第15話

〇 登 録 者  タチバナ ダイスケ

〇 L    V  41

〇 ラ ン ク    E+

〇 最高達成LV   S

〇 達成回数    31

〇 未達成数    0

〇 保有金額    41,100ガル

〇 登録従魔   テト(クトゥール♀)



「ふぅ~…結構物入りで使っちゃったなぁ~まぁしょうがないか」

「お疲れ様です」

「タチバナさんお疲れ様です」

「にゃぁ~♪」

「お疲れ様です、テトただいま」


夜のクエストを終え家に戻るとテトが寝心地のよさそうな猫用のベッドの中から飛び出し抱き着いてきたので受け止め、アリスさんとカリン先生に挨拶をした……ん!?


「あれ!?カリン先生!」

「お邪魔しております」

「カリンにはテトの経過観察と必用なものの購入をアドバイスしていただきました」

「そうだったんですね、ありがとうございます」

「いえいえ!テトちゃんの傷も化膿などないですし順調に回復してますよ」

「おぉ~!テトよかったなぁ」

「にゃふぅ」


テトを抱き上げておなかに顔をうずめてぐりぐりした、最高だ。


「タチバナ様、夕食の準備ができておりますのでお着替えを」

「あ、そうですね、いつもありがとうございます」

「いえ……!?、タチバナ様少々おまちください!」

「はい?なんですか?」

「背中の傷はどうされたのですか!」

「え?あ、ああぁぁぁ!スーツがぁぁぁぁ」

「召し物の話をしている場合ではございません!カリン!」

「は、はい!タチバナさん!上を脱いですぐにみせてください!!」

「はい」

「これは……」


アリスさんに指摘されてみるとせっかくのスーツに血がにじんでいた…クリーニングで落ちるかなぁと思いながらカリン先生に背中をみせるとカリン先生の顔が蒼くなった。


「ど、道具をもってきます!」

「カリン急いでください」

「あの……」

「タチバナ様は動かないように!」

「は、はい……」

「それで?このお怪我はどのように?」

「えっとですね、クエストをこなしていると急に黒ずくめの3人組が襲って来まして」

「!!」

「運んでいた荷物を奪いに来たみたいで応戦して追い払ったときにやられたんですよね」

「い、痛みはございませんか?」

「やられたときは痛みってより熱いって感じだったんですがそのあと全然痛くないんで、着替えるときにみたら服は小さな穴が開いてるだけだし垂れてた血をちょっと拭いただけでほっといたんですけど」

「そ、そうですか……しかし本日のクエストの荷はたしか」

「はい、港から肉屋のドムさんの店まで肉を運ぶ仕事です、よほどいい肉だったのか、それともよほどおなかがすいてたんですかねぇ」

「そ、そうですね」

「おまたせいたしました!」

「カリン、傷口はたぶん特殊な麻痺毒で麻痺してます」

「え!わ、わかりました!タチバナさん少しさわりますよ?」

「はい」

「触っているのがわかりますか?」

「はい、なんかくすぐったいですから」

「わ、わかりました、これから治療しますので動かないでくださいね」

「はい、お願いします」


カリン先生が治療を始めて1時間立つか経たないかってくらいで終わった、思ったより怪我がひどかったのかもしれないけど、背中で見えないし傷口見たら痛くなりそうで鏡などで見るのをやめた。


