第38話
「ただいまもどりました」
「意外と早かったわね…ん?カリンあとで詳しく聞かせてもらうわね」
「はい」
無事に月雫草を採取して家にもどってきた、あのあとテトが戻ってきたらいつものテトで俺がキレちゃって見間違えたのかな?とか色々考えたけどテトが二人の傷口を舐めるとなんかしらんけど綺麗に傷口が治ってしまった服はダメだったけどね、それと開花する月雫草をみて感動して細かいことはまぁいいかなって思えてしまったからあえて触れないようにして帰ってきた次第です。
「………………というわけです」
「そう、二人ともタチバナをよく守ってくれたわ」
「い、いえ…結局タチバナ様がお戦いになられてしまいました…」
「それは仕方ないわ、格下が粋がって絡んでくるからよ、テトもご苦労様だったわね」
「にゃぁ~」
「満月のワーウルフを一方的になんて…」
「ふっ、ワーウルフの中でも下っ端の雑魚だったんでしょ」
「だとしても人間がとらえることができる速さじゃないわよ?」
「ワーウルフのほうがタチバナ様より圧倒的に速かったです」
「それでなんで殴れるのよ」
「タチバナ様だからです」
「答えになってないじゃない……」
「ふふふ、ナタリー残念だけど私も同じようにしか形容できないわ」
「もう、なんなのよ」
「そんなことよりナタリー、あなたカリンとタチバナにはちゃんとお礼をしたの?」
「え?」
「あなたの弟の薬のために月雫草を採取しにいったのよ?」
「なっ!なんで採取の前にいわなかったのよ!」
「言ってたらどうしたのよ」
「私が探してきたわよ!」
「無理よ」
「なんでよ!」
「あなたもギルドにいたんだからわかるでしょ?ここ半年、月雫草は一切でまわってないのよ?」
「あ…」
「たぶんですが…ワーウルフ達が独占しているのでは?」
「それはわからないけど、誰かが独占しているのは間違いないと思うわよ?」
俺が風呂に入っている間にカリン先生は薬作りに向かい、モネちゃんとルイちゃんはフィーネさんに報告していたらしい。
「まぁそれは置いといて」
「置いとかないでよ…どんどんタチバナさんに恩が増えていく一方だわ…」
「あはははは!けどあなたの仕事の話をしなきゃいけないの」
「仕事?ちゃんとスケジュール管理はできてるわよ?」
「こっちの仕事じゃないわ」
「え?どういうことよ」
「タチバナ様がヘルコンドルをおしとめになられたので」
「へ?あれって群れでおそってくるわよね?」
「はい」
「タチバナさんがお一人で?」
「そうです」
「な、何羽?」
「38羽です」
「…………う、うそでしょ?」
「さっきわたしも信じられなくて見せてもらったけど事実だったわ」
「……………………」
「呆けていないで仕事をしたら?」
「え!?あ、ああ…そうね」
「解体したら2羽分の羽はわたしがもらうわ」
「タチバナさんの物でしょ勝手にきめないで」
「タチバナ様からの許可はいただいております」
「そ、そうなの…」
「はい、タチバナ様はよくわからないのでアリス様とフィーネ様におまかせすると」
「そ、そう…それでアリスはなんて?」
「とりあえずナタリー様に素材別に解体してもらってほしいとのことです」
「わかったわ、すぐに手続きをするわ」
「おねがいね」
ナタリーは席を立ち異世界に向かった。
「あなたたち無理はいけないわよ?」
「無理はしておりません」
「そう?ワーウルフとか他にも幽体にダメージを与えられるものもいるのよ?」
「はい、ですがタチバナ様をお守りするためならばどうということはございません」
「ふふふ、あなた達も変わったわねぇ」
「フィーネ様にはタチバナ様とお引き合わせしてくださり感謝しております」
「ちょっとぉ~、私の扱いがひどくない?…ふふふふ」
「申し訳ございません」
「まぁいいわ、二人がやる気をだしてくれてうれしいわ」
フィーネは二人をみながら満足げにティーカップに口をつけた。
「はぁ~…それでヘルコンドルを38羽も仕留めワーウルフを殴り飛ばしたということですね?」
「はい」
「いつもいっていると思いますがくれぐれもご無理はなさらぬよう」
「…はい…申し訳ありませんでした」
「わかればよろしいです」
「はい」
月雫草を採取してもどって風呂にはいって部屋に戻るとアリスさんがテトを抱いて待っていて自室にも関わらずベッドに座りこんこんと説教してくるアリスさんの前で床に正座をさせられた…。
「はぁ~…」
そういえばアリスさんと結局二人で食事に行けてないなぁ…独立のことも家のことも異世界の事でも…俺をかばってくれたことも全部お礼がしたいんだけどなぁ…。
「アリス」
「なんですか?」
「タチバナのカードを確認してきて」
「わかりました」
〇 登 録 者 タチバナ ダイスケ
〇 L V 81
〇 ラ ン ク C+
〇 最高達成LV SS
〇 達成回数 72
〇 未達成数 0
〇 保有金額 2597,600ガル
〇 保有スキル 身体強化・剣技・狙撃・格闘・投擲・調合
〇 登録従魔 テト(クトゥール♀)
〇 従 者 モネ(鬼幽)
ルイ(鬼幽)
