第23話

「………………以上を褒美とする」

「ありがたき幸せ」


エミリー姫を助けて3日後、毎日お咎めがくるかとドキドキしながらもクエストをこなしてクエストを達成した報告をしに行くと鎧をきたガチムキのおっさんとアリスさんが居て有無を言わせず着替えさせられ立派なお城につれてこられ膝をついて頭をさげさせられて、今アリスさんがお礼を言っていた。


(ヤバ…緊張しすぎて吐きそうだ)


「以上で褒章の儀を終了する!国王様がお下がりになられる!」


偉そうなちょび髭のおっさんが宣言すると全員が膝をついて頭をさげカツカツという歩く音が遠ざかると全員が立ち上がり談笑をはじめたので俺も恐る恐る目をあけてアリスさんのほうをみてみた。


「よく耐えましたね、我々も退散させていただきましょう」

「か、帰れるんですね……」

「はい、まいりましょう、それと本日は午後からはお休みいたしましょう」

「そ、そうですね………」


そっとアリスさんの後に続いてホールみたいな場所から待機していた部屋に行きテトと合流できた。


「失礼いたします」

「どうぞ」

「タチバナさん!アリスさん!テトちゃん!来てくれてありがとうございました!」

「エミリー様!?」


今まさに帰れると思っていたところにエミリー様が執事らしい爺さんと一緒にきて両手をひろげテトをよび抱きしめていた。


「もうお帰りになられるのですか?」

「はい、タチバナ様はそんじょそこらの小心者とは違い筋金入りの小心者ですので」

「ひ、ひどい!」

「事実では?」

「もっとソフトにふれて!」

「ふふふっ、ほんとうに楽しいお方のようね」

「ええ!お母様タチバナさんは本当に愉快でお優しい方なんですよ!」

「お、お母様ってことは…」

「王妃様にございます、失礼いたしました」

「公務できたわけじゃないの、そのようにかしこまらないで?」

「お心遣いありがとうございます」


アリスさんにならって膝をつこうとするのを王妃様はすんげぇ優しそうな笑顔でとめてくれた、もしかしたら気さくないい人なのかもしれない。


「タチバナさん、この度は娘をお救いいただきありがとうございます」

「い、いえ!お怪我もなくなによりにございますですますです!」

「…はぁ~…王妃様たいへんもうしわけございません…」

「ふふふ、可愛らしくていいです。気にしておりませんよ」

「度重なるご慈悲ありがとうございます」

「ふむ、あなた変わったお力をお持ちのようなのね」

「え?」

「お母様は昔から勘みたいなものが鋭くてその人の力を感じ取れるそうなんです」

「そんなに変わった力なんか持っていないんですが…」

「そうかしら?あなたスキルはおとりになられてるの?」

「いえ、取得しておりません」

「そう、ならこの感じは固有なのね」

「すみません…よくわからないです…」

「ふふふ、色々変わったお方なのね」

「でもいい人なんですよ!」

「わかってますよ、邪気がありませんもの」


エミリー様が必死にフォローしてくれてる、やっぱりいい子だなぁってかやっぱドレスとか着こなせるなんて王妃様もだけどものすごく美形なんだよなぁ。


「タチバナさん?」

「はい!」

「今後もエミリーのお味方をしてあげてくださるかしら」

「味方ですか?…なにか困ったことがあれば私でできることならお手伝いさせていただきますが」

「そう、ふふふっそれで十分ですよ」

「そ、そうですか」

「ええ、私の勘ですがいつかあなたがエミリーのになるような気がするの」

「お母様ほんとですか!」

「ええ」

「!!」

「切り札…ですか」

「ふふふ、あなたはそのままでいいのですよ」

「ありがとうございます」


王妃様のことばにアリスさんが目を見開いて驚いているけど切り札とかよくわからんけどきっとアリスさんが驚くほどのことなんだろうなぁ…なんか怖いな!


「ふふふ、テトちゃんといったわね?あなたもエミリーの味方でいてね?」

「にゃぁ~」

「ありがとうございます!テトちゃん!!」


王妃様の言葉にテトがエミリー様に頬ずりするとエミリー様もうれしそうにしていた、うんうん、テトの可愛さが判るなんてやっぱ国を代表なさる王妃様と姫様だぜ、見る目がちがう。


