第21話
「はい、今後の大口受注先はタチバナ様がおつとめだったTコーポレーションと新規ではナガトグループなどになる約束となっております」
「えぇ!?大手すぎるじゃないですか!」
「はい、タチバナ様がこなせる仕事量をしばらくはお探りになり安定的に無理のない範囲で仕事をお受けしてもらうことになっております」
「俺ができる仕事の範囲…ですか…」
「私が調整いたしますのでご安心を」
「は、はい」
「それに伴い、今週中にネット環境を整える工事とハイスペックPCが届く予定となっており空き部屋の1室がオフィス扱いとなりますので」
「い、いつのまに」
「担当のたしなみにございます」
「び、敏腕すぎる…」
「ふっ、おそれいります」
不遜にわらうアリスさんが頼もしすぎて怖い!でもむしろ好き!
「おやめください」
「ひぃぃぃ!」
「はぁ~…せっかくですので昼食をおとりになり午後からクエストをおやりになられますか?」
「そうですね!今日から1週間仕事しなくてもいいのでびっちりやれますね!」
「はい」
「家にいるんですがやはりクエストはメール受信なんですか?」
「私がいる場合どちらでもかまいません」
「ならスマホはしばらく必要なさそうなんで電源をきって充電しておきます」
「…………ご連絡をくださるご友人は…おっと、触れてはいけませんでしたね」
「くぅぅぅぅぅ…………」
「では、昼食はどうなさいますか?」
「ふふふ…よくぞ聞いてくれましたね」
「なんですか?……気持ち悪さが一際ですが」
「くっ!…まぁいいです!まずはこれだ!じゃーーーん!!1缶1800円超高級ねこ缶んんんん!!」
「にゃぁ!!!」
「テトよろこんでくれてうれしいよ!奮発して味がちがうのを4缶かってあるんだよ!」
「なぁ~♡」
「ふふふ、かわいいなぁ」
「…………タチバナ様ごじぶんの分は……」
「それも抜かりはありません!冷…」
「ちなみに冷蔵庫に保管してあったお弁当は賞味期限切れでしたので廃棄済みです」
「がっはっ!!!」
楽しみにしていた生姜焼き弁当がぁぁぁぁぁぁ………。
「いつも賞味期限切れの食品を保存しておくのはおやめください」
「3日や4日くらいすぎてても大丈夫なんですよ……だって冷蔵庫にいれてあるんだもの!!」
「いかな冷蔵庫でもそのような過度のご期待には応えられるほどの万能ではございません」
「ぐぅ!い、いままでは大丈夫だったのに…ひよったのか…
「はぁ~…冷蔵庫に昼食をごよういしてございますのでそちらをお召し上がりになられてください」
「え!?ありがとうございます!!」
なんだかんだ優しいんだよなぁ!あと何を作ってくれてもすげぇうまいんだよね!!午後からのクエストへの活力チャーーージ!!
「変なテンションでおかしなことをお考えになられるのはおやめください」
「ふぐっ!」
「…………にゃぁ~」
テトにまで……あははは……今日の昼食はアリスさんの作ったものにしては珍しくなぜかすこししょっぱいや…。
「近くとはいえ違う街にいくのは初めてだ…」
「にゃぁ」
「テトがいてくれてよかったよ…一人だったら地図があるとはいえ緊張してやばかったよ」
「にゃぁ」
「そうだね!いこうか!」
荷車に目一杯の荷物をつんで街の外にでて地図を見た。
「よし!こっちか!」
「にゃっ!」
「いたっ!え?こ、こっちなのか…あははは…地図を反対に見ていたよ」
「…にゃぁ…」
「ご、ごめんって…」
ちょっと地図を上下さかさまにみただけで…ジョ、ジョークみたいなものなのに…って嘘なんだけど…テトがいてくれて本当に良かった…いきなり逆走はヤバいもんね、お礼に達成した報酬でテトにお礼をしなきゃなぁ。
「にゃぁ~♡」
「ん?くすぐったいよ、急にどうした?」
テトが肩に乗ってきて顔をこすり合わせてきた、めっちゃ癒されるしめっちゃ可愛いです、やっぱり一緒に来てくれてよかったよ。
「積み荷はたしか食品だったよね?」
「にゃぁ」
「じゃあ急いだほうがいいか…距離的にも10㎞くらいだしそんな重くもないし少し走ろうかな」
「にゃっ!?」
「ごめんごめん!テトは荷馬車にのって荷物がおちないか見ててよ」
「にゃぁ」
アリスさんが用意してくれた猫用のリュックを背負ったテトが荷車の上に飛び乗ったから駆け足程度だけど荷物が痛まないように少し急ぐことにした。
「ほっほっほっほ!」
「んにゃ?…」
「ん?どうした?あっ!!テトどこに行くんだ!?」
順調に進んでいるとテトが森の方を見て急に駆け出してしまった…トイレかな?猫とはいえ女の子だしな…しかたない休憩がてら少し待とうかな。
「遅いなぁ…もしかして道に迷ったかなぁ…」
「にゃぁ!」
「お?テト!急にいなくなってびっくりしたよ!もういいのかい?」
「にゃぁ~」
「のど乾いてないか?俺は休憩させてもらってる間に飲んだからテトも飲んだ方がいいよ」
うっすら汗をかいていたテトの体を汗拭きようにもってきていたタオルで拭いてあげて持参した水入れをつかってテトに水をのませた。黒い毛並みだし今日は日差しが強いからこまめに飲ませてあげなきゃな!はっ!急げば早く終わるし荷車に風もあたるしいいことづくめじゃないか!積み荷が痛まないように気を付けてもう少し急いでみよう!!
