第21話 神々からの贈り物

シヴァ「おい!中筒様!、、どうなってんだよ!おかしなやつが現れたぞ!」


俺は、すぐさま神々に文句をつけた。


底様「ひかりには勿体ないような上品な親子だったよねぇ。」


中筒「ふむ。。上品であった。」


シヴァ(「ふむ。」じゃねぇよ。)「何なんだよ!あの親子は!皆が用意し

会わせたんだろ!」


すると上からミナカヌシ様の気配がした。ニコニコと笑っている。


ミナカヌシ様「そうだよ。僕らが出会わせた。ひかりに恋愛を経験させたくてね。」


俺の嫌な予感は見事に的中だ。(れ、恋愛だとぉー!!冗談じゃねぇぞ!な、何で相手が俺じゃねぇんだよ!!ひかりには俺がいるだろうがよ!!)


ミナカヌシ様「シヴァ、何で君が怒るんだい?」


シヴァ「な、なんで?、、、だと?」


底様「ひかりは男の子が苦手だからね。今のうちに免疫つけていないとね。シヴァは、京君は嫌かい?」


俺は頭に何かが昇るのを感じずにはいられなかった。(け、京君、、だと?!)


シヴァ「ひかりに恋愛させて、結婚でもさせようってんのかよ!」


ミナカヌシ様「おや?シヴァはひかりに恋愛させたくはないのかい?かなり、成長の学びになると考えているのだけどねぇ。。」


シヴァ「お、俺は認めない!ぜーったいにだ!」


中筒様「シヴァよ。そなたはひかりにどうなってほしいのだ?」


中筒様の首を傾げるのが何とも。。。(皆、俺の気持ち知ってるくせに何でだよ!)


ミナカヌシ様「勿論、知ってるよ。シヴァはひかりが好きなんだろう事は。」


神々は一斉に俺を見ている。(皆、知っているんだ。俺がひかりに特別な感情を抱き続けてきているのを。だったら、なぜ人間の男を相手に選んでいるんだよ。記憶がないからか?俺が神の端くれだからか?。。。)


✥✥✥✥✥✥✥✥✥✥✥✥✥✥✥✥✥✥


ひかりは携帯にイヤホンを付け何やら聴いている。そう、あいつの楽曲だ。

確かに綺麗な音色だったが。。。ひかりは、またあいつに会ってみたいのだろうか。


ひかり「ねぇ、シヴァ様。またライブとか行きたいなぁ。」


ひかりは音楽に酔っていた。


シヴァ「バンドか?」


ひかり「何でもいいの。生の演奏が聴けたら。」


俺はそれとなしに尋ねてみる事にした。


シヴァ「ひかり。。またあいつに会ってみたいか?」


ひかりは、、ん?、、首を傾げる


シヴァ「この前のピアニストだよ。」


ひかりはきょとんした表情で、「あぁ。あの方は凄かったよね。あんなふうにピアノが弾けたら楽しいだろうなぁ。まぁ、無理だけどね。。。また聴きたいね。」


俺は何とも言えなかった。。。


ひかりはそんな俺の気持ちなんて気が付きもしない。。ちぇっ(ーー゛)


ひかり(シヴァ様、どうしたんだろう。。何か不機嫌?。。)



最近ひかりの職場では、会議の回数が増えていた。内容は、園で毎年恒例に行われている行事があり、それが園内部だけではなく、外部での小さなホールで行われている。大きいクラスの子供達による演奏会でる。


曲目の選出やら、その為の音楽指導の先生が月に一度子供達を指導しに来ていたのだ。ひかりは、担任ではないにしろ、園では大々的な行事な為、職員総出で個別に子供達を教えているのだ。


主任「えっと。音楽指導の緒方先生ですが、次の回にもう一方お連れになるそうです。手伝って頂くのだとか。聞いております。」


園長「担任の先生方は勿論ですが、他のクラスの先生方もよろしくお願いしますね。」


「はい。」


会議が終わるとひかりも部屋に戻る。園の会議はお昼寝の時間中にあるもんだから、すぐさま子供達を目覚めさせ、おやつの時間なんだ。


部屋に戻ると大半の子供達が目覚めていた。慌てて布団を片付けさっさとおやつの準備がなされていく。


シヴァ(何だか、忙しいよな。。。)


その日の仕事も終わり、ひかりはいつものバスに乗り家路へ。


ひかりはその夜に布団に入るとすかさず隣で添い寝する俺を見る。


ひかり「ねぇ、シヴァ様。今日なんだか、変じゃない?」


俺は少したじろぐ。


ひかり「なーんか、変!不機嫌?、、悩み事?、、、いつもなら、私に感情を送ってくるのに。。。何にもないし。」


シヴァ「別に、何でもねぇよ。気のせいだろ。」


ひかり「ほらっ、また。。絶対に不機嫌だよ。。何かあったん?、、中筒様に叱られたの?」


中筒様「ひかり。シヴァはそっとしておきなさい。」


ひかり「中筒様。。。?」


中筒「これもシヴァの学びになるのだよ。」


ひかりには中筒が何の事を言っているのかが全くわからずだった。。。




「行ってきまーす!」ひかりはいつものように家を出てバス停まで歩く。勿論、俺もだ。


ひかりはチラチラと俺を見ながら気にしているようだった。


「シヴァ様。。」ひかりが俺に向けて話す。「気分、悪い?。。」


俺は後ろからそっとひかりを抱きしめ、「大丈夫だ。なんでもない。」そう答えていた。ひかりは頷く。。。


俺はひかりが好きで特別な感情を抱いている。この事はひかりの記憶にはない。なぜなら、今は人として降りているからで。。。じゃぁ、こっちの世界ではどうだったのかと言えば。。。


これまた、俺の片思いなわけで。。。


いつかは両思いになれると信じ、ひかりの側には常に俺がいるんだ。いつも、側にいるからなのか、ひかりは俺に全く警戒もなく、今だって隣で一緒に寝ようが無防備なひかりなんだよな。。。


バスが来るとそれに乗り込み空いている席に座る。俺が座り開いた両足の間にひかりを座らせた。まるで、そう、(恋仲みたいじゃないか。)そう、思うのもきっと俺だけなわけで。ひかりは、何の意識もない様子だった。


途中の停留所では、何人かの人が乗ってきた。その中に見覚えのある顔がある。。。(あ、あれは。。)俺は目が点になる。。そして、再会させたのだと気づくのだった。。。


ひかり「あれ?、、あの人。。上村さん?」


京「あれ?、、あなたは。。以前に母と一緒だった。。」


そう、皆がひかりの相手にと選んだ彼。


上村 京 


俺は、あ然とするしかなかったんだ。。。



神々「さぁ、再会だ。 シヴァ、どうする?」


神々はこれからの行方を見守るのだった。。。。




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