第19話 生まれてきた事の役割

ひかり「ねぇ、シヴァ様。私の役目ってなに?以前に私は巫女だった事、家系を綺麗にする事は確か聞いたような気がするんだけど。」


帰宅するまでの間、ひかりは俺に尋ねてくる。気になるようだ。人は皆、自分がなぜ生まれてきたのかが気になるのだろうか。。。中には何にも考えもしない人もいるようだが。


さて、帰宅するや否やひかりは自分の部屋に入り、テーブルの前に座る。


ひかり「さぁ、ただいま!、、、中筒様!お話してほしいです。」


中筒様「おかえり、ひかり。。。さて、そなたが生まれた事の役目だが。家系を綺麗にする事は以前に話したが。その他にやってもらいたい事がある。」


ひかりは真剣な表情で聞いている。


中筒様「見えない者と話をし、我々との架け橋となってもらいたいのだ。」


ひかりは「ん?。。。」首を傾げる。中筒様は話を続ける。


中筒様「人には皆ご先祖様がおり、その他にも守護霊と名のつく者達もいる。つまりは、生きているその人を守るだけではなく、指導、一生のうちに経験する学びや課題等を達成させようと導く者がいるのだよ。」


ひかりは、初めて聞く。人が生まれて来る理由に奥深さを感じていた。ただ、生まれてきているのではない。そう、感じていたのだ。


中筒様「縁ある人の背後にいる守護をしている方々がどんな風に導いているのかを見ながら、より良い指導に繋がるように我々との架け橋になってもらいたいのだ。指導するにあたり、何か困り事や、悩み事等があればより良い手段等をこちらからも助言していきたいと。そのように考えている。何せ、ここには、教育の神とも言われている方々が控えておるゆえ。」


ひかり「わかりました。だけど、ご霊界にも教育してくれる方々がいるの?先生ってこと?」


中筒様「そうだよ。そちらのように、学校のような園がありな、そこには様々な教育に携わる方々がいるのだよ。神になる為の学びであったり、教育の道へ行く学びだったりな。様々であるのだ。我々は、人を導く背後の方々の霊格をも上げていきたいと考えている。そうする事で、人もより良く一生での学びに繋がるのではないかとな。」


ひかりは自分が想像しなかった事を言われ驚いていた。てっきり、自分と同じ世界で生きている人に向けて何か伝えるのではないか。と想像していたからである。霊能がある者は中には、鑑定師やら、占い師等、人に向けての役目があるからだ。だが、ひかりには、あえてそのような事はさせず、霊的な面からのアプローチをさせる。中筒様をはじめとする神々はそのような事を考えていた。


確かに、背後が成長する事で人に良き影響を与えるとも言える。中筒様をはじめとする神々の考えなようだ。


中筒様「ひかり、背後の方々とは誰かれ構わずではなく、こちらが選び許可を出すのでな。むやみに誰でもひかりと話せるわけではない。よいな。」


ひかり「わかりました。。だけど、許可がいるのはなぜですか?困っているならば、手を貸してあげたいです。」


シヴァ(ひかりのその気持ちはよくわかるが。誰とでもとなれば、必ず浮遊するような低級な霊も寄ってくるはず。そうなれば、ひかりの身体が保たなくなる事も明白と言う訳か。。。)


中筒様「ひかり、よく聞きなさい。霊能を開き話せる事は、こちらの世界とひかりの今いる世界とを繋ぐ事でもある。霊的に繋がるとは、良きも悪くもありな。つまり、良き者もいれば、邪悪な者もいるのだ。危険を回避しながらの取り組みであるのでな。心しておきなさい。」


ひかり「悪い者とは、家系の因縁とかを指すのですか?」


中筒様「それも1つには言えるであろうが、彼らはまた救わねはならないような方々でもある。しかし、それとは別に真の邪悪な者。そのような者達が見えずとも居るのだよ。」


ひかり「わかりました。。。」


ひかり(因縁とはまた違う何か悪い者がいるのか。。。悪魔とかのことなのかな。。。でも、ここは日本だし、、そんな外国の神は別にしても、悪魔なんか来たりするものなの?。。。あちらの世界っていったい。。。)


ひかりは中筒様が言われる事は一応理解したようだが、別の疑問が湧いていたのだ。



✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵


次の休日ひかりはバスに乗り何処へ行くのやら、独りお出かけのようだ。俺は「何処にいくのか?」とは尋ねる事もなく、ついていく。


ひかり「ねぇ、シヴァ様。私が何処に行くのかわかるの?」


シヴァ「あえてわからないようにしてる。ひかりから言うまで。。てかついていけばわかるだろ。」


ひかり「そうなんだね。ちょっと気分転換にね、本屋にいこうかなって。ちょっと大きい本屋さん。」


シヴァ「本、好きだもんな。図書館とかでもよくないか?」


ひかり「図書館は近いからね、ちょっと離れて、またお茶したりしたいの。」


俺は「そうか。」とだけ頷いた。


だが、しかーし!


このお出かけこそ、俺の行く手を阻む者が待ち受けていたんだ!皆して、ひかりとそいつを出会わせる為に。。


あぁ〜!なんてことだ!、、、オレのひかりがぁ〜。。。


お不動様「全くもって騒がしいのう。。。シヴァよ。覚悟しておるのだぞ。。。」




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