第18話 結婚と家庭を作る事
俺、シヴァだ。いつもひかりと一緒にいる。仕事に行くときも、帰りも、寝る時だって一緒だ。
(あぁ〜。。。ひかり〜、、、俺のこの気持ち、わかんないかなぁ。。。)
お不動様「何を独りでブツブツ言っておるんだ。全く、しょうのないやつじゃの。。。」
シヴァ「お不動様は、知ってるだろ。俺がひかりにどんな気持ちをもってるか。」
お不動様「あぁ。よく知っておるぞ。知っているのは私だけではない。。。中筒様や他の皆様とて、よく知っておる。」
シヴァ「え?中筒様もか。。?」
お不動様「知らぬわけがないだろう、毎日毎日、あれだけひかりにべったりで、ひかりが眠っておる時すらも、一緒になり寝ておるではないか。」
(た、確かに。。。ひかりの側は心地いんだよなぁ。。。)
お不動様はため息をつき、「やれやれ。。。」と言いながら、俺から離れた。
ひかりは保育園で働いている。小さな子供達相手に毎日てんやわんやだ。その様子を俺はいつも少し離れた所から見守っている。同僚の先生とも仲良くやっているようだ。
どの先生も比較的若い。まだ未婚で彼氏がいてどうのこうの。と言った話やら、理想の結婚の話やら。恋バナにもひかりは参加していた。
そう、皆お年頃なのか。。。結婚している先生も勿論いるが、共働きで仕事と家庭の両立やら、我が子を別の保育園へ預け、この職場で保育園の先生として働いている。傍から見る俺がこんな事を言うのもなんだが、皆日々、よく頑張っている。精一杯生きている。
そんな人達を見ては、つい応援したくなると言うもの。。。
しかし、ひかりもいずれは誰かと恋をして結婚し、家庭をつくるようになる。。。
(あぁ〜、、、嫌だぁ〜、、、それは嫌だぁ、、、)
お不動様「また、独りでブツブツと。。。しっかり、守らんか!」
とお不動様にはお叱りを受ける始末。。。
今日も仕事が終わったようだ。俺はひかりの側についた。ひかりは俺が来たことが直ぐにわかり、俺達はいつものように会話する。
ひかり「シヴァ様、おまたせ。帰ろっか。」
俺達は歩きながら、いつものバス停まで。。。あれ?
ひかり「シヴァ様、お茶して帰ろう。何かゆっくり飲んでから帰りたいの。」
シヴァ「あぁ。。」俺は、ひかりのいつもとは違う雰囲気を掴んでいた。何か俺に尋ねたい事がある。。。そう、感じていたんだ。
バス停までの途中に昔ながらの喫茶店がある。ひかりはそこへ時々入り独りで紅茶を飲んでから帰宅していた。
カランカラン🎶と入口を開け、ひかりがよく座るテーブルにつく。すぐさまお冷とおしぼりが用意され、ひかりは持って来てくれた年配の女性に紅茶を注文した。
俺はひかりと向い合わせで座り、ひかりの様子を伺う。ひかりが俺に話かけてきた。普通に声に出せば、周りからは怪しい人だと思われてしまうからな、外では、大概は内側、つまりは内言にて話す。
ひかり「今日ね、先生達と話していたらね、結婚とか、家庭に入るとか、共働きとかね、、つまりはこれから女性が辿る道って言うのかな。そんな話題になってね。私、正直言ったらね、将来結婚とか、結婚どころか恋愛すらも経験が薄いわけで。。。」
シヴァ「不安なのか?。。。」
ひかりは渋るように「う〜ん。。。」
ひかりは両親を見て、母親のこれまでの母親業やら、妻業やらを間近にしてきて、他の人とは違う視点を持っているように感じられた。
ひかりはやって来た紅茶を飲みながら話す。
ひかり「私ね、皆みたいに結婚とかに夢を抱けなくてね、ほらっ、園に預けに来るお母さん達いるでしょ、私と対して変わらない位の年齢で、我が子を毎朝早くに預けに来てから仕事して、迎えに来ては、帰ってからもさ、、なんか想像するだけでも、自分には無理じゃないかって。。。」
シヴァ「確かに、皆よく頑張ってると思う。でもな幸せなんじゃねぇの。大変だろうけどさ、子供を育てさせてもらうってのは貴重な経験だからな。」
ひかり「そうだよね、子供達に自分を成長させてもらってるのはわかるよ。でも、家庭って?結婚する人、しない人、子供だって、生む人、生む事が出来ない人だっているわけだし。それに、自分が生んだ子供ではないけど育ててる人もいる。母子家庭だったり。。。いろいろあるよ。」
シヴァ「人はな、生まれる前にある程度決めてくるんだよ。だから、結婚しない人生から学ぶ。子供を生まない、生めない事から学ぶ。とか、結婚する相手は、、そうだな、人にもよるんだが、協力し合いながら、家庭と言うものを創り上げていく。この過程に学びやら経験などがあるんだ。。。とは言っても当事者達は必死だろうけどな。魂の向上が皆目的なわけだからな。」
ひかり「じゃぁさ、私は?私は家庭を創るの?子供を生むの?」
シヴァ「ひかりは。。。えっと。。」
ひかりは真剣な表情だ。。。自分はどうなんだ?と言わんばかり。。
中筒様「ひかりは役目の為に私が降ろしている。」
突然の中筒様の登場でひかりは「ん?、、?」「誰?、、、?」
あたりを見渡す。
シヴァ「ひかりを育ててくれている方だ。中筒男命(なかつつのみこと)様だ。」
ひかり「中筒様?、、、前にも出てこられたことがあったよね。私が前世は巫女だって教えてくれたんだよね。」
中筒様「そうだ。。そなたは今生、つまり今回生まれたのはお役目であり、やってもらわねばならん事がありな。。。ひかりだけではなく、人は皆役目を持ち生まれて来るのだよ。そして、一生を通し学び、経験を積んで心に栄養を与えてこちらに戻るのだよ。」
ひかり「では、中筒様、私は家庭を持ち子供を持つようになるのですか?」
中筒様「それについては、そなたはその部分は自由選択としている。」
ひかりは驚く。(自由?)
中筒様「人は皆ある程度決めてきてはいるが、自分で選択してよいのだよ。沢山の可能性があり、どんな道も切り開ける。ただ、役目や、宿命は変えられんが。また、自身で決めてきている事もだ。特に、自身で覚悟を持ち決めてきている事にはこちらも、なるべく手出しはせず、見守っている。」
ひかり「そうなんですね。。自分で決めていいのなら、まだ考えなくていいや。結婚する気持ちもないし、相手もいないしね。私、まだ若いし!」
神々「ひかりらしいのう。。。」「全くもって、、、。」
ひかりにも上の方で微笑む神々の表情が伝わったのか、ひかりの表情が緩む。。。安心したようだ。
そう、焦らなくてもいいと。
ひかりは納得し、喫茶店を後にした。
俺はとにかく、今はひかりの側に男性がいない事を願わずにはいられない。。。
それは、ひかりには良くないことかもしれない。。。だけど。。(俺の気持ちがぁ〜…。。)
お不動様「やれやれ、、、ひかりの学びとは別にシヴァの修行であり、学びなのだぞ。。。わかっておるのかのう。。。」
全く、わからずのシヴァであった。。
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