「王妃様、無礼を承知でお伺いさせてくださいませ…もしや今回の件は…」

「構わないわ、ただまだ確証はないのだけれど私の勘ではそうだとおもっているの」

「さようにございますか」

「ええ、巻き込んだ形になって申し訳ないのだけれど」

「いえ、タチバナ様のことですのでどのみち勝手に首を突っ込んでいたと思いますので」

「ふふふ、そうね!失礼だけど私もそう思うわ」


話の内容がまったくわからないけどアリスさんの言葉に王妃様がめっちゃ笑ってる、なんだろ意味がわからないけどなんとなくディスられてる気がする…。


「アリスさん何の話なんでしょうか…」

「タチバナ様にはご理解できない事ですのでタチバナ様は今後も依頼をお受けしランクをあげ、でも独立に尽力せねばならなくなったということです」

「あちらとはなんですか?」

「タチバナ様は別の仕事もなさっておりましてそちらに時間がとられすぎているのでそちらを無理なくこなしギルドの依頼を安定的にこなしていただくということにございます」

「まぁ!タチバナさんは働きものなのね」

「はい、仕事以外がまったくお出来になられないほどの働き者なのでございますエミリー様」

「うぐっ!そ、そんなことは…」

「……………」

「………にゃぁ~」

「うっ!テトまでそんな目でみないで!」

「ふふふ、ほんとうに楽しい方」

「そうね、ふふふふ」


結局、エミリー様と王妃様に笑われてしまった……。


「タチバナさんのランクはいまどれくらいなの?」

「E+にございます」

「え!?」

「お母様どうなさったの?」

「私が感じている力では少なく見積もってC+かBはあるかとおもっていたわ」

「タチバナ様はまだ始めたばかりですし、依頼も細かいものばかりですので」

「そ、そうなのね…私の勘がはずれるなんてやはりタチバナさんは面白いわね」

「王妃様までフィーネさんみたいなことを………」

「フィーネ?まさかフィーネとはあのフィーネのことですか?」

「……はい、さようにございます」

「彼女もタチバナさんの力を感じちゃったのかしら」

「そのようです」

「じゃぁもらったの?」

「はい」

「ふぅ~…その感じだと聞いちゃいけないようね」

「申し訳ございません」

「ふふふ、でもそんなにすごいのなら見返りもすごかったんじゃなくて?」

「いえ…見返りはいらないから視させてほしいとフィーネから」

「え!?うそでしょ!?」

「いえ、事実にございます…それと今後も見返りなしでなんでも協力すると…それでお察しいただければと…」

「し、信じられないわ…あのフィーネにそこまで言わせるほどの力があるなんて…」

「お母様?」

「エミリー、先ほど言ったこと訂正するわ」

「何をですか?」

「タチバナさんがあなたの切り札になるってこと」

「え?」

「勘じゃないわ…確信…したわ」

「えぇ!?」

「絶対この縁をきっちゃだめ、わかったわね?」

「は、はい!」

「タチバナさん」

「え?は、はい!」

「この子のことよろしくお願いします」

「えぇぇ!?」

「この子には信頼できる味方が必要になるの…それも強力であればあるほどの…王妃としてではなく母としてお願いします」

「そんなことを急におっしゃられても…」

「タチバナ様、やれるかやれないかでご判断なさらず」

「え?それはどういう…」

「タチバナ様がやりたいかやりたくないかでお答えしたらよいのです」

「俺が…………」


真剣な目をした王妃様が俺なんかに必死に頭をさげてる…正直死にそうなくらい緊張してるしさっさと帰りたい……けどなぁ……。


「わかりました、俺…私に何ができるかまったく見当もつきませんがそんな私の力でも必要だというときは必ずエミリー様の力になります」


ここで断ったらきっと後悔する…エミリー様も王妃様もいい人だしな…。


「タチバナさん!!」

「ありがとうタチバナさん」

「い、いえ…ですのでそろそろお顔をお上げください」

「王妃様、このままではお力になる前にタチバナ様が緊張で死んでしまわれます」

「ふぐっ!ひ、否定できない…」

「え?ふふふっ!あはははは!それはごめんなさいね!」

「エミリー様、今後なにかございましたらタチバナ様をおたよりくださいませ」

「アリスさんいいのですか!?」

「はい、その際は必ずタチバナ、アリス、カリン、フィーネ、テトタチバナ様がお力になりますのでご安心を」

「にゃぁ~♪」

「ありがとうございます!すごく心強いです!!テトちゃんもありがとうございます!」

「にゃぁ~」


その後も色々話したけど基本ついていけなかった…なんか俺では想像つかないことがエミリー様の周りで起こってるらしい…とりあえず何の役にたつかわからんけどその時は精一杯がんばってみよう。


「はぁ~…やっと帰れた…疲れたなぁ~」

「…~~~~」

「え?ああ、ありがとう!はぁ~…一息付けたきがするよ」

「そう、それはよかったわね」

「ええ、今日は色々あって気疲れしてしまって……えぇぇぇ!?なんでぇ!?」

「お邪魔してるわ」


やっと城から自宅にもどってきたら美味しい紅茶を可愛いメイドさんから受け取り一口飲むとリビングのソファーで優雅にティータイムをたしなんでいらっしゃるフィーネさんと申し訳なさそうに座っているカリン先生がいた。


「ご近所迷惑です、二人とも来ていたのですね」

「ええ」

「タチバナさん、アリスすみません」

「いえ、カリンのせいではないのはわかっております」

「それで?」

「それとは?」

「国と繋がったの?」

「いえ、王妃様とエミリー第3王女様と懇意になられただけです」

「そう、よく取り巻きが寄ってこなかったわね」

「たぶんですが王妃様がお手を」

「そう、よかったわ」

「やはりそうですか」

「ええ」

「わざわざありがとうございます、恩に着ます」

「やめてよタチバナのことはタダで手を貸すっていったじゃない」

「そうですね」


二人はなにかわかりあっているようだ。


「カリン先生、なんの話なんでしょうか」

「私にもわかりません…」

「それよりタチバナ」

「なんですか?」

「この家、うるさく手狭に、引越して」

「え!?急に言われても!」

「次の家は私とアリスで視て探してあげるから大丈夫よ」

「いやいや、そんなこといっても」

「わかりました、では早速あちらの部屋で」

「ええ、ああそうだわ、モネとルイが夕食を用意するからカリンと食べてていいわ」

「その前にタチバナ様はシャワーを」

「は、はい」


ヒラヒラ手を振るフィーネさんと一礼したアリスさんがアリスさんが使っている部屋へと向かうのを俺とカリン先生はあっけにとられながら見送った。









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