第44話

「やっとかえってこれましたねぇ」

「はぁ~…我が家がやっぱり一番ね」

「タチバナ様、今日、明日と休養なさって仕事は来週からということで調整いたしますので」

「え!?あ、はい!…」

「どうかなさいましたか?」

「いやぁ~…本来なら自分でやらなきゃならないのになぁと思っただけです」

「ご自身でお出来になられるとでも?」

「うっ!…」

「私とアリスで調整いたしますのでおまかせください」

「頼りっぱなしで申し訳ないですけどお願いします」

「ふふふ、はい♪」


貴族たちが全員自国にかえっていき後の対応はライン様と王妃様がなさるそうで俺たちはやっと自分たちの家にかえってきた。


「今回はザイードさんとアンリさんにも色々お世話になってしまいましたねぇ」

「休養とそれなりの報酬を渡してありますのでご安心を」

「さ、さすがです」

「いえ、当然のことです」

「そ、そうですか…あっ!そうだ!」

「なに?急に」

「モネちゃんにもルイちゃんにも無理言って頑張ってもらったしテトも沢山がんばってくれたから今日は家に色々注文してささやかなお疲れ会を開きたいなと思いまして」

「あら、タチバナ気が利くじゃない」

「カリン先生が戻ったら始めましょうか、それで…すみませんが…」

「心得ております、私とナタリーで料理と飲み物は注文します」

「ありがとうございます、支払いは俺持ちで大丈夫ですか?」

「余裕にございますのでご安心を」


そういえば最近カードもアリスさんに管理してもらいっぱなしだな…いまだに使い方わからないし…。


「アリス、そろそろギルドも再開するらしいわ」

「そうですか、あなたが大丈夫と判断できたら知らせてください」

「!!えぇ…わかったわ」

「それと明日、私は上に調査結果の報告を聞きに行きます」

「わかった、こちらは任せて頂戴」

「頼みます」

「ええ、タチバナ様は命に代えて守って見せるわ」

「…そうですか」


メガネを外し久しぶりに真剣な目のナタリーをみました、これなら任せても大丈夫そうです。


「おぉ!今日は豪華ですね!」

「カリン先生にも色々お世話になったんでお礼です」

「そんなことありませんよ!あっ!ナタリー」

「なに?」

「弟さんですがこのペースなら来月中には日常生活に支障のないレベルになれそうですよ?」

「え!?ほんとうなの!?」

「ええ、タチバナさんをみて自分も強くなりたいとリハビリを頑張ってるようでしたよ、ザイードさんとアンリさんもリハビリを手伝ってくれているようです」

「そう!感謝するわ!」

「いえいえ、本人の頑張りがものをいうのがリハビリですからね、明確な目標ができたのがいいことなのかもしれませんね」

「そうね!」

「よかったですねナタリーさん」

「タチバナさまにはなんとお礼をいっていいのやら…」

「いりませんって!それより快気祝いは向こうでザイードさんたちと一緒にやらなきゃなりませんね!」

「タチバナ様……」


朗らかに笑うタチバナ様に感激するナタリー…あのナタリーをここまで変えるとは正直驚きです。


「あら?感動しているところ悪いけど、お知らせがあるわ」

「なによフィーネ」

「私達にかかわることですか?」

「ええ、タチバナにが5つほど近づいてきそうよ?」

「なっ!」

「え!?」

「「!!!!!」」

「にゃっ!?」

「ほぅ…フィーネいつぐらいになりそうですか?」

「そうねぇ、皆警戒しあっているけどここ1週間以内ってとこかしらね」

「そうですか…ナタリー、モネ、ルイ頼めますね?」

「アリス…みなまでいわないでくれる?」

「とうぜんにございます」

「おまかせください」

「にゃぁ~ん」

「ええ、テト頼りにしています」


なんだろ!急に部屋の温度が下がったのかな!ふ、震えが!!

ってか俺に影?なんだろ…まだ健康診断もうけてないのに!こわい!


「そうだわ、ナタリーの弟が治ったお祝いは温泉にいきましょ」

「え?この雰囲気でよく話題きりかえれましたね!?」

「あら、タチバナはいきたくないの?」

「いや、約束したんで行きたいですけど」

「なら決まりね!ナタリー来月末あたりがいいと思うわ」

「はぁ~…わかったわ」

「場所はカリンとアリスを交えてきめるわ」

「わかりました」

「わ、わかりました!」


こういう時ってアリスさんたちフィーネさんにすんなり応じるんだよなぁ。


「タチバナ、一緒に入りましょうね」

「ぶっ!?」

「なに?私とは入りたくないの?…こう見えて脱いだら結構なものなのよ?」

「いやですよ!刺激が強すぎますって!殺す気ですか!?」

「え?あははははは!!!!おおげさね!あーっはっはっは!」

「フィーネ、モテないをこじらせているタチバナ様をあまりからかわないように」

「あーっはっはは!ごめんなさい?勇気がでたら…ぶふっ!一緒に入りましょうね!」

「くっ!」

「タチバナ様、安心してください。私がちゃんとお背中をおながししてさしあげますから」

「いやいやいや!ナタリーさん!一人でちゃんと洗えますから!!」

「き、傷跡もみたいですし私が!」

「カリン先生!!」


何言ってんのこの人たち!自分たちがどんなレベルの人たちなのか自覚ないの!?


