第25話

「ふぅ~…」

「あらタチバナ、依頼は終わったの?」

「はい、午前のは終わって今報告しおわったんですよ」

「そう、ご苦労様ね。モネ、ルイ、タチバナに昼食を用意してあげて」


新居に越してから3日目、4階のプライベートリビングなるおしゃれな言い回しの一緒に住んでいる人たちがくつろぐ為のリビングで優雅に紅茶を嗜むフィーネさんがいうと二人のメイドがあっという間に昼食を用意してくれた。


「いつもありがとう」

「「……~~~~~…」」

「そう?仕事だって言ってもうれしいよ」


お礼をつたえると顔を赤くして照れるのが二人は本当にかわいいんだよねぇ。


「タチバナ様午後からのご予定はいかがなさいますか?」

「えっとできれば昨日受けた仕事の最終チェックをしてしまいたいんですが」

「かしこまりました」


昼食を食べ終わったタイミングでアリスさんが午後からの予定を聞いてくれる、そして昨日から空き時間でこちらの仕事も2つ入れてくれたのでそっちもせっせとこなしている。


「うん…問題なさそうだ…じゃあこれを鈴木さんに送るだけだな」


昨日受けた仕事はTコーポレーションとナガトグループの子会社からの依頼で比較的簡単な仕事だったから早めに完成できてよかった。これを担当になった鈴木さんとナガトグループの登坂さんという女性の社用PCに送ってあとは電話で連絡をするだけだ。


「あ、立花です。鈴木さん今大丈夫ですか?よかったです昨日受けた依頼のほう終わりましたのでそちらのPCにメールしましたので確認してください、はい…比較的楽な仕事でよかったですよ!はい、またお願いします。では」


女性と電話とか仕事とはいえハードルが高い…よし、次は登坂さんだ。


「お疲れ様です、立花です。はい、今そちらのPCに、はい、え?はい、それは構いませんが、はい。では明日の午後一ですね?はい、ではお待ちしております」


昨日はこちらから出向いたから次の仕事の打ち合わせは登坂さんがきてくれるというので明日の午後1番に2階の第1会議室をつかおう。


「アリスさん」

「はい」

「明日の午後1番に登坂さんがこちらに仕事の打ち合わせに来るそうなので2階の第1会議室をつかってもいいですかね?」

「……はぁ~…かしこまりました」

「あ、ありがとうございます…」


なんでそんな疲れた顔でため息を!?なんかしたかな?まぁ仕事を受けてくれてるのはアリスさんだから一応聞いておかなきゃね、ありがたいことだし。


「え?もう来ちゃう感じなんですか?」

「図々しいわね」

「…にゃぁ」

「「…~~~~…」」

「あの、皆さん普通にしてますけど向こうの家はいいんですか?」


引越した日、4階に着くと部屋が6つありリビングと繋がっていて別室にキッチンと食卓テーブルがある豪華な場所だったんだけど、なぜかカリン先生とフィーネさんそしてアリスさんの部屋もあった、んで3階はお客さんとかが来た時に対応するリビングだったりメイドさん2人の部屋や家事室、お風呂なんかがある…そう、カリン先生もフィーネさんも住んでいるっぽい!


「私は元々宿を借りたりギルドに寝泊まりしていたので」

「私はあちこちに別荘もあるし、なによりこちらに居たらうるさいのが湧かないから静かでいいわ」

「そ、そうなんですね」

「3階と4階それぞれ完全な防音となっておりますのでプライベートは守られております」

「す、すごいですね」


どうやら今後もこっちに住むみたいだ…ぶっちゃけアリスさんを筆頭にフィーネさんもカリン先生もタイプが違う美人さんでメイドさんもめっちゃ可愛い…そんな人たちと住んでると緊張して心休まらないんだけど…。


「なにかご不満でも?」

「い、いえ」


でもこんな大きな建物に一人残されるよりはずっといいか!テトもいてくれるし、少し前までの仕事をして帰って寝るってよりはずっといいな!


「タチバナ様おはようございます」

「うぉっ!?ア、アリスさん!?おはようございます」

「本日のご予定の1変更がございますのでお知らせいたします」

「え?なんでしょう」

「はい、本日お越しいただくご予定だった登坂様がお越しになれなくなったそうです」

「え?そうなんですか、向こうも忙しいから仕方ないですね」

「そうですね、それで本日はこちらのご依頼がありませんのでクエストをお受けいたしますか?」

「はい!午前と午後からも入れてほしいですね」

「かしこまりました、では身支度をお願いいたします」

「はい」


自室で寝るときは鍵をかけろって言われたからかけてたはずなのにどうやって…。


「なにか?」

「い、いえ!」


怖くてきけねぇ!!!


