アツい夏①
「今日もあっついねぇ、爽太くん。」
「だな~。」
待ちに待った夏休み。
ギラッギラの太陽が照りつけている、公園の中の木陰。
大きな木の下に腰をおろし、ハンディファンを自分と俺の交互にあててくれながら、小夏は俺に体を預けてぐったりしている。
一緒にショッピングに出掛けたのだが、あまりの暑さに、近くの緑豊かな公園の中に避難してきたのだ。
今日の小夏は、ショート丈のノースリーブに、スケスケロンスカだ。
スケスケとはいっても下地は付いているから、下着が丸見えになることは無い。
・・・・下地も付いていない、下着丸見えのスカート履いてる小夏なんて、俺が外に出す訳がない。
「ね、少しは涼しい?」
ファンを俺に向けながら、小夏が聞く。
真っ白な二の腕が、目に眩しい。
暑いから仕方ないけど。
小夏にはノースリーブを着て欲しくない、と思ってしまう。
だって、この白くてスベスベでヤワヤワの二の腕が、俺以外の奴にも見えてしまう、って事だろ?
ワガママかもしれないけど。
この二の腕は、俺以外には見せて欲しくないんだよな、ほんとは。
そんなことを思っている内に、いつの間にか俺はじっと小夏の二の腕を見つめてしまっていたらしい。
「爽太くん、知ってる?」
「ん?何を?」
悪戯っぽい笑みを浮かべて、小夏は言った。
「二の腕ってね、胸の柔らかさと同じなんだって。」
確かめてみる?
なんて言いながら、小夏は二の腕を俺の目の前に差し出す。
そりゃ当然、確かめるさ!
だって俺。
年頃の、オトコノコだもの!
なんだかガキみたいにドキドキしながら、小夏の二の腕に触れる。
おかしいよな、二の腕じゃない方だって、結構触ってるのに。
うん。
少しだけひんやりして、スベスベして、気持ちいい。
そしてゆっくり、ムニムニしてみる。
うん、確かに。
確かに、胸の柔らかさに似ていなくも、ない。
だがやっぱり、気持ち良さで言えば・・・・
って!
ちがうっ!
そうじゃなくてっ!
二の腕を俺にムニムニされながら、小夏はハンディファンで涼んでいる。
風を受けて気持ち良さそうな顔をしている小夏を見ながら、俺は思った。
やっぱり、ダメだ。
二の腕なんか、俺以外の前に晒しちゃ。
だって。
誰に触られるか、分からないじゃないかっ!
こんなに気持ちいい、俺の小夏の二の腕がっ!
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