第20話 シヴァの永遠のライバル現る??

ピッポ、ピッポ🎶信号の変わる音やら車の音街中は騒がしい。人が沢山歩き、周りを見渡せば人、人、人だ。


誰かと待ち合わせる風景やら、中には親子連れなど。休日はいつもこんな感じなのか。


ひかりはバスから降りるとその大きな書店に向い歩く。辺りをキョロキョロしながら、俺もついて行く。


すると、一人の年配の女性がひかりに道を尋ねてきた。


女性「すみません。シンホニーホールに行きたいのだけど、近くにないでしょうか。」


ひかり「それなら、すぐ近くだから、ご案内しましょう。」


女性「これは、ありがとう。いえね、近くまで来たのはいいのだけどね、迷ってしまって。。」


ひかりは女性とホールまでの道のりを話をしながら歩いていく。


女性「ホールでね、初めて息子の演奏を見ますの。」


女性は嬉しそうに話す。どうやら、息子さんがピアノをしていて、普段はあちらこちらで演奏をして回り、今日はここ地元での演奏があるそうなのだ。どうりで、女性はマダムと言った雰囲気でピアノの演奏会など。。品のあるような感じなんだな。


ひかりもライブには何度か行った事はあるが、バンドで気品からはかけ離れている。が、生で聴く音はどんな演奏だろうが、いいもんだ。なぜなら、ひかりは職場の子供達の生演奏を園だけではなく、小さいホールで聴いたりする経験が毎年あるからだ。


ちょっと、思いながらうっとりしていると、案内場所に着いた。


ひかり「ここです。着きましたよ。」


女性「どうもありがとうございます。あら、少し時間があるわ。息子の控室に寄りましょ。一緒に如何ですか。」


唐突な女性からの申し出に戸惑うひかり。そりゃ、そうだろう。ただ道案内してきただけで。。。なぜに?。。


ひかりの困った様子を見て女性は、「あらっ、嫌だ私ったら。。ごめんなさいね。今会ったばかりの方にこんな。困るわよね。。貴方があんまりに親切で話しやすかったものだから。。ほんと、ごめんなさいね。」


ひかり「いえ、そんな。。」


女性「でも、もし迷惑でなければ、一緒に息子の演奏をきいてもらえないかしら。チケット、実はもう一人分あるの。誰か誘い来たらと息子が用意してたものだから。」


それを聞いたひかりは驚く。こんな事が現実におきるのかと。


そして、ひかりは断り切れず半ば強引に女性と一緒にホールへと入るのだった。


シヴァ(おいおい、、、大丈夫なんだろうな。。。なんなんだ?この展開は。。) 俺もひかりについて行く。


控室に入ると衣装に着替えて準備中な息子さんらしき男性が腰をかけていた。

息子「母さん。来てくれたんだね。嬉しいよ。そちらの女性は?お友達かい。」


女性は嬉しそうに話し出す。ひかりに会った経緯などを話しながら、その度にひかりに目を向ける。男性は優しく微笑みながら、ひかりにお礼を言い、軽くお辞儀した。


ひかり「私は道案内をしただけですから。それで、あの、、演奏を聴かせて頂けるなんて。。私の方こそ。。」


ひかりがそう言うと、息子さんは是非、自分の演奏を聴いていって下さいとの言葉をひかりに向けたのだ。


そうしている間に時間が来る。ひかりは女性とホールの席に座り、息子さんの登場を待っていた。そうしてホールの中央にグランドピアノがあり、そこへ、先程の息子さんが登場する。


ひかりは、ドキドキしているようだった。音楽が好きでしかも生演奏でプロのピアニストの演奏が聴けるなんて。とひかりは思っていたからだ。俺は、ひかりの側で演奏を聴く事に。


拍手が止み演奏が始まる。彼のオリジナルとも言えるのか、ピアノの一つ一つの奏でる音がひかりにはたまらなく癒やしなようだった。


ふと、隣の女性に目をやると感動しているのか、涙を時にハンカチーフで拭く姿にひかりは少し同情するのだった。


演奏は2時間程で終わり、ひかりはうっとりしていた。女性がひかりに礼を言う。


女性とひかりはまた控室へと行き演奏終わりの息子さんに会う。


息子「今日は、ほんとに来てくれてありがとう。」


女性「素晴らしかったわ。ありがとう。そして、、、あら、嫌だ私ったら、名前も知らないで。お名前伺ってもいいかしら。私は上村ひろこと申します。そして、息子の京です。」


息子「上村京です。仕事上も本名で活動しています。どうぞ、よろしく。」


ひかりも自己紹介し、軽くお辞儀する。そして、演奏の素晴らしかった事を告げお礼を伝えた。


女性はすっかりひかりを気に入ったようだった。この後も食事にと誘いを受けたが、ひかりは丁重にお断りしたのだった。


ひろこと京親子と別れひかりは独り、お茶をしようと喫茶店を探す。


普通、若い娘なら流行りのカフェにでも行きそうなのだが、ひかりは喫茶店の方が落ち着くらしく、歩きながら見つけて入ってみる事に。


「いらっしゃいませ。」と言われ席に着き、俺に「シヴァ様は何がいい?一緒に飲もう。」と。俺はひかりが飲むものに合わせるとし、ひかりの側についていた。


先程の余韻がまだ続いているようで、紅茶を飲みながら携帯から、彼の名「上村京」を検索していた。

すると、有名なのか詳細と演奏等の動画も出てきた。


俺は、なーんか嫌な予感がしつつも、ひかりが生演奏を聴いて癒やされよかったと思っていた。


そして、その予感は的中していくのだ。よりによって、直ぐにあの親子との再会を果たす事になるんだ。


シヴァ(な、なんなんだよ!この展開はーっ!!)


俺の心の叫びなど、誰にも届かず事は進んでいくのだ。。。


ミナカヌシ「シヴァ。これからだよ。ひかりとシヴァの成長が楽しみだねぇ。。。」


天界から神々が微笑んでいたのだった。。。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る