「タチバナ様、本日の入浴はお控えください、髪はあとで私があらってさしあげますので夕食を摂り少々お休みになられてください」

「食後にこの薬を2錠づつ飲んでくださいね」

「わかりました、え?アリスさんに洗ってもらわなくてもそれくらいは自分で」

「私が洗ってさしあげますので」

「は、はい」

「それでは私は少々確認したいことがございますので一旦戻らせていただきます」

「あっ!私も同行させてください!」

「……にゃっ!」

「……わかりました、タチバナ様、テトもつれていきますので食事をおとりになりごゆっくりおやすみくださいませ」

「は、はい」


なんかテトまで怒っていた気がするけど3人は急いで異世界にいってしまったし…食事をして薬を飲んでゆっくり横になってますかねぇ。


「ナタリー」

「え?アリスどうしたの?カリンまで」

「本日のタチバナ様の依頼……何を運ばせたんですか?」

「え?ちょっとまって……えっと……今日はナムズから船を使って運ばれてきた肉2tの搬入だけど……どうしたの?」

「タチバナさんが搬入中に襲われてひどいけがを負ってましたよ!お肉の搬入でこの街の中、襲われるということがあるんですか?」

「えぇ!?そ、そんな……何も報告をうけてないわ!ちょっとまって!マスターを呼ぶわ!!」


ナタリーのあの慌てぶりからしてギルドは本当にしらなかったようですね……それでもギルドが悪いことに変わりはありません……抱いているテトの怒りもわかります。


「アリス!カリン!どういうことだ!」

「それはこちらがお尋ねしたいことなのですが?」


マスターのガルドさんが血相を変え現れ私たちはタチバナ様のお怪我のことなどをお伝えしました。


「傷口を麻痺させるやり方なんて…殺しのプロのやり方じゃねぇか」

「血が固まらないようにする毒も微量ですが傷口に付着していたのでタチバナさんは痛みを感じず出血し続けていたんです」

「そ、そんな……なんで……」

「それはこちらが訪ねたいことです」

「すまん…そこのことについてはこちらで調査する、タチバナの治療費もギルドでだそう」

「治療費は当然いただきますが、調査については行うつもりです」

「なに!?」

「このことはすでに《上へ》報告しておりますので」

「アリス!!」

「ナタリー、タチバナ様はLV40越えだったから辛うじて助かったと思います、これが並みのEランクだったら確実に死んでいたんですよ?」

「そうですよ!発見があれ以上遅れていたらタチバナさんだって!あなたは傷をみていないから!」

「そっ、それは……」

「わかった、調査はこちらとそちらで行ってもらおう、それで結果次第では俺が自身を含め処罰をかす」

「マスター!」

「ランクの低い奴が無理しねぇように、能力にあった依頼をさせるそのためにギルドがあるんだ、それが崩壊しているならそれは管理者の責任だ」

「……わかりました……それで?タチバナさんは大丈夫なの?」

「止血剤がきいてくれたらといった感じです」

「そ、そう……」

「けがが治るまで依頼をとめます」

「ええ、わかったわ」

「あいつはうちの有望株だ、頼むぞ」

「わかっております」


タチバナ様はヌルヌルする程度だとおっしゃっていた、普通は血がたれていることに気付くはずなのにあの方は……はぁ~……しかし単独で依頼をやりたいといったことだけは褒めたいと思います、あの性格ですから必ず他人をかばい悪い事態にしかなりません。


「マスター……」

「すぐに調査をする、まずドムの店と卸売業社それと船の船員も調査をしてくれ」

「わ、わかりました」

「誰も死人がでなかったのは幸いだが襲われた相手がタチバナってところが最悪だ……しっかり頼む」

「……はい」

「……最悪、むこうと揉めることになる」

「どうすれば……」

「わからん、事実を暴くことしか今はできん」

「アリスの担当を襲うとか……もう最悪ですよ」

「ああ、それにタチバナにも期待が向けられている、こちらの対応を間違えたら一巻の終わりだ」

「はい」


アリスが帰った後、マスターはギルドの主要職員を集め今回のことを説明し、ギルドの総力を挙げて調査することになった。


「じっとしていてください」

「こ、これは恥ずかしいですよ!」


戻ってきたアリスさんに押し切られ今俺は、傷口に水が入らないテープみたいなのを貼られタオル1枚のあられもない姿でいつの間にか用意されていたふろの椅子にアリスさんと向かいあうように座り頭を差し出し洗われていた。


「傷は痛みませんか?」

「はい、あれ?結構血がでてたんですね」

「はい」

「水が結構そまってます、痛くないからって気をつけなきゃダメですねぇ」

「はぁ~……他人事のようにおっしゃらないでください」

「すみません……んぐっ!?」

「いいですか?次から襲われたり何かイレギュラーなことが起きたら必ず報告してください」

「ふぁい」


急に顔を手で挟まれて上をむかせられると真剣な顔をしたアリスさんに強めに言われ迷惑かけたなぁと反省し素直に返事をした。


「あれ?クエストがこないな」

「怪我が治るまでお休みしていただきます」

「え?そんな大げさな、痛みもありませんしもう血も止まってますよ」

「はぁ~」

「にゃはぁ~」

「えぇ…テトまで……」


翌朝、普通に目がさめたけどクエストの知らせがこないから聞いただけなのにアリスさんとアリスさんの腕の中にいるテトが同時にため息をついていた。


「本来ならば傷がいえるまでこちらのお仕事もお休みいただきたいところなんですが」

「それは厳しいですね、あ!それと今日は社長とそのご家族に晩御飯を誘われてたんだ」

「はぁ~…なぜそのような大事なことを早くおっしゃられないのですか……」

「忘れていました……」

「にゃぁ…………」


がっくりとうなだれたテトをアリスさんが慰めるようにやさしくなでるのを見て朝からダメージが半端ない……。


「おはようございます」

「あれ?カリン先生おはようございます、どうされたんですか?」

「タチバナさんとテトちゃんの傷を診察にきたんです」

「えぇ!朝早くからわざわざすみません!」

「いえいえ、ではお時間もありますので早速タチバナさんから診ますね」

「お願いします」

「はい、では失礼しますねぇ……え?」

「カリンどうしましたか?」

「タチバナさん昨日なにかなさいましたか?」

「い、いえ、アリスさんに髪だけじゃなく体も洗われて羞恥心に耐えたくらいです」

「大丈夫です、肝心なところはタオルで隠れていましたからご安心を」

「恥ずかしい……」

「それで?」

「アリスとちょっと話をしてもいいですか?」

「はい」


驚きながらもアリスさんと一緒に隣の部屋へと行くのを上半身裸で正座をしながら見送る俺っていったい……。


「それで?なぜそんなに驚いているんですか?」

「タチバナさんの傷口が小さくなってきているのともうすでに新しい皮膚が薄く貼ってきています」

「え!?そ、それはどういう……」

「理由はわかりませんけど常識では考えられない速度で回復していっているんだと思います」

「テトは何かしっていますか?」

「にゃぁ……」

「と、とりあえず全治2か月はみていたんですが…このペースでは5日もすれば」

「わ、わかりました。上には私から報告いたします」

「はい」


ずっと一緒にいたテトでさえ理由がわからないとなるとこれはタチバナ様ご自身の力なのかもしれません、それを踏まえて報告することにします。









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