「では本日のクエストになりますが、遺跡調査となっております期限に1週間の猶予がございますのでよろしくお願いいたします」

「調査ってどうやれば」

「マッピングが主な作業になります」

「地図みたいなものを作ればいいってことですね?」

「大まかに言えばそうです」

「わかりました、それでその遺跡ってどこにあるんですか?」

「こちらで目的地までの馬車をご用意しております」

「馬車移動ってことはすぐ帰ってこれないのか…じゃあ今回は道具が多くなるので紙にいったんもちものをまとめてもいいですかね?」

「はい、向こうの仕事は1週間とめてありますし1週間のキャンプ用品もご用意しております」

「やっぱり!1週間行きっぱなしなんですね!」

「今回はテトとモネそしてルイが同行いたしますのでご安心を」

「え?モネちゃんとルイちゃんも来てくれるんですか?一人で遺跡キャンプとか怖くてヤバイなと思ってたので助かりますが女の子が1週間キャンプとかいいんですか?」

「問題ございません、それにタチバナ様おひとりのキャンプではテトの負担が大きすぎますので」

「うっ!…そ、そうですね」


否定できない…と、とりあえず思いつく道具をリストアップしよう…。


「それではお気を付けて」

「はい!いってきます」


それから1時間後道具を用意してもらって俺は馬車にのるとテトが膝の上にのって両隣にはモネちゃんとルイちゃんが座ってルイちゃんが御者も務めてくれた。


「ごめんね?俺も馬車をあつかえればいいんだけど」

「…~~~いえ…」

「…タチ~~ますか?」

「二人ともありがとう大丈夫だよ」


最初はゴニョニョとして聞き取ろうとしないと聞こえなかった二人の声も最近はだんだんとはっきり聞こえるようになってきた、慣れてきたのかもしれない。


「…にゃぁ~」


テトがなぜか深い息をはいてるけど酔ったりしたのかなぁ。


「いつつ、やっとついたね」


馬車に揺られること4時間少々、お尻の限界とともに目的地についたみたいだ。


「んー往復8時間強ならやっぱキャンプしたほうが効率がいいか」

「…~します」

「…~~しますか?」

「お?お願いします」

「んー、まずは遺跡ってのがどんなものか見てみましょうか」


ルイちゃんがキャンプの準備をしてくれるみたいだし早速遺跡を見に行ってみることにした。


「す、すげぇ…」


モネちゃんに遺跡まで案内してもらうとそこは小さな町みたいなところだった。


「こ、これ1週間でおわるのかな?」

「にゃっ!」

「いたっ!そ、そうだね、終わらせるんだよね、うんうん、最近アリスさんとか皆に頼っててひよってたよ…なにがなんでも期日までに終わらせるのが社畜の根性のみせどころだよな!」

「にゃ!」

「よーし!さっそく外周の距離から測ってみるよ!」


テトに気合をいれられた勢いで持ってきた25メートルロープと鉄の短い棒を数本とりだしてっと。


「モネちゃんちょっとこっちをもっててくれる?」


遺跡は外壁に囲まれていてその端からは次までの距離を測っていくことにした、25mのロープじゃ長さがたりないから伸ばし切ったところに棒をさしてそこからさらにと図っていった。


「ふむ、外壁は240m四方だね、次は梯子をつかって外壁を登って高さを図ってみるね、モネちゃん下で地面についたところをおさえてもらえる?」


次は梯子をつかって外壁に上ろうとしたけど梯子の長さがたりなかった。


「あら?たりないかぁって!うぉ!テト!」


テトが10メートルのロープの端をくわえて飛び上がり外壁の上にのぼってくれたから梯子をおりて地面についたところの長さをしらべた。


「大まかにみて4m弱だ、テトありがとう!」

「にゃぁ!」


その後も外壁の厚さや遺跡の道なんかを図ったりして紙にどんどん書いていっているとルイちゃんがきて夕飯をみんなで食べることにした。


「う、うんまい!」

「…~~」


食事に舌鼓をうって眠くなる前に馬車の中でランプの光をたよりに調べたものをまとめて地図用の大きな紙に定規をつかって書いていった。


「にゃっ」

「ふぁ!?」


顔に急に衝撃を受けて驚くとテトが顔をペシッとしてきてた、いつの間にか寝てたんだ…あ!


「あぁ~、ガルドさんに夜は交代で見張りをするもんだっていわれてたのにぃぃ!!」


前に習ったことを思い出しテトやモネとルイに迷惑をかけたと謝りに行くと朝食を作ってくれていて笑顔で顔をふっていた今日は二人を休ませなきゃな。


「昨日、遺跡を勝手に4ブロックにわけたから1ブロックをさらに分けながら建物を調べて地図に書いていこう、1日1ブロックいければいいけどね」

「にゃぁ~」


その日はひたすら建物の大きさをしらべて1つ1枚の紙に建物の情報を書いていった。


「今日は俺が見張りをやるよ!」

「タチバナ様大丈夫です」

「私たちは眠らないので」

「え!?そうなの!?ずっと起きてるの!?」

「はい」

「そ、そうなんだ…じゃ、じゃあ一応眠くなったらおこしてくれる?」

「かしこまりました」


夕食を食べた後、衝撃の事実を聞いたけど異世界には変わった人種がいるのかもしれないし女の子二人に色々根掘り葉掘り聞くのも俺には無理だからモヤモヤした気持ちのまま調べた建物を地図に記載して1軒ずつの詳細を清書していった。



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