ザイード(ヒューマン♂)
アンリ(ヒューマン♀)
ナタリー(ヒューマン♀)
「ヤバ!アリスさん!えらい金額になってますよ!」
「いえ、これにはまだヘルコンドルの代金が含まれておりません」
「もっとふえるの!?」
「はい」
「え…えぇ…さすがにこんな金額怖いな…って従者にモネちゃんとルイちゃんザイードさんにアンリさん、ナタリーさんまでいますよ!?」
「はい」
「そんなあっさり!?」
「全員契約しておりますので」
「そ、そうですか…」
あんまりにもあっさり言われちゃったらもうなんもいえねぇ…。
「どうだった?」
「LVの上がり方は相変わらずでたらめです」
「あはははは!」
その日もリビングにはフィーネさんの笑い声が響いていた。
「タチバナ様、城より連絡がきました、身支度がお出来になり次第むかいましょう」
「え?わ、わかりました」
午前中の仕事をこなしているけどなんかそっちを優先してほしいみたいだからとりあえず用意してもらった服に着替えてテトを抱いてアリスさんと城に向かった。
「タチバナさんお久しぶりね、急に呼び出してしまってごめんなさいね?」
「いえ、とんでもありません」
「タチバナさん!テトちゃん!」
「エミリー落ち着きなさい?」
「も、申し訳ありません…」
城の中を案内されると広い部屋にとおされて中に入ると王妃様が居て挨拶をしようとしたところバンとドアがあき満面の笑みでエミリー様があらわれテトを抱き上げた、元気そうでよかった。
「王妃様この度はどのような」
「ええ、ごめんなさいね…実は…」
王妃様に促されてクッソ高そうなソファーに座り話を聞いた。
「なるほど…」
「それでその間、タチバナさんに城にいてほしいのよ」
「え……」
もうすぐ国王様が開くパーティーがあって色々な来賓があるそうでその人たちがきて帰るまでのあいだ城にいてエミリー様を守ってほしいって話だった…城にいるなんて緊張で死ねるんですけど…。
「具体的にどのように警備をしたらよろしいですか?」
「そうねぇ…自由でいいわ」
「え?」
「かしこまりました」
「いやいやいや!自由!?それってどうしたらいいんですか?」
「タチバナさんはフリーで動いてほしいの、基本エミリーには私が信頼を置いている護衛をつけているしね」
「お城でフリーなんて…怖すぎる…」
「ふふふふふ、誤って立入禁止の場所に入ったら…」
「ひっぃぃ!」
「あはははは!冗談よ!立入制限はアリスに伝えておくわ」
「かしこまりました…タチバナ様…漏らさないでくださいね」
「か、かろうじて大丈夫です」
「あははははは!」
「と、とりあえず具体的にいつからですか?」
「明後日には城にいてほしいわね」
「わかりました…んー」
「タチバナ様どうなさいましたか?」
「テト」
「にゃぁ?」
「今日からしばらくの間、エミリー様と一緒にいてあげてくれる?」
「にゃぁ」
「ありがとう、エミリー様テトを離さないでくださいね?」
「え!?いいんですか!もちろんです!ありがとうございます!」
「アリスさんテトのお泊りセットと最高級ネコ缶とおやつを城にとどけたいんですが…」
「王妃様よろしいでしょうか」
「ふふふ、もちろんよ…タチバナさん感謝するわ」
「いえ」
「テトちゃん今日からしばらくよろしくお願いいしますね♪」
「にゃぁ~♪」
結局緊張してそのあとの話はアリスさんに丸投げにしてしまった…。
「そう、わかったわ」
「フィーネあなたはどうしますか?」
「んー…そうねぇ…行くわ」
「え!?」
「なによ」
「珍しいと思っただけよ、ねぇ?」
「はい…驚いてしまいました」
「あの、カリン先生?」
「なんですか?」
「ザイードさんとナダン君の怪我はどんな感じですか?」
「ザイードさんは完治してますね、ただもう少し左足のリハビリと落ちた筋力を戻す必要はあるとおもいます、ナダン君も治ってはいますが歩くのがまだやっとって感じでしょうか」
「わかりました、ありがとうございます」
「いえいえ」
「アリスさんお城って」
「我々の滞在場所も用意してもらっております」
「さすがアリスさん!」
やっぱアリスさんと一緒だと安心感がちがうぜ!
「お馬鹿なことをお考えになられていらっしゃる暇があるならこちらのお仕事を終わらせてほしいのですが」
「ひぃ!す、すぐやりますぅ!!」
「ぷふっ!」
「さて…どこがどう動いてくるか…」
「ええ…タチバナ様は必ず守るわ」
「当然です!」
「気負っていてもしかたないわ、みんな準備しなさい?特にナタリーはね」
「するわよ!」
「ナダンの分もよ?」
「え?」
「さっきの感じからして連れていくつもりよ?」
「!!!???」
「え?ナタリーわからなかったんですか?」
「ぶふぉ!カリンに鈍いっていわれてるじゃない!あははははは!!!」
「くっ!こんな屈辱…」
「え…えぇ…ひどいです…」
爆笑するフィーネを横目でみながらがっくりと肩をおとしながらカリンが紅茶を飲んだ。
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