第18話
「ねぇ、タチバナ」
「はい?」
「あなたって昔からよく視えてたの?」
「昔から視力はいいですよ」
「…………アリス?」
「…………そういうお方なので」
「…………にゃぁ~…」
視力は昔から両目で2.0だから答えたのに、なんか呆れられてんだけど…もしかしたらこっちの人はもっと視力がいいの?
「はぁ~…まぁいいわ、アリス覗いてもいいでしょ?」
「…………」
「そんなに嫌がらないでよ、今回は私が興味があって視たいからタダでいいわ、ついでに
「はぁ~…しかたありません、そういうことならお願いします」
「オッケー、交渉成立ね、じゃああなた達このカードに触れてくれる?」
「にゃっ?」
「テト大丈夫です、フィーネが自分で契約をしたので何も悪いことは起こりません」
アリスさんに言われテトがテーブルにおりて何も書かれていないトランプみたいなカードの山に手を置いたから俺も真似しようとしたらアリスさんに左手で持つように言われ左手の手のひらに置いた。
「まぁ、普通ならあっても1枚か2枚くらいだからこんなにカードはいらないんだけどね」
「あの?」
「今からあんたたちが元々もっている力がなんなのか調べてあげようと思ってるの」
「元々?よくわからないですけど危なくはないんですよね」
「ええ、大丈夫よ。じゃあ始めるわね」
フィーネさんがそう言うとカードに両手をかざして目を閉じた、驚かされっぱなしで気にしてなかったけどフィーネさんもめっちゃ綺麗な顔をしている、こっちの住人ってみんな美形なんだろうか…でも花屋のおばちゃんはおばちゃんだった……やべっ!なんか緊張してきた。
「タチバナ、気を楽にして」
「そ、そういわれても…」
「
俺が緊張しているとテトが左前足を置いてあるカードが五枚カードの山から飛び出した、なんか絵と字みたいなのが書かれているけど読めない。
「5枚も!?…」
「やーっぱりあなたもただもんじゃなかったわねぇ…ふふふ、どれ?
「え?」
「!?」
「にゃっ!?」
「ちょっ!なによこれ!!何枚でたのよ!!」
1枚か2枚っていってあったのになんか多いぞ!?しかも思いっきり飛び出して床に飛び散っちゃってるし!
「…………」
「…………」
「…………」
「「…………」」
なんかまずいことになったのかな、アリスさんとフィーネさんだけじゃなくてテトとメイドの子たちまで床の散らばったカードをみて固まってんだけど…。
「あ、あの……」
「え!?あ、ああ…ま、まずは
「そ、そうしてください」
床に散らばったカードをあつめたフィーネさんがテーブルに置き、かわりにテトのカードをみた。
「ふむ、やっぱりただのクゥトールじゃないわね」
「そうですか」
「ええ、クゥトールの中でもレア中のレア、
「!?」
「アリスさん?」
「だ、大丈夫です…他を教えてください」
「ええ、他は
「え、ええ…そのようですね…」
「…じゃ、じゃあメインイベントよ…覚悟はいい?」
「……はい」
「………にゃぁ~」
ごくりと二人のメイドとテトが喉を鳴らしたあと静寂になっちゃった微妙な雰囲気の中、意を決したみたいにフィーネさんが俺のカードを手にとって視だした。
「!?」
「フィーネ?」
「ご、ごめんなさい、言うわよ?」
「…………はい」
カードを見て固まったフィーネさんだったがアリスさんが姿勢を正して神妙な雰囲気になるとカードの内容を言い始めた。
「ま、まず……
「!!!!!!!」
「驚くのはまだ早いわ…
「ちょ、ちょっとお待ちください!」
「ダメよ…一気に言わせて…じゃなきゃこっちがもたないわ…次は
「まだ覚悟が必要なのですか…」
「私の手をみなさいよ」
見るとフィーネさんの手が小刻みに震えていた、言ってることが全く分からないんだけどとりあえず、なんかヤバそうだ。
「いいかしら?」
「ど、どうぞ」
「
「!!!!!!」
「以上よ……アリス友人としていうわ、気をつけなさいよ?」
「ご忠告ありがとうございます」
「凄いものを見せてもらったお礼に、彼のことで何かあったらいいなさい?タダで手を貸してあげるわ」
「…………わかりました」
「そっちも含めて話す人は厳選しなさいよ?」
「わかっております、ではこれで」
「ええ、タチバナ、テトまた顔を出してちょうだい。次はもっといいお茶とお菓子を用意するわ」
「ありがとうございます」
「にゃぁ~」
優しく手を振るフィーネさんはやっぱどこか神秘的な美人だったなぁ。
「では、急いで戻り快気祝いの準備をいたします」
「あ、忘れてましたね。カリン先生が来るんだった」
その後、俺とテトだけ自分の部屋へと帰ってきた。アリスさんは準備があると異世界に残った……固有とか色々いってたけどあんなに皆が驚くことなんだろうな、しかもフィーネさんに調べてもらったことは誰にも言うなってあのアリスさんが何度も口留めしてきたんだから言わない方がいいんだろ……まぁ言われた内容が意味不明だからいうこともないんだけどね。
「!!!……………」
「ちょっ!カリン先生!!……き、気絶してる……」
「失礼を……ふっ!」
「がはっ!……あ、あれ?私はなにを」
「しっかりしてください、テトとタチバナ様の固有を聞いて驚きすぎて気絶をしたんです」
「え?…あ…あぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ご近所にご迷惑がかかるのでお静かに」
「そんなこと言ったって!誰でも叫んじゃいますよぉ~!!」
「気持ちはわかりますが、事実なので受け入れるしかありません」
「そ、そうですよね、うん、うんうん、何があってもテトちゃんはテトちゃんだしタチバナさんだものね」