「よぉーし!いこう!」
「にゃぁ!」
そのあとは一気に街まで走り切った。
「にゃ!」
「あっちか!ありがとう!」
街の中も道に迷いそうになるたびテトが方向をおしえてくれた、めっちゃ賢い!テトめっちゃ賢い!
「にゃぁ!」
「はぁはぁはぁ、ここか!すみませーん」
「あぁ?なんだ?あんちゃんそんな汗だくでどうした?」
「ご依頼の荷物を届けに来ました!」
「はぁ!?もうかよ!」
「食品だってきいてたんで急いだほうがいいかなと思いまして、破損とかないか確認おねがいします!」
「お、おう………ああ、問題ねぇ」
「ありがとうございます!それでどこに搬入しますか?」
「あ、ああ…こっちの倉庫に頼む」
「はい、あ!ついでにおろしましょうか?」
「疲れてんだろ?いいのか?」
「大丈夫です!どこにおろしますか?」
「じゃあ、わりぃけどここに頼むわ」
「わかりました」
倉庫にきれいに木箱が積み重なって並んでいくのは積木みたいで意外と楽しいんだよなぁ。
「ふぅ~!あんちゃんすまんな!」
「いえ、ではたしかに納品させていただきました」
「おう!」
「にゃ!」
「いたっ!あ、ああ…。すみません依頼書にサインをお願います」
「ああ!そうだったな!あんちゃん抜けてんなぁ」
「ふぐっ…すみません…」
「あっはっはっは!まぁ、こっちは早く着いたし積み荷もおろしてもらったし丁寧だったからありがたかったぜ!また急ぎがあれば頼むぜ?」
「おぉ!ぜひお願いします!」
「おう!んじゃ気を付けて帰れよ!」
「はい!ありがとうございました!」
テトのリュックから依頼書をだしてサインももらったしサクッとかえろうかな!
「にゃ!」
「ん?テトどうしたの?森になにかあるの?」
「にゃぁ!」
帰り道、肩に飛び乗ってきたテトがペシペシ顔をたたいて森の中に来てほしそうにしてるけど荷車があるからなぁ…。
「にゃぁ!!」
「わ、わかったよ!荷車ごといこう!壊れたらアリスさんにあやまって弁償するよ…」
ベシっとはたかれたので素直にテトのいうことをきいた、案外力任せに荷車を引きながらでも森の中は歩けるもんだな。
「にゃぁ」
「ん?洞窟か、え?入るの!?」
「にゃぁ~!」
「あっ!テト危ないって!!」
テトが走り出して洞窟にはいっちゃった!しかたねぇ…いくか!
「真っ暗じゃん…」
「にゃぁ」
「テト?いやいや!暗いところで黒いテトは見つけにくいって…あ!いたいた!ん?松明?けど火が…リュック?…テトなんでマッチを…」
テトのリュックをあけるとマッチがはいっていた…アリスさんが入れておいてくれたのか…とりあえず松明にマッチの火を近づけると燃えやすいようになってたのか一気に火がついてくれたからとりあえず手にもつとテトが先に進んでしまったから後をおった。
「テト…あぶないよ?危険生物がいたらどうすんの?」
「にゃぁ!」
「行き止まり?え?扉!?だれかお住まいになられてらっしゃるの!?」
「にゃぁ」
「あ!こら!勝手に!って!えぇ!?汚い!」
テトがドアをあけて中に入ってしまってつい覗く感じなっちゃったけど飲み食いしたあとが散乱したひどい状態で人の気配がしなかった…きっと廃墟なんだな。
「テトぉ~廃墟じゃん…ん?奥?扉の向こうに行きたいの?しかたないなぁ」
廃墟ならちょっと探検みたいでワクワクしちゃうよね!
