第45話

「あんちゃん大丈夫かっ!」

「はい、大丈夫です」

「崩落か!?なにがあったんだ!」

「い、いやそれが…一か所にクサビを撃ち込んだらこうなりまして…」

「はぁ!?」

「ど、どうしましょうか…」

「どうしましょうっつったってなぁ…」


依頼主のおっさんが頭を掻きながら考えた結果、とりあえず崩れてきた岩を撤去して崩落するか調べなきゃならないってことで俺の依頼が終わった…一応達成ってことにしてくれるみたいで感謝した。


「あの…」

「ん?ああ!あれだけ硬てぇ岩盤をあんだけくだいてくれたんだ感謝するぜ!」

「なんか、かえってお手間を」

「んなわけあるかよ!あれだけの量だ運ぶだけで1か月以上の仕事ができたんだ!こっちは感謝してるぜ!またたのむぜあんちゃん!」

「お、おぉ!ありがとうございます!是非また声をかけてください!!」

「おうよ!」


バシンと背中をおっさんにたたかれたけどやっぱ現場の人たちは豪快だけど優しい人が多いから仕事は楽しい!やっぱ仕事は人間関係も大事だって実感するよ!


「ただいま戻りました」

「え?タチバナ様随分早いおかえりですね、なにかございましたか?」

「いや…実は…」


俺はいつもの異世界の家にいくとナタリーさんがいた、だから依頼書を手渡しこれまでのことを説明した。


「はぁ…お怪我なくてほんとうによかったです」

「すみません」

「いえ!あとはこちらで処理をいたしますのでタチバナ様はお戻りになられてご入浴をなさってください」

「ああ、やっぱり埃っぽいですもんね!ありがとうございます、じゃあお願いします」

「かしこまりました」


ナタリーさん最近はすごく柔らかい笑顔でいてくれるんだよねぇ…クールなときと甘々なときのギャップがすごい!


「アリシア、依頼の達成報告に来たわ」

「え?も、もう!?」

「タチバナ様なのよ?当然でしょ」

「理由になっていないけどとりあえず見させてもらうわ…え!?」

「なに?」

「達成評価がSだわ…あの頑固な親方が…」

「当然でしょ?何を今さらおどろいているのよ…じゃあちゃんと処理してね」

「ちょっ!詳しく説明してよ!なにをどうしたらこうなるのよ!」

「それを調べるのはそちらの仕事でしょ?私は忙しいのよ、はやく戻らないとタチバナ様のご入浴がおわっちゃうじゃない」

「え……」

「あの方は午後から他の仕事があるの、私はそれのお供をさせてもらうのよ」


無駄に引き止めないでほしいわ!午後からはとしての仕事があるんだから!


「ふぃ~さっぱりしたぁ」

「あらタチバナお疲れ様、依頼はもうおわったの?」

「はい、フィーネさんも帰ってきてたんですね」

「ええ、前にあなたから譲ってもらったものを調べたりするくらいだからね」

「ええ…あの壁一面にあった本とかしらべてるんですか?」

「まぁね、まぁレティーと何人かに整理なんかを任せてるからそんなに難しい事でもないのよ」

「いや…あの量に目を通すだけで俺だったら吐いちゃうか発狂する自信しかありませんよ…」

「あははははは!なによそれ!!」

「笑わないでくださいよ!なんか昔のものって難しいじゃないですか!」

「それがいいんじゃない、それに今にはない失われた知識や技術も意外とおおいのよ?」

「それはイメージつきますけど俺には無理ですね…そっちはフィーネさんとかなんかすごい人たち任せるのが一番だってことはわかります…うん…」

「ふふっ、人には向き不向きがあるからいいのよ」

「それをいうならフィーネさんもそうですけど俺の周りにいる方々って向きが多すぎません!?」

「え!?」

「フィーネさんなんかわけわからない力をたくさん持ってなんかかっこいいのとかも使えるじゃないですか」

「かっこいいの?」

「フィーネ様、たぶん式のことかと」

「え?あんなもの?」

「あんなものって!あれすごいじゃないですか!あとなんかパチンって指を鳴らすだけですごいことやれるし、昔の本とかもよめるくらい頭もいいんでしょ?そんな人があってみたらミステリアスな美人なんですよ?もう色々大渋滞じゃないですか!」