「そうです、それとこのことは………」
「誰にも言えないですって!」
「ありがとうございます」
快気祝いで家にいたカリン先生が今日の話を聞くと驚きすぎて白目向いて泡を吹いた、そこまで驚くことなんだ……アリスさんに聞いてもはぐらかされるし俺大丈夫なんだろうか。
微妙な雰囲気になったけどアリスさんの作ってくれた料理はどれも最高だった。
「おはようございます」
「んあ?おはようございます」
「本日からクエストを再開なさいますか?」
「え?あ、ああ!そうですね!今日は日曜日なんでやりましょうか」
「わかりました、ではご準備ができ次第参りましょう」
「はい」
着替えをし身支度を整えるとテーブルに朝食ができていたのでテトと一緒にたべて3人で異世界に向かった。
「タチバナさん、おはようございます」
「ナタリーさんおはようございます」
「その後、お体に変わりはありませんか?」
「はい、もうすっかり元気です。ご心配をおかけしたみたいで」
「いえ、お変わりないようでなによりです」
おぉ……朝から知的メガネなクールビューティーの優しい微笑みはモテない俺の心を打ち抜いてくるぜぇ…。
「……………」
「…にゃっ!」
「いたっ!テ、テトどうしたの?ひぃ!?」
「ナタリー本日のご依頼の説明を」
「はいはい、本日のタチバナさんがお受けになられた依頼は害獣の駆除です、期限は明日の夕方まで、詳細についてはアリスにお聞きください」
「はい、ありがとうございます」
「いえ、ではお気をつけて」
「はい!いってきます!」
「はい、いってらっしゃいませ」
美人に笑顔で手をふって見送ってもらえるのは最高だ……ただ営業スマイルなんだけどね、俺は勘違いしない紳士だから浮かれちゃいないぜ。
「……………というわけでタチバナ様には畑を荒らす害獣の駆除をしていただきます」
「了解です、じゃあ前回みたいに罠を仕掛けてみますね」
「わかりました、それと本日からクエストにはテトも同行いたしますのでよろしくお願いいたします」
「おぉ!テト一緒に来てくれるのか!ありがとう!」
「にゃぁ~」
テトがアリスさんの胸から俺の肩に飛び乗ったので優しくなでるとほおずりしてくれた、テトはいつでも最高だ。
「ふむ、足跡からしてこのあたりに設置して間違いないと思う」
「にゃぁ?」
「んー、素人の罠だから数多く設置してみたってだけなんだけどね、あとは畑と森の間にも罠をしかけてたし、そろそろ日が暮れるし明日の朝にでもまた来てみようよ」
「にゃぁ~」
1日をかけて森で動物がとおった形跡をさがしそこに罠を仕掛けていった、テトがすぐ形跡をさがしてくれるからものすごく助かった。
「戻りました」
「お疲れ様です、首尾はどうですか?」
「テトのおかげで動物の形跡が簡単にわかったんで探索しながら罠をけっこう多めに仕掛けることが出来ましたよ」
「…そうですか、では明日の朝にでもご確認お願いします」
「はい!」
「夕食の準備ができておりますので戻りましょう」
「お?おぉ~!!ありがとうございます!!」
一仕事終えたあとのシャワーとアリスさんが作ってくれたごはん…幸せだ!!!!
「久しぶりのクエストですので本日はゆっくりお休みください」
「ありがとうございます!」
テトはまだ寝ないようでアリスさんにくっついてたから歯磨きをしてベッドにはいった。
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「はぁ~ではテトまいりましょうか」
「にゃぁ」
フィーネとのことを知りたいとナタリーに呼び出されテトを引き連れギルドに向かうことにしました。
「わざわざごめんなさいね」
「いえ」
「それで?」
「それでとは?」
「フィーネに視てもらえたんでしょ?」
「はい」
「それで?タチバナさんどんな固有スキルを持ってたの?」
「教えられません」
「なんでよ!」
「フィーネと相談して決めたことですから、とうぜん上にも報告するつもりはありません」
「ちょっと!それでいいの!?」
「問題ありません」
「じゃあ二人だけで秘密にするってこと?」
「いえ、カリンには知らせました」
「え!?なんで私はダメなのよ!」
「フィーネもカリンもタチバナ様の味方だからです」
「それなら私だって!」
「いいえ、ナタリーあなたは違います」
「なんでよ!」
「
「そ、それはその時になってみなきゃわからないじゃない」
「いいえ、わかります。今までがそうですから」
「今まで?」
「タチバナ様に館の掃除を頼んだ時はランク以上に危険な依頼をし命の危険もわかっていたはずなのに実力を図るためだけにやらせたり、あの怪我を負った時もあなただけギルドのメンツのために動いていたからです」
「そ、それは…………」
「失礼ですがそのような人はいつ敵になるかわかりませんので必要以上の情報をお知らせするわけにはまいりません」
「……………………」
「話は終わりのようなのでこれで失礼いたします」
「ちょ、ちょっと!」
「ちなみにですが……タチバナ様に余計なことを吹き込んだり…あまりにも目に余ることをなさったら
「!!!」
「にゃぁ~」
「そうですね、テトもですね。では」
真っ青な顔で固まってしまったナタリーに背を向け私とテトはギルドを後にしました。隣の部屋にいたガルドさんもこれで私達の気持ちを理解してくださったと思います。さて、明日は朝早くからクエストがありますのでタチバナ様の朝食の仕込みをしにもどりましょうか。
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