「にゃぁ~」
「んんん!!」
「え!?誰かいる!?ふぁっ!?ろ、牢屋!?」
松明の灯が届かない暗がりからくぐもった声が聞こえたからおっかなびっくり灯で照らすと牢屋がみえた。
「にゃぁ!」
「え?えぇ!?女性!?ぶっ!!は、裸じゃない!!」
「にゃぁ!!」
「いてっ!え?助けるの!?犯罪者じゃないんだよね?」
「にゃぁ!!」
「ぷはっ!た、助けてください!なんでもします!!命だけは!!」
「ちょ!お、落ち着いて!!なにがあったんですか!」
「え?だ、誰ですか!」
「えっと俺は立花っていいます!なんでこんなところにいるんですか!?」
「あいつらの仲間じゃないんですか!?」
「あいつら?よくわかりませんが俺はテトって猫と依頼をして帰りにここをみつけたんです」
「!!助けてください!!私盗賊につかまってしまったんです!」
「ええぇ!?じゃ、じゃあ戻ってくるまでに急いで逃げましょう!!」
「お、お願いします!」
「鍵をさがすんでまっててください!」
「急いでください!!」
「にゃぁ!!」
「テト!鍵!ありがとう!」
鍵をさがそうとしたらテトが鍵の束をもってきてくれた!さすがだぜ!!何回かためして牢屋をあけて目隠しをはずしてあげた。
「もう大丈夫です!いま手錠と足枷の鍵をさがしますから!」
「お、おねがいします!!!」
急いで鍵の束の鍵を片っ端からためすと運よくどっちの鍵もあった!
「よし!いきましょう!」
「はい!!」
「にゃっ!」
「いたっ!どうしたのさテト!急がなきゃ!」
「きゃっ!」
「ちょ!あぁぁ!!」
「え?きゃぁぁぁ!!みないでくださいぃぃぃぃぃ!!」
「す、すみません!!!な、なにか着るものを!!」
「にゃぁ!!」
「え!?そっちになにかあるの!……えぇ…」
テトが急にとびあがり女性の豊満な胸をバインと叩いてお互い女性が裸だったことをおもいだして着るものをさがしていると山のようにつまれた金品をみつけた。
「今はそれどころじゃ!いたいって!あ…」
テトが俺のリュックにかみついたから思い出したけどアリスさんが大きな袋をもたせてくれてたんだった。
「とりあえず資金があるとまた悪さしちゃうかもしれないし袋にいれて荷車で運ぼう!持ち主がわかるかもしれないし!あとすみませんがこの袋をかぶってもらえますか?」
「え!?」
「えっと切るものないかな」
「にゃぁ」
「おぉ!立派な剣じゃない!これでこうして!!」
テトが剣をくわえてきてくれたからもってきた袋の一枚は頭と腕を出す部分にもう一枚は両足をだす部分を剣で穴をあけてきてもらってロープをベルト代わりにしてもらった。
「よし!いこう!ふぐぅぅぅぅぅぅ!!!おらぁぁぁ!!!」
「すごい…」
「ふぐぅ…すみません松明をもってください!」
「はい!」
大きな袋3つにパンパンな金品をいれて気合を入れてまとめて背負った、火事場の馬鹿力ってほんとにあるんだなって思いながらも先導してくれるテトのあとにつづいて洞窟をでた。
「ふぃ~!はっ!急いで街に向かいましょう!」
「は、はい!」
「にゃぁ!!」
「きゃ!な、なに!?」
「さすがテト!荷車にのってください!一気に行きます!」
「わ、わかりましたぁぁぁぁぁ!!きゃぁぁぁ!!!」
「うぉぉぉぉぉ!!!」
女性とテトが荷車にのったのを確認したから全速力で森の中を走った!
「よぉーし!道にでた!はぁはぁはぁ!!このまま一気に街にいきます!!うぉぉぉぉ!!!!」
「うひぃぃぃっぃ!!!!きゃぁぁぁ!!!!」
今までにないくらい全速力で必死に街に向けてはしった!
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