とおーきゅう はじ
四肢
不釣り合いでぎこちない動きで
死者
調和の取れた崩壊と環の動きが
明晰
くすんだ体とその意思と絶えざる繰り返し
そうでないものが歌い、じぃっと視線をよこした。
なぜ繰り返すのでしょう。
それが役割だからだ。
視線
鋭さはなく怯えと病がそれらを乱反射し
自然
考えたよりもその一点ものが変化を始めた
自我
幾度となく行われる再生産から外れたもの
それらは劣化もなく繰り返しの外で見るだけとなった。
観察のみが与えられた役割ですの。
この世に生じたものは現象として「人形」と呼ばれた。観測点として現れ、人はそれを生成変化の偶然だと考えていた。
産道
通らねば生まれぬと認識を違えたが
残寒
熱は残り虚空より生み出され
祭司
声と声との反響で定位された現象がある
常に窮した堀の中、数多くの怒りとともにうごけずにいた。それで堀の底が抜け、観測点を一つ発見した。
この観測を永遠なるものにしたかったのです。
傷付いた者はその点。人形を発見する。
それは世界に口利きするものの一つで、発見者は秘密の取引を持ち掛け、失敗する。
無惨にも破壊された人形と、堀の底は埋め立てられた。石膏が流し込まれ、その場は封印されてしまったのだ。
大気
破壊された人々は慄き窒息を続け
大海
下された結論は潜ること
退化
観測点は人の前から人形だ
在り得ないものは一時社会を回そうとしたが、果たしてそれは人の思い通りにはならず、人形は静かに置かれる。
観察のみが与えられた役割ですの。
なにものが作り上げたのだろうか、それらが幾つも発掘され、固定され、過去に無数に訪れた現象であると知れた。
なぜ、繰り返すのでしょう。
それが星の流れだ。
破壊されたものが押し固められたのは、ある観測の記録を見たから。
幾度も世界は呑み込まれ、窒息と潜水とで繰り返される。事象の観測は人こそが生成変化の偶然で生じ、それが保存されていると言う。
「この観測を永遠なるものへ」
最早、観測はない。
わたしたちは産道を通ることなく生じる。
それらに気付き、また消え、気付き、人形は破壊され石膏で固められる。
点。
流れを打ち切る。
腕。
折られ破断さる。
雷。
観測の断絶。
四肢は、絶たねば。天は、永遠なるものを信じない。
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