!?申し訳ありません!私は身も心もタチバナ様のものですので!」

『そ、そんなぁぁぁぁぁぁ!!!!』


それぞれ…それなりの交流をしたようでした…。


「結局…城からでないで終わってしまいましたね…」

「あら、どこか行きたい場所でもあったの?」

「いや、馬車で街にはいるまえに滝がみえたんでいってみたかったなって」

「おめぇ…観光じゃねぇんだからよぉ…」

「まぁいいじゃない、モネ、ルイついていってあげて」

「かしこまりました」

「いいんですか!?」

「ええ、気になるんでしょ?」

「実はそうなんですよ!俺あんな立派な滝とかみたことなくて!」

「大した距離じゃないもの、私がナタリーとアリスに伝えておいてあげるわ」

「やった!ありがとうございます!」


フィーネさんは淡々としてミステリアスだけど優しいんだよねぇ!


「お、おぉ!まだ音しか聞こえてないのに少しひんやりするね!」

「そうですね、心なしか湿度もたかいようです」

「これが天然のマイナスイオンかもしれない!…ん?」

「どうかなさいましたか?」

「滝の横、ほら、あの木が生えているあたり」

「それがなにか」

「なんかあるよ?」

「いってみますか?」

「そだね!」


なんだろ一瞬光を反射した気がするんだよね。


「このあたりだと思うんだけど…ん?なんだこれ?コイン?」

「この国の通貨とも違うようですがコインですね」

「誰か落としたのかな?」

「どうなのでしょう」

「んー…ん?…ね、ねぇ」

「はい」

「もう少し上った先、あそこなんかへんじゃない?」

「え?変とは?」

「なんか違和感があるんだよね、あの岩だけ自然に削られたものじゃないんじゃないかな?」

「!?」

「い、いってみましょう」

「そうだね、けど危ないから気を付けながらね」


ほらやっぱり!なんか人が削って作りましたって感じがするよ!


「んー…」

「どうですか?なにかありましたか?」

「お!?この石うごくな!」

「え?」

「中がたぶん空洞っぽくなってますよ!ぱかっと開くかも!」


スイカみたいに叩いてみるとやっぱ中が空洞になってるっぽい!ちょっと調べてみよう!


「え……」

「ま、回りましたね…」

「うん…しかもなんか穴があるから多分棒をさして回すんだね…」

「こちらにある木をつかってみましょうか?」

「そうだね…」


色々触ってたらくるんって回っちゃったよ…とりあえずルイちゃんがみつけてくれた棒がささったから回してみよう…。


「タ、タチバナ様!道が!!!」

「えぇぇ!?ど、どうしよう!」

「フィーネ様にお知らせしてみます!!」


なんか回せるだけ回してたら滝の裏に吊り橋みたいなのがでてきたんですが…嫌な予感がする…。


「「「……………」」」

「……お手柄ね」

「さ、さぁ、フィーネさんもみたことだし……そろそろもど」

「タチバナいくわよ」

「え……えぇ…」

「私がみてしまったんだから当然でしょ」

「私たちが先にわたりますので」

「うっ…わかりました俺がいきます…」


揺れる吊り橋にひぃひぃ悲鳴をあげながらも進んでおられますが…見つけなければいいのにと思ってしまいます。


「モネ、ルイ、ナタリーとカリン二人についてあげてね」

「かしこまりました」

「タチバナどう?」

「あからさまに扉みたいな岩があります……」

「開けれる?」

「仕掛けが……ああ……多分あけれそうです」

「そう」

「モネちゃん……さっきのコインをここに」

「かしこまりました」


よく見てもわかるかわからないかという壁の一部にタチバナ様がコインをはめこむとカチッという音が聞こえタチバナ様が岩を横に押すといとも簡単に岩の扉が開いてしまいました……。


「素敵よタチバナ」

「あ、ありがとうございます…そ、そうだ!この国の人の許可がないとダメなんじゃないですかね?」

「未発見のものは発見したものが所有権をもちます」

「発見者が国に知らせることがありますが問題ございませんよ」

「そ、そうですか」

「いくわよ」


フィーネが灯りをともしタチバナ様と腕を組み牽きづるように進んでいきます…まるで死刑執行されるようにみえます。


「こ、ここはなんなんですかね?」

「通路ね」

「なにかきになることある?」

「し、しいていえば…風が結構ふいてるくらいですかね」

「そう…空気の流れるほうにあんないしてくれる?」

「わ、わかりました」


残念ながら私たちの誰も空気の流れをかんじることができませんがタチバナ様は感じられているようです。


「お?明るい!」

「出口のようね」

「お、おぉー!!!!」


タチバナ様の後に続いて歩くと光が漏れている場所がありそこにいくと色々な花が咲く庭園のような場所にでました、空を見上げるとかなり上まで岩壁に囲まれています、これならば上から見てもわからないかもしれません。