「ぶっふぉ!あはははは!ありがとう!ただ…ほめ方がひどいわね!あはははは!」


ふぐっ…今日も今日とてフィーネさんに笑われてしまった…。


「タチバナ様、午後からはTコーポレーションで打ち合わせがございます」

「え?そうだったんですか?」

「依頼が早くおわりましたので、問題ございませんか?」

「はい、大丈夫です!色々予定をやりくりしてくれてありがとうございます」

「いえ、では本日は私もご同行いたしますのでご準備が整いましたらお声がけください」

「え?ナタリーさんも?」

「なにか不都合がございますか?」

「いえ、俺についてきてくれる時間でナダン君の様子を見に行かなくていいのかなって」

「タチバナ様…大丈夫です先程タチバナ様が依頼をなさっている合間に様子をみてきておりますので」

「そうだったんですね、あっ!打ち合わせがおわったあと予定ってありますか?」

「私のですか?」

「はい」

「いえ、特に急ぎはありませんが」

「じゃあ、俺アンリさんとザイードさんに練習をみてもらうので一緒に行きませんか?」

「え?わ、わかりました」

「俺が練習してるあいだナタリーさんはナダン君のリハビリを手伝ってあげてください」

「!!!!!は、はい!」


色々世話になってるしたまにはいいでしょ!それにしても会社の皆おどろくだろうなぁ…。


「タチバナ、車で行きなさい貸してあげるわ」

「えぇ…俺ペーパードライバーなんですけど…」

「なんであなたが運転するのよ、運転手がいるじゃない」

「え?」

「ナタリー頼んだわよ?」

「ええ、任せてちょうだい」


えぇ…家の前にある車…この前とちがう高級車じゃん…目立つよ…。


「タチバナ様どうぞ」

「あ、ありがとうございます…」


気が重くなってきたぁ…。


「本日システム課係長の鈴木様とお会いすることになっておりますタチバナです」

「え?は、はい!立花様ですね!4階第1会議室になっておりますのでご移動をお願いいたします」

「ありがとうございます。タチバナ様まいりましょう」

「中野さん、近江さんおひさしぶりです、ありがとうございました」

「いえ…」


2人もナタリーさんを見て驚いてるよ…そりゃそうだよ!ナタリーさん仕事モードでめっちゃクールビューティーになってるし!はたから見たら外国の方だもんね!俺だって知り合いじゃなかったら驚くし近寄らないわ!


「失礼いたします」

「はい?どうぞ!」


会議室につくとナタリーさんがノックして入ってしまった。


「失礼します、鈴木さん、あ、田中さんもお久しぶりです」

「え!?大輔さん」

「大輔!?」


ナタリーさんの後ろから声をかけると二人とも驚いた顔をしていた。


「えっとそちらのお方は?」

「ああ!こちらは」

「タチバナ様のをしておりますナタリー=ロゼンジと申します」

「え?あの鈴木みのりと申します」

「田中のりこです…」

「あのぉ…」

「あ、申し訳ありません、こちらにどうぞお座りください」


ナタリーさんのフルネーム…初めてしったわ…。


「んー…やはりこちらのこの部分の開発に力を注いでもらうのがベストのようなきがしますね」

「やっぱりそうですか…」

「厳しいですか?」

「やってやれないことはないと思うんだけど、ぶっちゃけ人手不足で人的にきびしいかな」

「ああ…なるほど…」

「タチバナ様でも作成はお難しいのですか?」

「え?んー、ベースを作るだけなら何とかなると思うんですけど、それをあれこれ転用するのはちょっと時間的に苦労するんじゃないですかね」

「そうですか、ベースをタチバナ様がおつくりになり転用はそちらで行うという場合はどうですか?」

「えっと…組み込めるものとそうでないものもあると思いますが今おこなっている部分だけに関していえば可能だと思います」

「ではタチバナ様がベースのプログラムを作成するということでよろしいでしょうか」

「こちらはそうしていただけるなら…ただ大輔さんの負担が…」

「ああ、それは大丈夫ですよ。鈴木さんと田中さんのほうで問題なければそれでやってみましょうか」


要所要所でナタリーさんが話に入ってくれてすげぇ建設的に速く打ち合わせが進んだよ!やっぱデキる人ってこんな感じなんだなぁ…尊敬するわ…。


「では今月中に連絡します!」

「はい!よろしくお願いいたします!」

「よろしくね!あ、あと終わったらまた打ち上げしましょ」

「そうですね!」


鈴木さんと田中さんが見送ってくれて受付の中野さんと近江さんも笑顔で手を振ってくれてた、やっぱみんな優しいいい人たちだな。


「き、緊張したぁ~」

「いつのまにあんな秘書雇ってたんだろ!それなら私達を雇ってくれたらいいのに!」

「鈴木さん、田中さん立花さんがお連れてしていた方って」


その日、Tコーポレーションは立花大輔が美人秘書とともに訪れたと男女それぞれその話題でもちきりになり、大輔と接点のないナタリーを実際にみた女性社員たちの多くは心を折られまくったようだった。


「おかえりなさいませ」

「あれ?アリスさんもどってきていたんですね」

「はい、ナタリー報告をききます」

「ええ、フィーネとカリンは?」

「すでに部屋に」

「わかったわ」

「タチバナ様は引き受けた仕事をなさってくださってかまいません」

「…はい」

「モネ、ルイ、タチバナ様にお茶をだしたらあなたたちも来てください」

「はい」


アリスさんがなんか色々仕切り始めたから邪魔しない様に仕事しようかな…ああ…テトもいっちゃうのか…。


「という感じね」

「なるほどね」

「とりあえず次はナガトグループにもご一緒させていただくつもりよ」

「わかりました、お願いします」

「ええ」

「あの、私も報告があります!」

「なに?カリンがそんなことをいうなんてめずらしいじゃない」

「フィーネ!ギルドにアリシアが居たんです!しかもマスターで!」

「そうみたいね」

「え?しってたんですか?ってアリスも?」

「はい」

「そ、そうですか…私は知らなかったので驚きましたよ…それじゃあアリシアがタチバナさんのことに興味をもって調べ始めたのもの知っているんですね」

「ふぅ~ん…それは初耳ね」

「ほぅ…私もです」

「あれほど…釘をさしてあげたのに…」

「ひぃぃぃ!」

「これは一度全員で話し合わなければいけませんね」


タチバナ様はたぶんどの色にも染まってしまいます…今のままでいていただくために私たちは協力しなければならないようです。

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