「私たちが対応いたしますのでご安心を」

「おまかせください」

「ちょっ!二人まで!?大丈夫ですから!」

「その辺にしておきましょう」

「アリスは洗って差し上げたことがあるから今回はダメですよ!」

「なっ!?ちょっとアリス!どういうことよ!!!」

「「アリス様…詳しくお話を聞かせていただけなければなりません…」」

「はぁ~…タチバナ様がお怪我をなさったさい、髪を洗って差し上げただけです」

「「「!!!!!!!!!」」」

「テトなど毎日ご一緒に入浴しております」

「にゃ!?」

「タチバナ様、テトは女の子でデリケートですので今後は私たちもご一緒しテトは私たちがお世話をいたしますのでご安心を」

「いやいや!それだったら最初から二人と一緒にはいったほうがいいじゃないですか!」

「それでは意味がございませんので」

「私たちは鬼幽体ですので何も御心配にはおよびません」

「ルイちゃんそれ今関係ないよね!?」

「わ、私はタチバナさんのなのでやはり私が!」

「いつから主治医になったのよ!」

「あははははは!とりあえず…の対策を考えない?」

「!!!!」

「何人ですか?」

「2ね」

「なるほど…ですか?」

のほうよ」

「そうですか…」


急にアリスさんの目つきが鋭くなった!?


「ナタリー?」

「ええ、わかっているわ…すぐに調整に入るわ」

「たのみますよ?」

「ええ、任せてもらって構わないわ」


アリスさんの視線を受けて頷いてナタリーさんがどこかにいってしまった…食事会が…。


「ふぅ~…さて!今日から仕事を…」

「タチバナ様、本日はギルドの依頼をお受けしてありますのでそちらをお願いいたします」

「え?仕事ってそっちだったんですか?」

「はい」

「じゃあ、向こうに行かなきゃなりませんね」

「本日は私がギルドまでご同行いたしますので」

「え?そうですか、ではナタリーさんよろしくおねがいします」

「はい、おまかせください」


パーティーをやってから2日後、仕事を再開するために2階のオフィスにいこうとしたらナタリーさんの受けた仕事は異世界のものだったのでいっしょにギルドにむかった。


「アリシア、こちらがタチバナ様です」

「そう、私はこちらであらたにギルドマスターとなりましたアリシアと申します」

「タチバナです、よろしくお願いいたします」

「これはご丁寧に…」

「いえ、それで失礼ですがお二人は顔見知りなんですか?」

「ええ、ナタリーだけではなくアリスやカリンそしてフィーネとも古い付き合いなのです」

「おお!そうだったんですね!」

「はい」

「アリシア、依頼の説明を」

「そうね、タチバナ様に今回お引き受けしていただきたい依頼は採掘です」

「採掘ですか」

「はい、まぁ採掘とはいっても時間までより多く岩を壊していただくというものになるんですが…よろしいでしょうか」

「もちろんです!」


アリシアさんから依頼書を受け取りナタリーさんがくれた地図をみながら依頼の場所にいどうした。


「ねぇナタリー…タチバナ様っていったい何者なの?」

「どういう意味かしら」

「そうとうの力をおもちのようだけど私でも

「逆にそんな簡単にわかるレベルの方に私たちがついているとおもっていたの?」

「!!!!!」

らしいから先に言っておいてあげるけど…あの方に失礼なことをしたら私が絶対ゆるさないから」

「ちょっ!!あなたがそんなことまで言うの!?なにがあったのよ!」

「あなたにはわからないことよ…けど…私はどんな時でも私の命があるかぎり必ずあの方の味方であり続けるってきめてるの…じゃあ、依頼のほうよろしくね」


眼鏡をそっとかけなおしナタリーがギルドをあとにした。


「ここかぁ…とりあえずやってみるかぁ」


依頼人のところにいき詳しい場所に案内してもらったけど…目の前には断崖絶壁の岩場にとりあえずつるはしをふってみる!


「いってぇぇぇぇ!!!なにこれ!すっげぇ硬いんだけど!!!」


キィーンって音でつるはしめっちゃはじかれるんだけど!?なんか考えなきゃ!アリスさんが用意してくれた道具なんかいいのないかな!?


「えっと…おぅ?…これ…つかえるかな…」


道具の入った袋には鉄のとがった太い棒とごっつい手で回すドリルそれと拳と手のひらの部分がすげぇ補強されてるグローブがはいってた…これをくみあわせれば!


「うぉぉぉぉぉ!!!うっし!」


ドリルで岩に穴をあけた!ドリルの刃は…もう使い物にならなさそうだけど…んで!その穴に鉄の棒のとがった部分を入るだけいれるっと!


「…あんまり入らないのね…ま、まぁいい…んでここからだ!」


俺はなんども拳を鉄の棒にあて距離を測って集中した。


「ふぅ~…ワンインチパンチにさらに回転を加える…踏み込みの位置も確認した…アリスさんが用意してくれたんだ…グローブはきっと大丈夫…鉄の棒の中心を撃ち抜くイメージを固めろ…」


目を閉じ何度もイメージした…一つ一つの動きが頭の中でスムーズになるまでイメージをして…一つずつイメージにそってゆっくり体をうごかし何度も練習をした…。


「いくぞっ!うちぬけぇぇ!!はぁぁぁぁっ!!ふんっ!!!」


イメージどおりにスムーズに身体が動いて鉄の棒の中心に力を伝えることができた!


「やったぁ!!!って!げぇ!!!あぶっ!!!」


深く刺さった鉄の棒をみて喜んだのもつかの間!一気に鉄の棒を中心に岩壁に亀裂が入っていき激しい音を立てて崩れだしたのであせりながらなんとかその場から逃げることができた。


「う…っそ~ん…」


岩の崩れが止まり砂埃が収まった先にあったのは山のような崩れた岩と円形にくずれ巨大な穴があいた岩陰だった…。


「おーい!大丈夫かぁ!!!ってなんじゃこりゃぁ!!」


地響きと崩れた音を聞いた依頼主のおっさんがこの光景をみて腰を抜かしていた…。

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