「奥に家がありますよ!」

「ええ、いってみましょう」


フィーネが石造りの立派な家に向かうので後に続くことにしました。


「鍵がかかっているわね」

「さすがに鍵はもってませんよ」

「壊せない?」

「え…犯罪者になってしまいますよ」

「いえ、多分ですが持ち主はもうおられないのではないでしょうか」

「え?」

「人がすまなくなって少なくとも数十年…いえ、下手をしたら100年単位になるかもしれません」

「人の手がはいらないでこんなにきれいなんですか!?」

「わかったらこのドアを壊してくれるかしら、責任は私がとるわ」

「わ、わかりました…けどこれを使って壊しますよ」


以前私が渡した鉄の棒を1本取り出し鍵穴に先端を合わせ手のひらで軽くたたくといとも簡単に鍵穴を貫通し棒をひねると鍵が開いた音がしました。


「やるわね!さぁ入りましょ」

「おお!立派なお家ですね!」

「そうね、ただかなり埃っぽいわ」

「それは仕方ないでしょ」

「まぁね」

「タチバナ様色々探索してみましょう」

「ん?持ち主不明の空き家なら問題ないかな?」

「はい」

「よーし!モネちゃん!ルイちゃん!探索してみよう!」


結構な広さの邸宅といっていい家をワクワクなさったお顔で二人を引き連れ探索にいってしまわれました…なんでしょう…色々やらかしそうな気がしてなりません…。


「はぁ~広いですし景色もいいですしなにより静かでいい場所ですねぇ!別荘にはもってこいって感じです」

「あら、カリンいいわねそれ」

「え?」

「ここをの別荘にしましょう」

「えぇ!?」

「ここに門をひらいておくわ」

「わかりました」

「じゃあ入り口はふさいじゃったほうがいいわね」

「そうね」

「フィ!フィーネ様が!!!」

「どうしたの?」

「タチバナ様が!」

「え!?今すぐ行くわ!いきましょう!」


モネとルイの悲鳴ににた助けを呼ぶ声でさすがのフィーネも血相を変えてタチバナ様のもとにむかいました。


「どうしたの!」

「タ、タチバナ様が…こちらを発見なさってしまいました…」

『………………』

「え、えっと…は、はははは…」

「扉を閉めない!」

「ひぃ!す、すみません!!」


なにやら細工を解いてしまったようで扉の向こうには遺跡が広がっていました。


「タ、タチバナ…これ…」

「誰もいない街のようですね…は、ははは…」

「タチバナ様は扉から離れてください」

「ひぃ!」


見なかったことにしようと隙あらばそっと扉を閉じようとなさるのでナタリーの横に移動願いました。


「す、すごすぎます…ほぼ損傷なく街並みが…」

「お、お手柄ですね…タチバナ様」

「タチバナ…これどうするの?」

「え?」

「タチバナ様がおみつけになられたものですので」

「じゃ、じゃあ…み、みなか」

「ちなみになかったことにはできませんのでご決断を」

「うっ!…そ、そんなこといっても…そ、そうだ…この国に寄付を…」

「それで本当によろしいのですか?」

「うっ!…フィ、フィーネさんに丸投げで!」

「え!?」

「かしこまりました、ナタリー手続きを」

「い、いいの!?タチバナ!」

「フィーネさんがいいならいいです!こんななにか出そうなゴーストタウンいりませんよ!!何かの役に立てれるのなんてフィーネさんしかいないでしょ!」

「フィーネ…タチバナ様がチキンなのをお忘れなく」

「え!?あ…あはははは!!!そうね!あはははは!タチバナありがたくいただいておくわ!」

「どうぞ!えんりょなく!」

「あははははははは!!!!!!…お礼はするわ!」

「怖くないことでお願いします!!!」

「ぶふぉ!あーっはっはっはっは!!!」


遺跡にフィーネの笑い声がよく響きます…。

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